栗駒山とは

栗駒山(標高1,626m )は、奥羽山脈の中央に位置し那須火山帯に属しています。複数の火山活動によって出来あがった成層活火山です。栗駒山の火山活動は、約50万年前に始まり、噴火口は各所に場所を変えながら現在の栗駒山を形成しました。最近の活動では1774年と1944年(昭和19年)の活動が記録されています。又、栗駒国定公園の中心地区で、国定公園特別保護区に指定され、同時に、栗駒山・栃ヶ森山周辺森林生態保護地域にも指定され、原生的な自然が保護されています。

山域は、宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがり、それぞれの地方で呼び名が違います。宮城県では駒ヶ岳、秋田県では大日岳、岩手県では須川岳と呼ばれてきました。 栗駒山の南東斜面に馬の形の雪形ができること、古来より馬の名産地であったことなどから栗駒山の名前が付いたとされています。

栗駒山の北西部に高層湿原が発達し、お花畑が広がるシラタマノキ湿原、ミズバショウやワタスゲが咲く龍泉ヶ原、キンコウカ、ミツガシワなどが咲く名残ヶ原など、残雪が消えるとともに色とりどりの花を咲かせ、秋には草紅葉と様々な姿を見せてくれます。

9月終わりから10月上旬にかけて赤く染まった山腹は、昭和19年の爆発により出現した火山湖(昭和湖)の特有の淡いコバルトブルーの湖面と絶妙のコントラストを描き出します。

栗駒山の地図

栗駒山のアクセス

栗駒山
栗駒山須川温泉のアクセスと駐車場
栗駒山須川温泉のアクセスと駐車場

栗駒山の登山コース概要

代表的な登山口

須川温泉

登山口は四方にあり、それぞれ温泉が湧き出しています。代表的な登山口の一つが秋田県側の須川温泉です。1130年前に開湯したという歴史ある湯治湯です。その名は酢・強酸性の湯から来ているといわれています。登山口には大きな駐車場があり、マイカーでのアクセスは容易です。又、JR 一ノ関駅から一日2往復のバスの便があります。遠方からの場合、栗駒山荘及び栗駒高原温泉の二つの温泉宿が登山基地となります。
登山コースは須川コースと自然観察路の2ルートがあり、変化に富んだ周回コースを組めます。

いわかがみ平

もう一つは宮城県側から登るルートで、いわかがみ平が登山口となります。 紅葉時期の約9日間(土日)のみ石越駅・JRくりこま高原駅からバスが一日1往復走ります。マイカーでのアクセスは最もよく東北自動車道の若柳金成インターから約1時間です。 又、宮城県側にはランプの宿としてよく知られた湯浜温泉を登山口とする湯浜コースがあります。このコースはロングコースとなるため健脚者向きと言えます。

須川コース

昭和湖
昭和湖

登山口の須川高原温泉から三つのルートが分岐します。地獄釜を通るルート、賽の磧を通るルート、ゼッタ沢コースの三つです。どの道を通っても名残ヶ原で合流します。時間や体力にゆとりがあるなら地獄釜を通るルートが最良です。ゼッタ沢コースは灌木帯の中で展望は望めませんが、最短ルートです。

名残ヶ原の先「苔花台」で昭和湖を経由する須川コースと自然観察路(産沼コース)に分岐します。前者は、地獄谷、昭和湖、如来稜線と変化に富み、登山者を飽きさせないルートです。一方、後者は灌木帯やチシマザサの中に登山道があり、展望の聞く場所は僅かです。従って、登山には須川コースを使い、下山に自然観察路を下るというのが理想的でしょう。

上記のように周回コースを取ってもコースタイムは短く、登山初心者でも日帰りは十分可能です。又、登山道はよく整備され、難所はありません。

例年、9月下旬から10月中旬までの間は、東北1と言われる紅葉は見事です。コバルトブルーに輝く昭和湖と剣岳山腹を染める紅葉とが見事なコントラストを描き出します。

2023年 通行止め注意

2023年、昭和湖から宮城県側の天狗平までは、高濃度の火山ガスが観測されたため引き続き通行止めです。通行止め解除後も高頻度でガスが観測されるなど基準値を超えた場合は再び通行止めとします。

詳細は環境生活部 自然保護課 自然公園担当

コースタイム

  • 登山:須川温泉→46分-昭和湖→36分-須川分岐→16分-栗駒山 合計:1時間48分
  • 下山:栗駒山→36分-秣岳コース分岐→56分-須川温泉 合計:1時間32分

難易度 1/10

体力  1/10 日帰り

栗駒山の日帰り登山は出来る?

