吾妻山(西吾妻山)とは

吾妻連峰は、山形県と福島県の県境にあり、東西約20km、南北約10kmに渡る火山群で、そのほとんどが磐梯朝日国立公園に含まれています。 最高峰は西吾妻山の標高2,035mで、日本百名山に数えられています。

吾妻山の山域は、山形県と福島県の県境に沿って東部、中部、西部に分けられ、東部には磐梯吾妻道路(磐梯吾妻スカイライン)が走り、浄土平を拠点として、標高1,707mの吾妻小富士、標高1,975mの東吾妻山、吾妻連峰内で唯一の活火山である標高1,949mの一切経山などとともに、コバルトブルーの五色沼、浄土平湿原、低層湿原の様相を見せる酸ヶ平(すがだいら)などの散策コースを巡るのも面白いでしょう。

中部には標高1,927.9mの東大巓(ひがしだいてん)が主稜で、東部と西部を結ぶ縦走路の中間地点にあり、日帰りは困難なため明月荘(弥兵衛平小屋)の避難小屋泊が必要となります。

西部には吾妻連峰の最高峰・西吾妻山(標高2035m)があり、白布温泉の天元台ロープウェイやグランデコスノーリゾートのパノラマゴンドラリフトを使えば、気楽に山頂まで行ける登山初心者コースとなっていて、稜線上には高層湿原が広がり、池塘(ちとう)が点在する周辺にはお花畑が発達し、6月末から高山植物が咲き誇ります。

吾妻山(西吾妻山)の地図

吾妻山(西吾妻山)のアクセス

吾妻山(西吾妻山)
吾妻山(西吾妻山)白布温泉天元台のアクセスと駐車場
吾妻山(西吾妻山)白布温泉天元台のアクセスと駐車場

吾妻山(西吾妻山)の登山コース概要

白布温泉天元台リフトコース

 白布温泉天元台リフトコース
梵天岩下のいろは沼から吾妻山(西吾妻山)を望む

白布温泉の上にある天元台ロープウェイを使って登り、若女平登山口へ下山するルートを案内します。

約300台の駐車場、トイレ、水場が完備された天元台ロープウェイには路線バスが走り、米沢駅間を45分で結んでいます。 天元台ロープウェイの始発は8時20分です。下山時に使う最終登山リフトが15:40です。 登山リフトの運行は、10月下旬までで、天元台ロープウェイの運行期間より早めに終わります。

天元台ロープウェイの山頂側の駅である天元台高原駅に降り立つと、平坦地が広がり、サッカー場程の広さの運動場、レストラン、ペンション群などが あります。

天元台高原スキー場の登山リフトを3基乗り継げば、標高1,810mの北望台に到着します。天元台ロープウェイと登山リフトを合わせた時間は、40分ほど かかるので登山計画を立てる際、注意が必要です。

登山リフトを降りた正面が登山口で、少し進んだ所の分岐で人形石に向け樹林帯の中を30分ほど登ります。 展望が開けてくると間もなく、石を敷き詰めたような平坦地にある人形石に到着です。 人形石の周辺には、お花畑が発達し、いろは池などの池塘群が点在します。 人形石からは、東側に伸びる吾妻連山を望み、西側には山頂の丸い吾妻山(西吾妻山)がまじかに見えています。

人形石から、お花畑の中に作られた木道を大凹(おおくぼ)に向かって、ゆっくりと降りていきます。 残雪が残る大凹周辺には多数の池塘が点在し、それらが次第にくっきりと見えてきます。 大凹の一部分に残る残雪を越え、木道を進むと樹林帯に入ります。

直ぐに「大凹の水場」が右手にあり、こんこんと流れる冷たい水でのどを潤したら、なだらかな登りを梵天岩に向け出発です。 木の階段を登り上げると、一気に展望が開け、多くの池塘が点在し、お花畑が広がります。6月下旬時点で、お花畑にはチングルマとコイワカガミの花 の競演が見られます。また、正面には吾妻山(西吾妻山)、右手には梵天岩が見えてきます。

梵天岩から西吾妻山に進みます。5分ほどで天狗岩分岐があり、左手側に向かいます。 ここから山頂が目の前に見え、平坦地を抜け樹林帯を登ると標高2,035mの吾妻山山頂に立ちます。 山頂からの展望はなく、樹林帯の中に吾妻山山頂を示す標識が立っているのみです。

山頂から西吾妻小屋に向け下山を開始します。 途中正面に西大巓が見え、15分ほど下ると平坦地の中に伸びる木道の先に赤い屋根の西吾妻小屋が見えてきます。 西吾妻小屋は、避難小屋で1階と2階に分かれ、収容人数は30人程で、内部にトイレか完備しています。

西吾妻小屋の近くの分岐から若女平ルートを下山します。 雪解け水などでえぐられた登山道は、荒れて歩きにくい状態が若女平近くまで続きます。 若女平の直前で次第に傾斜が緩み、歩きやすい状態になってきます。 若女平は、平坦地の中に名前があるだけの所で特に展望はありません。 若女平を過ぎた辺りからダケカンバの林が広がり、ゆっくりと下っていきます。 樹相が針葉樹林帯に変わると、若女平登山口はあと少しです。

コースタイム

  • 登山:北望台/天元台高原スキー場リフト終点⇒吾妻山:2時間00分
  • 下山:吾妻山⇒若女平登山口:2時間50分

難易度 1/10

体力  1/10 日帰り

吾妻山(西吾妻山)の日帰り登山は出来る?

