瑞牆山(みずがきやま)とは
標高2,230mの瑞牆山は日本百名山の一つで、秩父多摩国立公園の西端に位置し、山頂部はヤスリ岩、弘法岩、十一面岩など花崗岩で出来た数多くの奇岩が林立する奇峰と呼ぶにふさわしい名峰です。
- 1. 瑞牆山の魅力
- 1.1. アズマシャクナゲ
- 1.2. 花崗岩の切り立った奇岩
- 1.2.1. 豊富なロッククライミングルート
- 1.2.2. カンマンボロンの梵字と岩の割れ目をくぐる「胎内くぐり」
- 2. 瑞牆山の名前の由来
- 3. 瑞牆山登山口の駐車場とアクセス
- 4. 瑞牆山の地図
- 5. 瑞牆山の登山コース概要
- 5.1. ① 瑞牆山-瑞牆山荘コース
- 5.2. ② 瑞牆山-不動滝コース
- 5.3. ③ 瑞牆山-カンマンボロンコース
- 6. 瑞牆山の日帰り登山は出来る?
- 7. 瑞牆山の登山口近くの温泉
- 7.1. 増富ラジウム温泉・増富の湯
- 7.1.1. 日帰り入浴
- 8. 瑞牆山の天気
- 9. 各種情報
- 9.1.1. 瑞牆山登山ツアー
- 9.1.2. お問い合わせ
- 9.1.3. 登山届提出
- 9.1.4. 登山地図のスマホアプリ
- 10. 瑞牆山周辺の気温
- 11. 瑞牆山登山のための装備と服装
瑞牆山の魅力
アズマシャクナゲ
アズマシャクナゲの咲く6月は登山最適時期で、登山道をピンク色のトンネルに変えます。しかし、不動滝(北面)ルートの山頂付近には残雪が6月中旬までありますから、軽アイゼンを携帯することをお勧めします。
花崗岩の切り立った奇岩
瑞牆山山頂の隣にある大ヤスリ岩ハイピークルートは、クライミングルートとして親しまれています。 山頂からは大ヤスリ岩を登るクライマーが見え、見ている方がムズムズしてくる感覚を覚えます。
豊富なロッククライミングルート
瑞牆山は無数と言って良いほど沢山の花崗岩壁を要した奇峰です。釜瀬川の源流の右岸に絵星岩、左岸に屏風岩。天鳥川の源流部・北ノ沢の右岸に十一面岩(左岩稜末端壁、左岩壁、正面壁)が、左岸に小ヤスリ岩などがあります。
この中でも、十一面岩左岩稜末端壁は、日本のクラッククライミングの代表的な岩壁です。天鳥川の源流部を右手に進むとカンマンボロン、大面岩、小面岩などが連なっています。瑞牆山の北東部へ連なる稜線は、本峰南壁、鋸岩、大岩塔です。
カンマンボロンの梵字と岩の割れ目をくぐる「胎内くぐり」
弘法大師がカンマンボロン(大日如来・不動明王という意味)と梵字を刻んだ岩壁があります。かつて修験道では「胎内くぐり」という修行がありました。自然の岩の割れ目などをくぐり、疑死再生の体験を行うものです。
江戸時代まで、瑞牆山の隣にある金峰山が修験道の主要な霊場となっていましたが、僅かではありますが、瑞牆山も修験道の対象の山となっていた証拠を示す資料が残っています。
弘法大使が大日如来・不動明王と言う意味の「カンマンボロン」の梵字を刻んだとされる岩壁の前に「胎内くぐり」の修行に相応しい岩の割れ目があります。修験道の霊場としては余りにもぴったりしているので、かつて修験者がここで修行をしていたであろう姿を想像するとロマンを掻き立てられます。
瑞牆山の名前の由来
山の名前は、明治38年に山梨県知事の武田千代三郎が命名したといいます。かつては三繋(みつなぎ)とか小産岩(くうぶいわ)と呼ばれていたようです 。
「瑞牆」とは神社の周囲を囲む垣根(玉垣)のことを言います。瑞牆山荘から少し登った所に金峰山里宮の小祠が祀られていますが、それ以外には登山道沿いに修験道に関わる遺物を目にすることはありません。
しかし、大小の奇岩には大ヤスリ岩、弘法岩、十一面岩、カンバンボロンなどと仏教に関係する名前が付けられています。瑞牆山も金峰山と同様に修験者が山岳信仰の対象とする山になっていたようです。
瑞牆山登山口の駐車場とアクセス
アクセスの詳細は下記を参照してください。
瑞牆山の地図
瑞牆山の登山コース概要
① 瑞牆山-瑞牆山荘コース
登山道は瑞牆山荘正面から始まり、広葉樹林帯の中をジグザグに登ると富士見平小屋に到着します。 シーズン中には韮崎駅から瑞牆山荘へのバス便があり、本数も多く便利です。
富士見平小屋の少し手前にある水量豊富な水場に立ち寄り水を補給します。 富士見平小屋正面で金峰山方面への道を右に見送って、左手側に進み、樹木の間から時折見え隠れする花崗岩の奇岩で出来た瑞牆山に目をやりながら、しばらく平坦な道を進みます。
その後、登山道は下りとなり雨鳥川を渡った所にベンチが設置され休憩に適した平坦地に着きます。 それを過ぎ桃太郎岩の脇に架けられた木製の梯子を登ると傾斜は次第にきつくなってきます。
雨鳥川沿いを遡上する所では滑り止め用のロープが掛けられています。
