目次

ゴールデンウイーク・残雪期の唐松岳ルート地図

  • 距離5.3km
  • 登り900m
  • 下り54 m

ゴールデンウイーク・残雪期の唐松岳ルートの難易度

難易度  2/10

ルート
八方池山荘(標高1,835m)⇒八方山ケルン(標高1,974m)⇒
第二ケルン・トイレ(標高2,005m)
⇒八方ケルン(標高2,005m)⇒八方池(標高2,060m)⇒
丸山ケルン(標高2,430m)⇒唐松岳(標高2,696m)

危険個所はありません。

ゴールデンウイーク・残雪期の唐松岳ルートの体力

体力  2/10  日帰り

飲料水必要量5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.36リットル、体重60kgの人:1.77リットル、体重75kgの人:2.18リットル
消費カロリー5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:2.544Kcal、体重60kgの人:3.310Kcal、体重75kgの人:4.080Kcal
燃焼脂肪量5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.362kg、体重60kgの人:0.470kg、体重75kgの人:0.579kg

コースタイム

  • 登山:八方池山荘→唐松岳 3時間20分
  • 下山:唐松岳→八方池山荘 2時間10分

ゴールデンウイーク・残雪期の唐松岳ルートの山小屋

北アルプス山小屋
八方池山荘
八方池山荘
北アルプス山小屋
唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上山荘

アクセス

北アルプス登山口-アクセスと駐車場
白馬八方尾根のアクセスと駐車場
白馬八方尾根のアクセスと駐車場

ゴールデンウイーク・残雪期の唐松岳ルート

ゴンドラリフト「アダム」を降りたウサギ平

5月5日時点でゴンドラリフト「アダム」を降りたウサギ平から上部がスキー滑走可能です。ゴールデンウィークを過ぎてからのゴンドラの運行状況は積雪などにより毎年異なりますので、八方尾根スキー場への確認が必要です。

八方池山荘は営業中

八方池山荘は営業中
八方尾根スキー場の最上部グラートクワッドリフトを降りたところの八方池山荘は営業中です。左手の売店は営業していません。その上の公衆トイレは冬季でも使用可能です。

八方山

八方山
八方池山荘から八方山へ向けて稜線を登っていきます。途中、観光客のために作られた立派な木製の階段があります。八方山(正面の丸いピーク)のケルンは、東京都石神井高校山岳部が創立10周年記念として昭和38年8月に石神井ケルンとして建てたものです。

白馬岳の「しろかき馬」の雪形

白馬岳の「しろかき馬」の雪形
白馬岳の右肩部分に「しろかき馬」の形をした雪形が鮮明に表れています。古くから農民の素朴な信仰と結びついて、田植えの時期を知らせたと言われている雪形です。白馬岳の名前は、この雪形の代馬(しろうま)から転じたものとされています。従って、白馬岳は「しろうまだけ」と発音するのが正解です。

石神井ケルンの建つ八方山

石神井ケルンの建つ八方山
ケルンの所まで行くと目指す雪をまとった唐松岳や不帰の剣が鋭く聳えています。ここまではほとんど雪が付いていません。

八方山から望む五竜岳と鹿島槍ヶ岳

八方山から望む五竜岳と鹿島槍ヶ岳
中央のピークが五竜岳で、そこから左手に伸びる遠見尾根の稜線の上に僅かに頭を覗かせるのが双耳峰の鹿島槍ヶ岳です。残雪の輝く申し分のない山岳景観です。

雪解けが進む八方尾根

雪解けが進む八方尾根
雪が溶けて川の様になった登山道は、前日の寒さで凍っています。前日の5月5日の天候は、麓では雨でしたが山頂では雪が降りました。正面第二ケルン近くの公衆トイレは、冬期間(10月下旬から6月下旬まで)は閉鎖されています。

第二ケルン

第二ケルン
第二ケルンが右手側に小さく見えます。その奥の尖った山は不帰ノ嶮(かえらずのけん)です。第2ケルンを通る夏道とは違い冬道では雪原を真直ぐに八方ケルンへ登ります。

