西沢渓谷(にしざわけいこく)とは

国師ヶ岳を源流とする西沢渓谷と甲武信ヶ岳を源流とする東沢渓谷は、二俣で合流して「ねとり川」となり、笛吹川となって甲府盆地に扇状地を形成しています。

そのため、周辺には勝沼を代表とする全国でも有数なブドウの産地が広がっています。

西沢渓谷の魅力

連続する滝

三重の滝

水量が豊富で迫力満点です。エメラルドグリーンに輝く川の流れは神秘的です。

竜神の滝

落差6メートルほどの滝で、上の釜から溢れ出るように落ちています。

貞泉の滝

落差7メートルほどの滝です。しっかりとした展望台が作られ、安全に見下ろすことが出来ます。

七ツ釜五段の滝

五つの滝と七つの釜で構成されています。西沢渓谷最大の滝で、落差はおよそ50メートルあります。日本の滝百選に選ばれ、四季折々の表情を楽しむことが出来ます。

西沢渓谷登山口の駐車場とアクセス

西沢渓谷入り口には「道の駅みとみ」「食事処かりさか」などの施設があり、その隣には公衆トイレが管備された市営の無料駐車場(1,000台以上)、さらに徒歩で5分ほど進んだ所に無料駐車場(約50台)があります。

また、近くには笛吹小屋キャンプ場があり、幕営も可能です。ドライブイン不動小屋の前から一般車両は進入禁止になっています。

ドライブイン不動小屋の前にバス停があり、 路線バスがJR塩山駅とJR山梨市駅の両駅から西沢渓谷入り口まで来ています。

※西沢渓谷は12月1日から4月28日の間は冬季閉鎖となります。アクセスの詳細は下記の甲武信ヶ岳を参照してください。

甲武信ヶ岳
甲武信ヶ岳のアクセスと駐車場
甲武信ヶ岳のアクセスと駐車場

西沢渓谷の地図

西沢渓谷の登山コース概要

① 西沢渓谷コース

貞泉(テイセン)の滝
貞泉(テイセン)の滝

西沢ゲートを抜け、平坦な林道を歩き、20分ほど来た所で「ナレイの滝」を右手に見ると、登山届や公衆トイレがある「ねとりインフォメーションセンター」に着きます。ここで「ねとり橋」を左に見送り、更に林道を10分ほど進むと、現在休業中の西沢山荘前に出ます。西沢山荘前から甲武信ヶ岳へ伸びる「徳ちゃん新道」が右手方向に分岐しています。 その少し先に、田部重治文学碑が立てられています。(田部重治は、西暦1884年(明治17年)から1972年(昭和47年)の英文学者であり、登山家でもあった人物です。西暦1919年(大正8年)に「日本アルプスと秩父巡礼」を発刊しました。また、随筆の「笛吹川を遡る」は、国語の教科書に採択され、笛吹川の渓谷美が全国に知れることになります。)

さらに車道を10分ほど歩いて登山道となります。二俣吊り橋を渡ると「西沢渓谷」と書かれた大きな看板が見に飛び込んできます。
ここから、渓流沿いに良く整備された登山道を遡上していきます。

木製の階段を上がると、その途中から支流を流れ落ちる「大久保の滝」が見えてきます。さらに階段を登り、鎖の手すりが付いた登山道を進むと、「滝見台」と呼ばれるビューポイントです。 少し下った所にある「滝見台」からは「三重の滝」が良く見えます。

「三重の滝」を後にして西沢渓谷をさらに遡上します。 渓流は青く澄んで美しく、「人面洞」と名が付いたよどみを過ぎると、本流を流れ落ちる「竜神の滝」です。 谷側が切り立った登山道をさらに進むと「貞泉の滝」で、「母胎淵」、「カエル岩」とあり、文杖橋を渡って対岸に移ります。 急坂を上がると、「七ツ釜五段の滝」が見えてきます。「七ツ釜五段の滝」は西沢渓谷の代表的な滝で、良く写真に使われています。

「七ツ釜五段の滝」から不動滝を過ぎ、木道を登れば公衆トイレのある西沢渓谷終点です。 西沢渓谷終点から渓谷を離れ、旧森林道軌道をゆっくりと下ればナレイ沢広場に戻れます。森林軌道は、昭和8年から昭和43年までに、西沢渓谷や東沢渓谷周辺から切り出された木材の運搬用として利用されたトロッコ跡です。旧三富村と塩山を結び、三塩軌道と呼ばれ、全長は36kmありました。

