烏帽子岳の山容と名前の由来
標高2628mの烏帽子岳は、二百名山で、裏銀座縦走コースの最初の山になります。烏帽子岳と名前の付く山は日本に約70座あります。その最高峰がこの烏帽子岳です。
名前の由来は、改めて言及するまでもありませんが、山頂部の花崗岩の岩峰が烏帽子に似ているからという事は想像に難くありません。
古くは折岳、或いは信州の盗伐者・杣三吉の名から三吉岳と呼ばれることもありました。
- 1. 烏帽子岳の地図
- 2. 烏帽子岳の山小屋
- 3. 烏帽子岳のアクセス
- 4. 烏帽子岳の登山コース概要
- 4.1. ① 高瀬ダムからブナ立尾根を登る烏帽子岳ルート
- 4.1.1. 高瀬ダムからブナ立尾根を登る烏帽子岳ルートの難易度
- 4.2. ② 七倉から七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳ルート
- 4.2.1. 七倉から七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳ルートの難易度
- 5. 烏帽子岳は日帰り登山が出来る?
- 6. 烏帽子岳の魅力
- 7. 船窪小屋近くに出現したブロッケン現象
- 8. 七倉・高瀬ダム近くの温泉に泊まる
- 9. 七倉ゲート~高瀬ダムの特定タクシー
- 9.1. 七倉ゲートが開く時間・閉まる時間
- 10. テント泊に利便性が高い
- 11. 各種情報
- 11.1.1. 烏帽子岳登山ツアー
- 11.1.2. 役場
- 11.1.3. 温泉宿の問い合わせ
- 11.1.4. 登山届提出
- 11.1.5. 登山地図のスマホアプリ
- 12. 烏帽子岳山頂周辺の気温
- 13. 烏帽子岳へ登るための装備と服装
- 14. 服装や装備品のチェックリスト
烏帽子岳の地図
烏帽子岳の山小屋
烏帽子岳のアクセス
烏帽子岳の登山コース概要
高瀬ダムを登山口としてブナ立尾根を登るコースは、裏銀座縦走コースの始発地点となります。
ブナ立尾根は北アルプス三大急坂(剱岳の早月尾根、燕岳の合戦尾根)の一つです。
確かに急坂が続くものの、入山者が多く、よく整備されているので大変歩きやすいルートになっています。
特に危険箇所は無く登山初心者向きと言えます。
裏銀座縦走コースは、烏帽子岳小屋分岐から烏帽子岳をピストンし、野口五郎岳へ南下、水晶小屋分岐で水晶岳をピストンします。次に、鷲羽岳→三俣蓮華岳→双六岳から西鎌尾根を登り槍ヶ岳至るルートです。
北アルプスの最深部を行くロングコースとなるため体力と時間が必要です。
① 高瀬ダムからブナ立尾根を登る烏帽子岳ルート
烏帽子岳北側の岩壁(写真の裏側)が核心部です。
北側へ回り込み、鎖場を登ります。やや高度感はあるものの、さほど難易度は高くありません。
裏銀座縦走路コースの起点となる烏帽子岳は、登山口の高瀬ダムまでアクセスが良好です。
標高1270m地点にある登山口の高瀬ダムへは、公共交通機関(路線バス)がないものの、七倉には広い駐車場があり、七倉と高瀬ダム間は特定タクシーが走っています。
下山後は、高瀬ダムのえん堤の建物に設置されている公衆電話(10円硬貨のみ使用可)でタクシーを呼ぶことができます。又、東京からは毎日アルペン号が走っています。
コースタイム
- 登山:高瀬ダム→烏帽子岳 3時間49分
- 下山:烏帽子岳→高瀬ダム 2時間44分
高瀬ダムからブナ立尾根を登る烏帽子岳ルートの難易度
難易度 2/10
体力 3/10
② 七倉から七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳ルート
七倉を登山口として船窪新道を登り、船窪岳→不動岳→南沢岳へ縦走するルートは、アップダウンがきつく、崩壊地には危険箇所も複数あり、コースタイムが長く体力勝負となります。
この間にはエスケープルートや山小屋がないため登山初心者向きとは言えません。
コースタイム
- 登山:七倉→船窪小屋 4時間10分 船窪小屋→烏帽子岳 6時間30分 合計:10時間40分
- 下山:烏帽子岳→高瀬ダム 2時間44分
七倉から七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳ルートの難易度
難易度 5/10
体力 6/10
烏帽子岳は日帰り登山が出来る?