八方ケルン(逗子開成高校ケルン)

八方ケルン(逗子開成高校ケルン)
目と鼻と口があり、まるでヤホーと叫んでるようにも見えます。もしかすると「いらっしゃい」と言っているのかもしれません。

八方ケルンを超えるとしばらく平坦な道が続く

八方ケルンを超えるとしばらく平坦な道が続く
八方ケルンを超えるとしばらく平坦な道が続き、右下に八方池が見えてきます。稜線上に新設された太陽光の力で動く風速計がゆっくりと回っていました。雪の無い登山道は、この先の下ノ樺で終わり、その後はアイゼンを付けて登る雪の斜面です。

雪で覆われた八方池

雪で覆われた八方池
八方池は雪で覆われ、その上を歩くことも出来ます。6月から7月になるとユキワリソウであたり一面埋め尽くされます。雪が溶けると白馬三山(一番尖って見える鑓ヶ岳から右に、杓子岳、白馬岳)が湖面に映る絶好の撮影ポイントです。

残雪の斜面となる

残雪の斜面となる
八方池を右下に見ながら、平坦な稜線をダケカンバの林のある下ノ樺へ進んで行きます。次第に残雪がある斜面になってきました。

下ノ樺で12本歯アイゼンを装着

下ノ樺で12本歯アイゼンを装着
下ノ樺でアイゼンを装着します。夏道とは異なり、真直ぐに登って行くため、上部での斜度は25度ほどになります。ここでは、植生の逆転現象によりダケカンバの林が見られます。

傾斜が緩み爽快な稜線

傾斜が緩み爽快な稜線
アイゼンを付けて最初の急坂をクリアすると一気に傾斜が緩み、爽快な稜線を登って行きます。夏道は、左手側の斜面をトラバースする様に登り上げています。

残雪が消えてる所もある

残雪が消えてる所もある
稜線上の一部分は、残雪が消えてるところもあります。この上で稜線から少し離れ左手側の雪原を真直ぐに登ります。

上ノ樺

上ノ樺
この辺りが上ノ樺で、左手上部は夏でも雪渓が残る扇雪渓だと思われます。広い雪原を登って行きます。少し登ると傾斜がややきつくなります。この辺りでは、ピッケルの使用は必要ありません。

傾斜が増した広い斜面

傾斜が増した広い斜面
やや傾斜が増した広い斜面を登ります。右上の丸いピークは丸山ケルンが建つ丸山です。冬道は丸山ケルンを素通りする様に登っていますが、今回は丸山ケルンによって行きます。

丸山ケルン

丸山ケルン
標高2430メートル地点の丸山ケルンです。右手前方に大きく切れ落ちる不帰キレット、天狗岩稜、鋸の歯の様な不帰ノ嶮の急峻な岩峰が次第に迫ってきます。振り返ると、白馬の街並みや高妻山などがよく見えます。

雨飾山、火打山、妙高山、高妻山の眺望

雨飾山、火打山、妙高山、高妻山の眺望
丸山ケルンから振り返る。雪の斜面を登っている登山者が小さく見えます。眼下には白馬の街の中に青木湖が見えます。写真には写っていませんが、左手方向には雨飾山、火打山、妙高山などが見え、その右に高妻山がよく見えます。

稜線上を真直ぐに登る

稜線上を真直ぐに登る
ここからはほぼ稜線上を真直ぐに登って行きます。左手の谷側の斜面はさほどきつくないのですが、雪の表面がアイスバーンになっている時は、ピッケルの携帯が必須です。

右端のピークが唐松岳

右端のピークが唐松岳
稜線上には一部分残雪の消えた所があったり、東側の斜面のハイマツ帯には雪が付いていない所もあります。右端のピークが唐松岳で、その左が唐松岳頂上山荘の真上のピークです。

