乾徳山(けんとくざん)とは

山梨百名山であり日本二百名山にも数えられる乾徳山(標高2031m )は、奥秩父の主脈から南東に派生した尾根上のピークで、甲府盆地の勝沼辺りから北を望むと、並び立つ山々の中に尖ったピークを確認する事が出来ます。

山頂近くのスリリングな岩稜、中腹にはオダマキやマルバダケブキなどの季節の花が美しい牧歌的草原が広がるなど、変化に富むコースは、東京からの日帰りが出来ることもあり人気の高い山の一つです。

乾徳山の特徴

連続する鎖場

籏立岩の鎖場

籏立岩の鎖場は高さ7~8m くらいの岩場で、中段テラスから正面と右側からの2ルートがあります。中段より上部はスリリングで高度感がありますが、スタンスは豊富です。

杖棄岩の鎖場

乾徳山頂直下の杖棄岩は20mほどの一枚岩の登りです。鎖があり、高度感はさほど無いのでチャレンジしてみてください。登れない人は右に巻き道があります。

乾徳山登山口の駐車場とアクセス

アクセスの詳細は下記を参照してください。

乾徳山
乾徳山のアクセスと駐車場
乾徳山のアクセスと駐車場

乾徳山の地図

乾徳山の名前の由来

乾徳山の名前は、恵林寺の乾(いぬい)の方角=北西の方角にあることに由来しています。

恵林寺は天正10年(西暦1582年)4月に、織田信長によって焼き払われています。その際、住職の快川和尚が死に臨んで詠んだ歌「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も亦た涼し」が、よく知られています。

乾徳山の登山コース概要

① 乾徳山-徳和コース

岩稜帯
岩稜帯

登山口は徳和バス停からが一般的です。ここから樹林帯の単調な登りが2時間ほど続きます。標高1,600m辺りになると修験道の歴史が感じられる場所が現れてきます。

現在でも石組が残る前宮には結界が張られたとされ、人里と奥宮との境目とされている場所でした。ここからは「気持ちを引き締めて登る」ということだったんでしょう。 

絶好の休憩ポイントである扇平に到着すると、完全に展望が開け、南側には富士山がよく見えます。

大平山荘を登山口とする場合、扇平までは約1時間のコースタイムですが、太平山荘までの林道は舗装されていますが悪路でやや運転が困難です。

扇平からは針葉樹林帯の登りとなり、ほどなくして一回目の核心部である鎖場が現れます。鎖は上下2連で、上部の鎖場には正面と右側に平行して鎖が掛かっていて、正面はほぼ垂直で右の鎖はステップはしっかりとしていますが雨の日など足場が濡れている時は危険です。

乾徳山山頂直下には、斜度約50°、長さ約20mの一枚岩/杖棄岩に鎖が掛かっています。その岩を登りきった所が山頂です。

コースタイム

  • 登山:乾徳山登山口(徳和)⇒乾徳山 3時間30分
  • 下山:乾徳山⇒乾徳山登山口(徳和) 2時間35分

難易度 4/10

体力  3/10  日帰り

乾徳山の日帰り登山は出来る?

道の駅妙義駐車場から妙義神社の境内を通り白雲山コースで登る相馬岳のコースタイムはピストンで7時間です。また、中間道を歩く石門巡りコースでは5時間20分です。

従って、妙義山の日帰り登山はどのコースであっても十分可能と言えます。

乾徳山の登山口近くの温泉

武田信玄の隠し湯と知られる川浦温泉山県館です。川浦温泉山県館は甲州の 笛吹川の上流に佇む一軒宿です。源泉はアルカリ単純泉で、加温加水一切無し源泉100%かけ流し温泉です。

川浦温泉山県館

  • 温泉の特徴:泉温43.6℃ 泉質PH9.5 アルカリ性単純泉、 効能は、 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進など。

日帰り入浴

料金:大人 1,500円(税込) / 子供 800円(税込)

入浴時間:11:00~15:00(※14:00受付終了) / 年中無休
(混雑時は日帰り入浴の営業を中止する場合あり)

乾徳山の天気

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

乾徳山登山ツアー

  • 乾徳山|登山・トレッキングツアー

お問い合わせ

登山届提出

  • 山梨県警察 郵送、電子メール、ファックスなので提出可能です。

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

乾徳山周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-0.8-7.0-12.0
2月0.6-5.6-10.8
3月4.5-1.8-7.2
4月11.04.1-1.7
5月15.38.63.3
6月18.012.17.6
7月21.515.712.6
8月23.116.712.5
9月18.612.88.7
10月12.46.52.0
11月6.90.5-4.5
12月1.7-4.7-9.7

乾徳山登山のための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月
2月
3月×
4月××
5月××××
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月×××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

乾徳山開山と山岳信仰の歴史

乾徳山は、およそ700年前から武田信玄の菩提寺である名刹・恵林寺の山号となっていて、修験道の霊場という一面も持っています。

恵林寺の開祖は、鎌倉時代の禅僧・夢窓国師で、乾徳山山頂で座禅を組み修行した後、元徳2年(西暦1330年)に開山したとされています。

乾徳山・恵林寺

乾徳山・恵林寺

乾徳山・恵林寺は夢窓国師によって開かれた臨済宗妙心寺派の古刹です。夢窓国師は伊勢の生まれで、9歳の時に甲斐へ移り住んで出家します。国師55歳の時に、甲斐の国の領主、二階堂道蘊に頼まれて邸宅を禅院に改修したのが恵林寺の始まりです。

武田不動尊

本堂に入り、ウグイス廊下を抜けると、明王殿に武田不動尊が安置されています。信玄生前の姿を仏法の守護神である不動明王に見立て、比叡山より大僧正の位を受けた際、記念像として京都より西佛所職・仏師の「斉藤康清」を招き、対面で模刻させたという等身大の座像です。別名、信玄生不動とも呼ばれています。伝承によると、信玄は剃髪した毛髪を漆に混ぜ、自ら坐像の胸部に刷毛で塗り込めたと伝えられています。

国指定名勝・夢窓国師築恵林寺庭園

本堂の裏側に、夢窓国師56歳の時に築庭した池泉回遊式庭園があります。国師の初期の作であり、上段に枯山水、下段には心字池を配した幽玄な名園で、寂寞な中に流れを許す禅の心が現代にも通ずるものです。

国師は、後に、西芳寺(苔寺)、天龍寺の庭園も手がけることになります。昭和19年に「国の名勝」に指定されます。