天元台ロープウェイを使えばコースタイムは4時間50分です。従って、標準的な登山者なら十分日帰り可能です。しかし、西吾妻山から東大巓(ひがしだいてん)を経由して一切経山へ抜ける縦走路では、日帰りは困難なため明月荘(弥兵衛平小屋)の避難小屋泊が必要となります。

吾妻山(西吾妻山)の登山口近くの温泉

白布温泉は、美しい白布大滝のそばに造られた露天風呂が点在しており、自然の美しさと温泉の恵みを同時に楽しむことができます。

白布温泉 中屋別館不動閣の露天風呂

白布温泉 中屋別館不動閣の露天風呂

含硫黄 カルシウム 硫酸塩温泉が毎分約1,300~1,500ℓの湯量で自然湧出しています。源泉温度は58℃~62℃です。最上川源流の渓谷を眺めながらの入浴が出来ます。

白布温泉 中屋別館不動閣の外観

白布温泉 中屋別館不動閣の外観

木造の建物は大正時代に市内の濱田酒造店の自宅として建てられました。昭和34年に今の場所に移築し「不動閣」(旅館)として使われるようになりました。

夕食は米沢牛付のプラン・米沢牛コースなどから選択。米沢牛陶板焼きや米沢牛のすじ煮込み玉こんにゃく入り、米沢の郷土料理米沢鯉など。

日帰り入浴料

時間/13:30~18:00まで、料金/大人700円 小人300円。

無料送迎

米沢駅から14:30発で無料送迎があります。帰りは旅館10:00発。

吾妻山(西吾妻山)の天気の特徴

天元台ロープウェイ
天元台ロープウェイ山頂駅

吾妻山(西吾妻山)は晴天の確率が比較的低い

夏の西吾妻山の天気の特徴は、一般的には暖かいで湿度が高いという特徴があります。従って、ややガスが入り易い傾向があり晴の確率がやや低いと言えます。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

吾妻山(西吾妻山)に咲く豊富な高山植物

草原に咲く高山植物

西吾妻山は標高2,035mと比較的低いので、やや背の高い高山植物が生息しやすい環境です。草原にはサンカヨウ、コバイケイソウ、ワタスゲ、イワイチョウなどの大型の高山植物が花を咲かせます。また、コイワカガミも背が高くなる傾向があります。

各種情報

吾妻山(西吾妻山)登山ツアー

  • 吾妻山(西吾妻山)|登山・トレッキングツアー

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登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

吾妻山(西吾妻山)山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-7.5-10.9-14.7
2月-6.9-10.7-14.9
3月-2.9-7.4-11.7
4月5.0-0.7-6.2
5月10.74.9-0.8
6月14.19.24.8
7月17.412.78.8
8月19.214.09.7
9月14.59.65.5
10月8.43.3-1.3
11月2.1-2.7-6.9
12月-4.2-7.9-11.3

吾妻山(西吾妻山)へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月×
2月×
3月×
4月
5月×
6月×××
7月××××
8月××××
9月××××
10月×××
11月×××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!吾妻山(西吾妻山)は山頂で多くの分岐があります。 登山地図を持って行かないと別の登山口に降りてしまうリスクがあります。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 吾妻山(西吾妻山)白布温泉の天元台リフトを降りて30分ほどで直射日光が強烈に降り注ぎます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 吾妻山(西吾妻山)は2,035mと、さほど高くありませんが、 稜線では日光を遮る木々があまりないため紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
吾妻山(西吾妻山)近くに大凹の水場があります。登山行程に合わせて水の量を調整するとよいでしょう。
ヘッドランプ必須 アクシデントで暗くなってからの行動を余儀なくされた時には必携です。
行動食必須 登山のコースタイムはさほど長くありません。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなどがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。
ティッシュペーパー必須 登山中いきなりしたくなってしまった場合など、止血用などの万が一の時のために必帯です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
吾妻山(西吾妻山)山頂では、7~8月で最低気温が9度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋 あったら良い
耳栓不要
カメラあったら良い 高山植物が豊富なので山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして3~4個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザック不要
シュラフカバー不要