烏帽子岳は、北アルプスの中にあって日帰り可能な山の一つです。
高瀬ダムを登山口として、ブナ立尾根を登り烏帽子岳のピストンなら、獲得標高は上り1378m・下り67m、 コースタイムは約6時間30分ほどです。標準的な登山者なら十分日帰り可能です。
烏帽子岳の魅力
烏帽子岳から南沢岳方面へ20分ほど歩けば、二重山稜となっている窪地に四十八池と呼ばれる沼湖が散在しています。
実際には数個の沼湖があるだけですが、何故かハイシーズンでもあまり登山者が入らず、静かで伸びやかな別天地を満喫できるはずです。
船窪小屋近くに出現したブロッケン現象
ブロッケン現象とは、太陽などの光が背後から差し込み、人の影の周りに虹のような光の輪が現れる現象です。
七倉・高瀬ダム近くの温泉に泊まる
葛温泉 高瀬館
JR信濃大町駅 – 葛温泉間を1日3便(往復)あり、一人、1,600円で乗り合いタクシーがあります。事前予約が必要です。
2つの異なる源泉を持ち、湯量豊富な源泉掛け流しの露天風呂が魅力的です。日帰り入浴も可。
高瀬館から七倉登山口までは、車道を約2.5 kmを30分ほど歩く必要があります。マイカーなら4分です。
葛温泉 温宿かじか
2本の自家源泉掛け流しの露天風呂は渓谷を見ながらのゆったりとした時間を過ごせます。
室内は豪華で、リッチな気分を味わってみてはいかがでしょうか。
登山口の七倉まで3.3 km あり、車道を36分歩く必要があります。
自家用車なら5分で着きます。
高瀬館同様に乗合タクシーが使えます。
七倉ゲート~高瀬ダムの特定タクシー
特定タクシーは4月中旬~11月上旬
七倉山荘前にゲートがあり、東京電力株式会社の新高瀬川発電所管理道路になっています。
通行出来る車両は2社のタクシーのみです。ゲートが閉まる時間は季節により決まっています。
下山時、高瀬ダムにタクシーがいない場合には、ダム堤上にある公衆電話(10円硬貨のみ使用可)でタクシーを呼んでください。タクシーを呼べる時間は、ゲートが閉まる1時間前を目安にしてください。
タクシー予約・お問合せ先
アルプス第一交通 TEL0261-22-2121
アルピコタクシー TEL0261-23-2323
七倉ゲートが開く時間・閉まる時間
4月中旬 ~ 7月中旬 | 6:30~19:00 |
7月中旬 ~ 9月上旬 | 5:30~19:00 |
9月上旬 ~ 9月下旬 | 6:00~18:00 |
10月上旬 ~ 10月中旬 | 6:30~17:00 |
10月中旬 ~ 11月上旬 | 7:00~17:00 |
テント泊に利便性が高い
各種情報
烏帽子岳登山ツアー
- 烏帽子岳|登山・トレッキングツアー
役場
温泉宿の問い合わせ
登山届提出
- 長野県のホームページ
携帯やパソコンから出来ます。また、登山ポストは、扇沢の登山口に設置されています。また、ハイシーズンには登山案内所が開設され登山指導員も常駐します。JR白馬駅前、八方ゴンドラ、五竜テレキャビン、栂池ゴンドラなどにも設置されています。
登山地図のスマホアプリ
- 山と高原地図のスマホアプリ
昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。
烏帽子岳山頂周辺の気温
最高気温 | 平均気温 | 最低気温 | |
1月 | -8.6 | -13.0 | -17.6 |
2月 | -7.8 | -12.4 | -17.7 |
3月 | -3.5 | -9.1 | -14.1 |
4月 | 4.9 | -2.2 | -8.3 |
5月 | 10.3 | 3.6 | -2.4 |
6月 | 13.3 | 7.6 | 2.8 |
7月 | 16.5 | 11.2 | 7.0 |
8月 | 18.2 | 12.3 | 7.8 |
9月 | 13.2 | 7.9 | 3.7 |
10月 | 7.3 | 1.2 | -2.4 |
11月 | 1.3 | -4.6 | -9.5 |
12月 | -5.1 | -10.1 | -14.5 |
烏帽子岳へ登るための装備と服装
軽アイゼン | 12本歯アイゼン | ピッケル | サングラス | テント | |
1月 | × | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
2月 | × | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
3月 | × | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
4月 | × | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
5月 | × | ◎ | ○ | ◎ | △ |
6月 | △ | ○ | × | △ | × |
7月 | × | × | × | △ | × |
8月 | × | × | × | △ | × |
9月 | × | × | × | △ | × |
10月 | × | × | × | △ | × |
11月 | × | × | × | △ | × |
12月 | △ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
服装や装備品のチェックリスト
登山地図 | 必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!登山口の高瀬ダムからブナ立尾根を登り烏帽子岳をピストンするなら道迷いはほぼありませんが、七倉から七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳縦走ルートは、登山者が少なく登山地図は必携です。 |
レインウェア | 必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。 |
帽子 | 必須 烏帽子小屋辺りで森林限界を抜けます。縦走路では日差しが強く帽子が必要です。 |
日焼け止め | 必須 晴れた日には直射日光や白い砂ザレからの照り返しが強いので日焼け止めは必須です。 |
飲料水 | 必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。 七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳縦走ルートには、途中水場はありません。 |
ヘッドランプ | 必須 夜、電気が切れてしまう山小屋もあります。 トイレに行くのに不自由です。また、日が落ちてからの行動になった場合にはヘッドランプは必須です。 |
行動食 | 必須 コンビニでやや多めに買っていくと心強いです。 |
パックカバー | 必須 山の天気は変わりやすく、晴れの天気予報が出ていても雨が降ることもあります。そんな時、ザックの中身を濡らさないものです。 |
救急薬品 | 必須 切り傷、擦り傷に絆創膏やカットバンを持っていくと良いでしょう。 |
ティッシュペーパー | 必須 登山途中で急にしたくなった時に便利です。出血した時の止血にも使えますし、丸めて耳栓代わりにすることもできます。 |
耳栓 | あったら良い 船窪小屋、烏帽子小屋に宿泊する場合、いびきをかく人がいます。 |
カメラ | あったら良い 七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳縦走の稜線は絶景です。山旅の思い出にぜひどうぞ。 |
ビニール袋 | あったら良い ゴミ袋として重宝します。使用済みの下着類などの収納にも使えます。数枚持っていくと良いでしょう。 |