シャクナゲのまじった針葉樹林帯を登り上げると正面に大ヤスリ岩が飛び込んできます。 大ヤスリ岩の登攀にはその基部で登山道を左に入ると取り付きがあります。
大ヤスリ岩を左に見上げながら登ると不動滝側からのルートが合流する鞍部に到着します。 ここから山頂までは5分ほどで、途中ロープが架けられた岩が一か所あり、季節によっては岩が凍っていて大変滑りやすい所です。
瑞牆山山頂では360度の展望が開け、南アルプス、金峰山、八ヶ岳、富士山などを一望出来ます。
コースタイム
- 登山:瑞牆山荘⇒瑞牆山 2時間50分
- 下山:瑞牆山⇒瑞牆山荘 2時間10分
難易度 1/10
体力 2/10 日帰り
② 瑞牆山-不動滝コース
みずがき山自然公園と瑞牆山荘との間を走るバスは2012年4月15日現在ありません。(運行の再開予定もありません) 従って、徒歩かタクシーでみずがき山自然公園まで行く必要があります。
さらに徒歩30分の所に登山口があります。 マイカーは登山口(林道終点)まで入り、約15台の駐車スペースがあります。
不動沢にそって進み、45分ほどで不動滝に到着します。 この辺りからアズマシャクナゲの群生が山頂まで続きます。
瑞牆山荘からのルートに比べ登山者の数は少ないのですが、いくつかの点でこのコースの方が優れている点があります。
1. アズマシャクナゲの群生が大変多いこと
2. 不動沢及び不動滝の風景が好い事
3. 山頂までのコースタイムが短いこと
欠点としては北向きの斜面のため、山頂近くには6月中旬ころまで雪が残ることとバスの便がない事です。
コースタイム
- 登山:みずがき山自然公園⇒瑞牆山 3時間
- 下山:瑞牆山⇒みずがき山自然公園 2時間20分
難易度 1/10
体力 2/10 日帰り
③ 瑞牆山-カンマンボロンコース
カンマンボロンを経由して瑞牆山に至るルートは廃道になって、登山地図には載っていません。所々で踏み跡程度になるところもありますが、ペンキマークや赤リボンが随所についてルート外すことはまずないと思います。ただし、登山時には分りやすいようにマーキングされていますが、下山時に使う場合には、ペンキマークの数が減り、ルートを外さない様に慎重に降りる必要があります。ペンキマークが途切れたら、必ずペンキマークを確認した元の場所まで戻ってください。
みずがき山自然公園の約300m手前に20台ほど止められる駐車スペースがあります。その前に三つの登山道が山の中に向かって伸び、どれを使っていいか迷います。左端の登山口には案内板が設置されています。右端の登山口には富士見平小屋を示す道標が立っています。真ん中には何もありません。
登山口近くには沢山の遊歩道が整備され、幾つにも交差しているので、山頂へ向かうルートがはっきりしません。
今回は最も分りやすい案内板のある登山口から出発します。車道から5メートルほど進むと二股に分岐します。分岐を右に辿り100メートルほど進むと、五差路が現れます。そのまま直進し、100メートルほど進むと再び五差路です。ここもそのまま直進し、更に100メートルほど行くと、山梨県中北林務環境事務所が木に巻き付けた注意書きがあります。この注意書きを確認すればその先は一本道です。
登山口から30分ほど歩くと、正面にカンマンボロンの梵字が刻まれた洞ノ岩の岩壁が見えてきます。その岩壁の基部から5メートルほど登った所に弘法大師が花崗岩にカンマンボロンと梵字を刻んだ岩壁があります。
洞ノ岩の岩壁が見え、ほどなくして急激に斜度が増してきます。呼吸を整えながら登ります。 小さな沢を超え、木の根が交差する急斜面を登り上げた岩に「←グリーンロッジ黒森、→みずがき山」と書かれたステンレス製のプレートが留められています。このプレートから50メートルほどトラバースした所が、目的のカマンボロの梵字へ向かう取り付き点です。ここまで登山口から約45分の行程です。
取り付き点の場所には道標などはなく、踏み跡程度で分りにくく、そのまま登山道を真直ぐに山頂に向け通過してしまいそうな場所にあります。一旦登山道から外れ洞ノ岩の岩壁が立ち上がっている所まで約30メートルほど踏み跡程度の道を登ります。洞ノ岩岩壁の真下に立ち、そのまま岩のスレスレを右方向に30メートルほどトラバースします。 そこから真上を見上げると洞窟状にえぐられた岩壁がそそり立ちます。
ザックをデポして洞窟状の急な斜面を5メートルほど登ると左手にトンネル状に開いた狭い岩の隙間があります。岩の隙間をすり抜けると2、3人で一杯となる狭いテラスに出ます。そこから見上げると、洞ノ岩の岩壁に刻まれた梵字を見ることが出来ます。
カンマンボロンの梵字のある所から登山道へ戻り、ペンキマークに従って登って行きます。ここから10分ほどトラバース気味に登って行くとアズマシャクナゲの群生地になります。
アズマシャクナゲの群生地を抜けると、一気に傾斜が増して、ロープの設置された岩やスリップしやすい急斜面が5箇所連続します。