須川温泉を登山口として昭和湖経由で栗駒山登り、産沼コースで下山するコースタイムは3時間20分です。従って、標準的な登山者なら十分日帰り可能です。

栗駒山登山口近くの温泉

須川温泉はpH2.1/強酸性の明礬緑礬(みょうばんりょくばん)泉で、源泉は摂氏48~52度の湯が毎分6,000L湧出します。

周囲は美しい自然に囲まれています特に秋の紅葉の季節には、温泉と美しい景色を同時に楽しむことができます。

須川温泉 栗駒山荘

仙人の湯露天風呂

須川温泉 栗駒山荘 仙人の湯露天風呂

内風呂横のドアを開けると建物の外壁に沿って作られた長方形の露天風呂があります。シラタマノキ湿原を眺めながらの入浴は、大変リラックス出来ます。天気の良い天気には鳥海山も望めます。

栗駒山荘の無料駐車場

栗駒山荘の無料駐車場

玄関前に広い無料駐車場があります。日帰り入浴の方も満車で止められないと言う心配はまずありません。

栗駒山荘の外観

栗駒山荘の外観

3階鉄筋コンクリート建ての立派な建物で、全室から泥炭池のシラタマノキ湿原方面の展望が良好です。名前に”山荘”とありますが、ホテル或いは旅館といった方が適切なグレードです。

栗駒山荘の売店

栗駒山荘の売店

ロビーに併設された売店の品数は豊富です。地酒、東北地方の海産物や山の幸など、この地方特産の品々が数多く展示販売されています。お土産や部屋でのおつまみに目移りしてしまうほどです。

仙人の湯内風呂

仙人の湯内風呂

硫黄成分を主体とした真っ白い不透明の強酸性の明礬緑礬温泉です。源泉温度49.9度、湯量豊富で完全な源泉かけ流しの温泉です。ガラス窓の外に露天風呂があります。

夕食

夕食

夕食のメニューは、刺身、豚肉のしゃぶしゃぶ、温泉卵、湯葉、海老しんじょう、炊き込みご飯、味噌汁、アイスクリーム、果物のプリンなど品数が豊富で、大変美味しいです。

レストラン栗駒

レストラン栗駒

日帰り入浴の際、大きく広い窓越しに栗駒山腹の風景を楽しみながらの昼食にどうぞ。営業時間 午前11:00-午後3:30 (ラストオーダー午後3:00)

朝食

朝食

茄子の味噌煮、辛子明太子、サバの塩焼き、卵焼き、デザート、納豆、野菜サラダ、漬物、味噌汁、煮物、和え物など。

栗駒山荘の朝市

栗駒山荘の朝市

朝になると玄関ロビーに地元農産物、森から取れた天然のキノコなどやその加工品などが並びます。
ゼンマイ、なめこ、サク.蕨、手づくり味噌漬け、ウド、落葉キノコ、乾燥ドクダミ、乾燥機肌、乾燥トビタケ、キノコ・タケノコの瓶詰めなどの新鮮な食材が販売されています。

寝室

寝室

24室の客室があり、内15室は和室で大きなガラス越しの展望が贅沢感を感じさせる造りです。この部屋は最も小さい洋室タイプの部屋です。

基本情報

  • 日帰り入浴開館時間:午前10:00~午後4:30(最終受付:午後4:00)、大人800円、有料で個室及び大広間での休憩可能。
  • 営業期間: 4月下旬から11月3日(積雪により変動があるため栗駒山荘に直接連絡のこと)

須川高原温泉

大露天風呂(大日湯)

大露天風呂(大日湯)

含硫黄硫酸塩泉のほか、希少な明礬泉、綠ばん泉などを源泉とするph2.1の強酸性温泉です。お湯は青みがかって見え、大量の湯気が沸き上がり視界を遮ります。源泉は摂氏47~49度の湯が毎分6,000L湧出する大変豊富な湯量のため源泉掛け流しです。

日帰り入浴の営業時間は早朝6時から夜の8時です。大人600円、子供300円です。

湯船の先に見える大岩「大日岩」が大露天風呂の名前の由来になっています。

須川高原温泉の外観

須川高原温泉の外観

大露天風呂が売りの須川高原温泉です。自炊での宿泊も可能なため、2人なら1人当たり3泊目から3000円を少し超えるくらいからの低料金で宿泊出来ます。

内風呂に繋がる露天風呂

内風呂に繋がる露天風呂

大浴場はもとより足湯、天然蒸風呂(ふかし湯)もあり、様々な温泉を楽しむことが出来ます。湯治客にとって療養温泉として高い効果が見込めるとして人気の高い温泉です。

基本情報

  • 日帰り入浴露天風呂営業時間:9時~16時 露天風呂 6時~21時
  • 入浴料:大人700円、子供350円、個室、中広間、大広間等での昼食付きプランなども用意されています。