ややきつい斜面

ややきつい斜面
ややきつい斜面を登り、小ピークの上に立ちます。とはいえ斜度は約20度ほどで、天気が良く雪が緩んでいるので滑落の心配はまずありません。気温が氷点下を下回ってくると表面がアイスバーンになるので、12本歯のアイゼンを効かせてピッケルを持って登る必要がある所です。

これから三つの小ピークを越える

これから三つの小ピークを越える
小さなピークを登り上げ、ハイマツ帯の中を進みます。これから三つの小ピークを越えると唐松岳頂上山荘の真上のピークに到着です。この辺りは比較的緩斜面なのでストックでも十分です。

リッジ状の痩せ尾根の通過

リッジ状の痩せ尾根の通過
最後の雪の急斜面を登り上げるとリッジ状の痩せ尾根の通過になります。ここでアイゼンを外して稜線上の岩場を登ることも出来ます。写真ではそのままアイゼンを付けて登っていると登山者が見えています。

アイゼンを外し稜線上の痩せ尾根を登る

アイゼンを外し稜線上の痩せ尾根を登る
ここから稜線上の痩せ尾根を登って行きます。夏道は稜線の左手側をトラバースする様に付いています。稜線上には残雪は全く無く、難しい登りではありません。狭い稜線なので展望がよく、白馬三山から連なる不帰ノ瞼の岩峰が目前に迫ってきます。

厳冬季はここが核心部

厳冬季はここが核心部
痩せ尾根を通過していきます。残雪はなく、今年のゴールデンウィーク期間中は特に難しい登りではありません。一部分狭いリッジになっているので厳冬季の通過はここが核心部となるでしょう。

この先で唐松岳頂上山荘の真上へ飛び出す

この先で唐松岳頂上山荘の真上へ飛び出す
痩せ尾根を通過し、雪の斜面を左側にトラバースすると唐松岳頂上山荘の真上へ飛び出します。夏道は、左側(西側)の山腹をトラバースして、唐松岳頂上山荘の前庭に通じています。

唐松岳頂上山荘真上からの唐松岳

唐松岳頂上山荘真上からの唐松岳
痩せ尾根を登り切ると唐松岳頂上山荘の真上に飛び出します。ピラミダルな山容の唐松岳が目の前に飛び込んできます。右側には鋭く切れ落ちた不帰キレットや不帰ノ瞼の岩壁が目前に迫っています。比較的緩斜面を登れば山頂です。

唐松岳山頂

唐松岳山頂
後立山連峰の縦走路にある標高2696メートルの唐松岳山頂です。当日は晴天で約20人ほどの登山者が山頂で写真を撮ったり、くつろいでいました。

唐松岳頂上から望む五竜岳

唐松岳頂上から望む五竜岳
唐松岳頂上から望む五竜岳。その後ろに連なる後立山連峰の盟主・鹿島槍ヶ岳、その裏に僅かに槍ヶ岳の穂先が見えていました。又、左手には南アルプス、八ヶ岳がよく見えます。

唐松岳から唐松岳頂上山荘

唐松岳から唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上から唐松岳頂上山荘を望む。積雪期の登山道は山荘裏のピークに稜線づたいに登り上げています。本来のテント場は雪に覆われていて使えませんので、小屋の前庭が臨時のテント場になっています。日帰りのトイレ利用料は男女とも200円です。日帰り及びテント泊共に食堂での休憩は300円(喫茶メレーズは使用出来ません)。

唐松岳山頂から黒部渓谷の先に剱岳と立山

唐松岳山頂から黒部渓谷の先に剱岳と立山
唐松岳山頂から黒部渓谷を挟んで雪の殿堂・剱岳とその左手に立山を望む。無雪期の唐松岳不帰キレット唐松岳から五竜岳への縦走路などもご覧ください。

唐松岳の他の登山ルート

唐松岳
不帰キレット
不帰キレット
唐松岳
唐松岳 八方池
八方尾根を登る唐松岳

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日本アルプス登山ルートガイド
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