ロープ場をクリアすると狭いルンゼを登りへ上げ小さな稜線に飛び出します。反対側に瑞牆山の奇峰群が近くに見え、パノラマルートと呼ぶに相応しい景観が目の前に広がります。
稜線から一旦下がり、アズマシャクナゲの群落地を登り上げると大ヤスリ岩の基部に到着します。大ヤスリ岩の基部を回り込めば、瑞牆山荘から登る一般道と合流します。
ゴールデンウィーク中ということもあって大勢の登山者で大きな岩がゴロゴロした所は、渋滞が発生しているところも随所で見られます。 瑞牆山の北側に回り込むと、まだ残雪があり、スリップしやすい新設された鎖場を登ると瑞牆山山頂に飛び出します。
瑞牆山への最短ルートであるカンマンボロン(パノラマ)ルートは、廃道になったバリエーションルートです。ペンキマークや赤札が多く、ルートを外すことはほぼないとは言え、急斜面が連続し浮石も多く、落石すれば後続者に当たりかねないといった危険や、トラバース区間でのスリップ・転倒が滑落に繋がるといった危険箇所もありますので、怪我の無い様に慎重に行動すると共に、入山に際しては自己責任でお願いします。
コースタイム
- 登山:みずがき山自然公園300m手前の駐車スペース⇒45分カンマンボロン取り付き点⇒10分(感動に浸る時間も含めて)カンマンボロン⇒10分アズマシャクナゲ群生地⇒55分大ヤスリ岩(瑞牆山荘ルート合流点)⇒25分瑞牆山 合計2時間25分
- 下山:瑞牆山⇒みずがき山自然公園300m手前駐車スペース 1時間25分
難易度 4/10
体力 2/10 日帰り
瑞牆山の日帰り登山は出来る?
瑞牆山で最もポピュラーな瑞牆山荘コースの往復のコースタイムは5時間、 その他、不動滝コースは5時間20分、 カンマンボロンコースは4時間なのでどのコースから登っても余裕で日帰り出来ます。
瑞牆山の登山口近くの温泉
有馬温泉と並ぶ世界一のラジウム含有量です。戦国時代、武田信玄が金発掘の際湯を発見し、秘蔵湯として傷病兵を療養させたと言われる「信玄の隠し湯」の一つです。
増富ラジウム温泉・増富の湯
本谷川渓谷沿いにラジウム含有量世界一の増富ラジウム温泉峡があり、宿泊するのもいいと思います。
日帰り温泉では増富ラジウム温泉「増富の湯」があります。
増富ラジウム温泉の増富の湯は、数種類の源泉かけ流しの日帰り入浴施設です。源泉泉質は、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(高張性中性低温泉)です。
昼食に『はなまめ定食』『みずがき定食』『ますとみ定食』の3種類の定食があります。
日帰り入浴
料金:830 円 消費税・入湯税込
入浴時間:10時00分~16時30分 / 水曜日定休
瑞牆山の天気
各種情報
瑞牆山登山ツアー
- 瑞牆山|登山・トレッキングツアー
お問い合わせ
登山届提出
- 山梨県警察 郵送、電子メール、ファックスなので提出可能です。
登山地図のスマホアプリ
- 山と高原地図のスマホアプリ
昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。
瑞牆山周辺の気温
最高気温 | 平均気温 | 最低気温 | |
1月 | -1.9 | -8.1 | -13.1 |
2月 | -0.5 | -6.7 | -11.9 |
3月 | 3.4 | -2.9 | -8.3 |
4月 | 9.9 | 3.0 | -2.8 |
5月 | 14.2 | 7.5 | 2.2 |
6月 | 16.9 | 11.0 | 6.5 |
7月 | 20.4 | 14.6 | 10.5 |
8月 | 22.0 | 15.6 | 11.4 |
9月 | 17.5 | 11.7 | 7.6 |
10月 | 11.3 | 5.4 | 1.1 |
11月 | 5.8 | -0.6 | -5.6 |
12月 | 0.6 | -5.8 | -10.8 |
瑞牆山登山のための装備と服装
軽アイゼン | 12本歯アイゼン | ピッケル | サングラス | ツェルト | |
1月 | ◎ | × | × | ○ | ○ |
2月 | ◎ | × | × | ○ | ○ |
3月 | ◎ | × | × | △ | ○ |
4月 | ○ | × | × | △ | ○ |
5月 | △ | × | × | △ | △ |
6月 | × | × | × | △ | × |
7月 | × | × | × | △ | × |
8月 | × | × | × | △ | × |
9月 | × | × | × | △ | × |
10月 | × | × | × | △ | × |
11月 | × | × | × | △ | △ |
12月 | ○ | × | × | ○ | ○ |