泥湯温泉 奥山旅館

旅館棟大露天風呂-新湯

旅館棟の大露天風呂-新湯

当館最大の露天風呂です。泉質は単純泉で、男女別々です。湯船からは小地獄の白い山肌が望めます。

泥湯温泉 奥山旅館外観

泥湯温泉 奥山旅館外観

左手の建物で軽食・温泉卵などが販売されています。本館は右手の建物です。泥湯温泉には奥山旅館の他、こぢんまりとした小椋旅館もあります。

奥深い山の中から湧き出る源泉が四つあり、四つの湯船に引かれています。名前の通り湯船の下に泥が溜まった温泉で、秘湯ムード満点です。

別館の露天風呂外観

別館の露天風呂外観

本館と道路を挟んで別館露天風呂の建物があります。

別館露天風呂-天狗の湯

別館露天風呂-天狗の湯

泉質は第二鉄・硫化塩泉で酸性です。別館のドアを入ると男女別の内風呂があり、露天風呂は混浴になっています。

名前の通りまさに白っぽい泥が湯船に沈殿し、手ですくい上げると指の間からこぼれ落ちていきます。

旅館棟・岩風呂-川の湯

旅館棟・岩風呂-川の湯

泉質は硫黄泉で、時間帯によって男女で入れ替わります。

泥湯温泉から遊歩道を歩き約20分の所に硫黄や水蒸気が噴出する川原毛地獄があります。白い山肌は酸性火山ガスが噴出して出来上がったもので、その景観から古来より日本三大霊場の一つに数えられ、修験者の修行の場となって来ました。

川原毛地獄の駐車場から更に1km約15分歩いた所に落差20mの川原毛大湯滝があります。川それ自体が温泉として流れ、滝壷は天然の湯船となり入浴出来ます。

夕食は鯉の甘露煮、豚肉の鍋、キノコの酢の物、マッシュドポテト、牛肉焼肉、ニジマスの塩焼き、鯉の刺身など。

朝食

朝食

朝食。かぼちゃの煮物、温泉卵、脳裏、鮭の塩焼き、オクラの和え物、味噌汁、漬物など。

基本情報

  • 須川温泉登山口まで車で約45分。
  • 日帰り入浴時間:10:30~14:30(※受付13:30まで) 大人800円/子供500円
  • 営業期間:通年営業

泥湯温泉近くのハイキング

川原毛地獄

泥湯温泉から遊歩道を歩き約20分の所に硫黄や水蒸気が噴出する川原毛地獄があります。白い山肌は酸性火山ガスが噴出して出来上がったもので、その景観から古来より日本三大霊場の一つに数えられ、修験者の修行の場となって来ました。

川原毛地獄の駐車場から更に1km約15分歩いた所に落差20mの川原毛大湯滝があります。川それ自体が温泉として流れ、滝壷は天然の湯船となり入浴出来ます。

栗駒山の天気の特徴

曇りの栗駒山

夏の栗駒山は晴天の確率が比較的高い

春(3月から5月): 春は栗駒山での登山シーズンの始まりです。 この時期は徐々に雪が解けます、新緑が芽吹きます。 気温は上昇し始め、昼間は比較的穏やかになりますが、山頂や高地ではまだ寒さを感じることがあります。 また、春は比較的乾燥しており、晴天の日が多い傾向です。

夏の栗駒山は比較的暖かい気候となります。 日照時間が長くなり天気になり易い特徴があります。

秋季の栗駒山は、気温が徐々に下がり、涼しくなる傾向があります。 特に晩秋になると寒さを感じることがあります。昼間は日差しが温かいですが、日没後や早朝には入れることもありますので、正しい服装を準備しましょう。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

栗駒山登山ツアー

  • 栗駒山|登山・トレッキングツアー

お問い合わせ

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登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

栗駒山山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-5.3-9.3-13.0
2月-3.8-8.5-12.5
3月0.0-5.2-9.9
4月7.00.8-5.0
5月12.16.00.6
6月15.210.05.8
7月18.413.510.0
8月20.315.211.6
9月15.911.07.1
10月10.14.70.0
11月3.6-1.6-6.2
12月-2.4-6.6-10.3

栗駒山へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月×
2月×
3月×
4月×
5月××
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月×××
11月××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!栗駒山はいたるところに分岐があります。 登山地図を持って行かないのは命取りと言えます。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 栗駒山は登山開始直後から直射日光が強烈に降り注ぎます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 栗駒山は1,626メートルと低いですが、 日光を遮る木々が少ないのが特徴です。森林限界を超えると紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
コースタイムが短いので体重60kgの登山者で1リットルほど持っていけばよいでしょう。栗駒山は水場がありません。
登山行程に合わせて水の量を調整するとよいでしょう。
ヘッドランプ必須 暗い内から山頂まで登り、御来光を拝むためにも必要です。また、アクシデントで夜間の行動を強いられた時には必携です。
行動食必須 登山のコースタイムが短いので少しで良いでしょう。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるものがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。
ティッシュペーパー必須 登山中いきなりしたくなってしまった場合など、止血用などの万が一の時のために必帯です。ポケットティッシュを水で濡らし耳栓として使う場合にも有効です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
栗駒山山頂では、7~8月でも最低気温が10度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋不要
耳栓不要
カメラあったら良い 高山植物が豊富で紅葉が大変綺麗な山なので山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして3~4個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザック不要
シュラフカバー不要