西沢渓谷は各季節により様々に楽しめ、氷壁見頃は1月中旬から3月中旬、シャクナゲ見頃は5月中旬から5月下旬、新緑見頃は5月下旬から6月中旬、紅葉見頃は10月中旬から11月上旬です。

コースタイム

  • 登山:西沢渓谷入り口⇒西沢渓谷終点 2時間
  • 下山:西沢渓谷終点⇒西沢渓谷入り口 1時間40分

難易度 1/10

体力  1/10  日帰り

紅葉の見頃

10月24の紅葉の様子です。渓谷全体を通して陽の光が十分届くところはよく紅葉していますが、渓谷の深い谷の部分で、あまり日の光が届かない場所では緑の葉が目立つ印象です。

西沢渓谷入口近くの紅葉、標高1180m

西沢渓谷入口近くの紅葉、標高1180m

緑の葉が多く見られます。少しだけ紅葉が始まっているところもあります。

二俣吊橋から西沢渓谷と鶏冠山の紅葉、標高1171m

二俣吊橋から西沢渓谷と鶏冠山の紅葉、標高1171m

西沢渓谷の太陽の光が入りやすい場所では紅葉が進んでいます。

人面洞辺りの紅葉、標高1250m

人面洞辺りの紅葉、標高1250m

赤や黄色に紅葉した葉が目立っています。

七ツ釜五段の滝の紅葉、標高1296m

七ツ釜五段の滝の紅葉、標高1296m

ほぼ紅葉の見頃となっています。

西沢渓谷終点滝の上展望台からの紅葉、標高1400m

西沢渓谷終点滝の上展望台からの紅葉、標高1400m

綺麗な紅葉です。

西沢渓谷の日帰り登山は出来る?

西沢渓谷の遊歩道は西沢渓谷入り口から西沢渓谷終点で登りは終わり、林道を歩いて下山します。コースタイムは登りに2時間、下りに1時間40分なので日帰り出来ます。

西沢渓谷の登山口近くの温泉

武田信玄の隠し湯と知られる川浦温泉山県館です。川浦温泉山県館は甲州の 笛吹川の上流に佇む一軒宿です。源泉はアルカリ単純泉で、加温加水一切無し源泉100%かけ流し温泉です。

川浦温泉山県館

  • 温泉の特徴:泉温43.6℃ 泉質PH9.5 アルカリ性単純泉、 効能は、 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進など。

日帰り入浴

料金:大人 1,500円(税込) / 子供 800円(税込)

入浴時間:11:00~15:00(※14:00受付終了) / 年中無休
(混雑時は日帰り入浴の営業を中止する場合あり)

西沢渓谷の天気

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

西沢渓谷登山ツアー

  • 西沢渓谷|登山・トレッキングツアー

お問い合わせ

登山届提出

  • 山梨県警察 郵送、電子メール、ファックスなので提出可能です。

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

西沢渓谷周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月2.8-3.4-8.4
2月4.2-2.0-7.3
3月8.11.8-3.6
4月14.67.71.9
5月18.912.26.9
6月21.615.711.2
7月25.119.315.2
8月26.720.316.1
9月22.216.512.3
10月16.010.15.6
11月10.54.1-0.9
12月5.3-1.1-6.1

西沢渓谷登山のための装備と服装

西沢渓谷は12月1日から4月28日の間は冬季閉鎖となります。

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月
2月
3月
4月××××
5月××××
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月×××××
11月×××××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

三富河浦の西沢渓谷は様々な選定地

  • 21世紀に残したい日本の自然百選・・・1983年 選定
  • 森林浴の森百選・・・1986年 選定
  • 新日本観光地百選・・・1987年 選定
  • 日本の滝百選(七ツ釜五段の滝)・・・1990年 選定
  • 水源の森百選・・・1995年 選定
  • 平成の名水百選・・・2008年 選定

山梨野鳥観察地

秩父山系の深い森林と渓谷が豊かな自然環境を作り、四季を通して多くの野鳥を育てています。

  • 留鳥:シジュウカラ、コガラ、エナガ、コゲラ、アカゲラ、オオタカ、コジュケイ
  • 夏鳥:センダイムシクイ、オオルリ、キビタキ、コマドリ、ホトトギス、サシバ
  • 冬鳥:シュウビタキ、ツグミ、カシラダカ、ベニマシコシメ
  • 漂鳥:ウグイス、キセキレイ、ミソサザイ、ルリビタキ、カヤクグリ、イワヒバリ、カケス、アオバト