恵那山神坂峠と古代祭祀遺跡の地図

  • 距離6.7 km
  • 登り802 m
  • 下り59 m

恵那山神坂峠と古代祭祀遺跡ルートの難易度

難易度  1/10

ルート阿智村東山道・園原ビジターセンターはゝき木館(標高830m)
⇒神坂峠(標高1,569m)難所はありません。

恵那山神坂峠と古代祭祀遺跡ルートの体力

体力  1/10  

飲料水必要量5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:0.89リットル、体重60kgの人:1.164リットル、体重75kgの人:1.43リットル
消費カロリー5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.664Kcal、体重60kgの人:2.164Kcal、体重75kgの人:2.663Kcal
燃焼脂肪量5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.237kg、体重60kgの人:0.309kg、体重75kgの人:0.380kg

コースタイム

  • 登山:園原ビジターセンターはゝき木館→神坂峠 3時間30分
  • 下山:神坂峠→園原ビジターセンターはゝき木館 2時間25分

山小屋

中央アルプスの山小屋
萬岳荘
萬岳荘

恵那山神坂峠の古代祭祀遺跡ルート

東山道及び神坂峠の地図

東山道及び神坂峠の地図
今から1300年以上も前の7世紀、大和朝廷は大宝律令の制定に伴い、近江国(滋賀県)を起点に、陸奥・出羽国(東北地方)へ通じる総延長1000km の官道・東山道を造りました。

大和政権が地方を服従させるために造った道で、京都へ税物を背負って歩く道であり、九州北部の防衛を担う「防人」を派遣するための道でもありました。

こういった官道(駅路)は、東山道の他に東海道・北陸道・山陽道・山陰道・南海道・西海道など全部で7道が整備され、中央集権的な国家体制が確立していきます。そして駅路には16kmごとに駅家が設けられました。

阿智村東山道・園原ビジターセンターはゝき木館

阿智村東山道・園原ビジターセンターはゝき木館
阿智村東山道・園原ビジターセンターはゝき木館(ははきぎかん)は、「全村博物館構想」を掲げて、村内の史跡や園原の里の自然の魅力を伝えているミニ博物館です。

かつて存在した阿智駅家から約11km の地点にあります。入館料:無料、休館日:火曜(祝日の場合、翌日休館)、駐車場:無料駐車場あり、住所:〒395‐0304 長野県下伊那郡阿智村智里3604‐1

周辺には食事処・門前屋や広拯院根元中堂、広拯院(月見堂)があります。

園原ビジターセンターはゝき木館の展示物

園原ビジターセンターはゝき木館の展示物
園原ビジターセンターはゝき木館の展示物は、杉の木平遺跡から発掘された古墳時代の「有孔円板」や「剣形模造品」などです。

杉の木平遺跡は、神坂神社の少し下の平らな場所で、恵那山トンネルの排気口の所にあります。「有孔円板」や「剣形模造品」などは、東山道を通行する時に身の安全を願って奉納したものです。

なぜ”模造品”と言われるかは、旅人にとって実物の「剣」は重たく高価なため奉納することが出来ないので、「剣」に似せた持ち運びしやすい小さな模造品を造り、その代役としたためです。

広拯院(月見堂)

広拯院(月見堂)
広拯院(月見堂)は815年(弘仁6年)に天台宗の開祖・最澄(伝教大師)が東国へ布教のため東山道を通り、神坂峠を越えています。その折、神坂峠越で難儀したため誰もが利用出来る施設・広拯院を作りました。

現在の建物は、江戸時代後期文政元年に改築された2×2間の入母屋造りの建物で、月見堂と呼ばれています。

伝教大師は、美濃の国側にも同様の施設・広済院を作りました。坂本駅家から14.3km神坂峠へ登った所にありましたが、現在は建物はなく、跡地のみが確認出来ます。

広拯院の跡地とされる月見堂のある敷地は宿泊施設を作るにはやや狭く、実際にはこの場所より上流の杉の木平遺跡のある場所に宿泊施設を作ったのではないかという説もあります。

天台宗信濃比叡 広拯院

天台宗信濃比叡 広拯院
天台宗信濃比叡 広拯院は平成に入ってから建立されたもので、手前に伝教大使最澄上人のご本尊、奥に根元中道(本堂)があります。

暮白の滝の滝見台

暮白の滝の滝見台
広拯院(月見堂)から東山道を約1.5km登った所に暮白の滝の滝見台があります。ここから願いを込めて皿を投げると望みが叶うと言われています。皿は園原ビジターセンターはゝき木館と食事処・門前屋で販売されています。

この周辺に「石造模造品」が発掘された杉の木平遺跡があります。 神坂峠から下ってきて傾斜が緩やかになった所に立地しています。

遺跡からは、建物、祭祀に関わるもの、道路や墓など人々の生活に関わる遺構が発掘されているため、当初広拯院はこの地に作られたのではないかと言う説も浮かんでいます。

暮白の滝

暮白の滝
東山道から見える暮白の滝は、滝の落ち口にしめ縄が張られた落差15mほどの小ぶりの滝です。夕暮れになると滝がほの白く見えるために名付けられたと言います。

神坂神社手前の駐車場

神坂神社手前の駐車場
暮白の滝 滝見台から500メートルほど東山道 を登ると、神坂神社手前に駐車場があります。全部で30台ほど駐車可能です。神坂神社の裏手か古道・東山道の山道を登ると、約5キロ・1時間50分で萬岳荘です。

神坂神社

園原の里の外れにあり、里と山の境に建てられています。縁起の詳細は不明ですが、東山道の起点にあるため当時神社勢力が経済力と支配力を持っていたと考えられています。

現在の社殿は明治22年の建造で一間社流造り、内部は精巧な彫刻で飾られています。 社殿右横の樹齢2000年以上の大和杉は圧巻です。 境内には万葉集の歌碑や日本武尊が東征の時に腰かけたと言われる「日本武尊腰かけ石」などがあります。

社殿左手裏から東山道が山の中に伸びています。

萬岳荘

萬岳荘
萬岳荘(ばんがくそう)は、富士見台高原に建つ恵那山の拠点になる山小屋です。 食事提供はありませんが、自炊設備や寝具が充実しています。

神坂峠の古代祭祀遺跡

神坂峠の古代祭祀遺跡
神坂峠の古代祭祀遺跡は、昭和42年・43年に発掘調査が行われ、剣・鏡などをかたどった滑石製の模造品や玉類・鉄製品などが発見されました。

これは旅人が旅の安全を祈り荒ぶる峠の神に幣(ぬさ)として供えたものとされています。古墳時代から中世に及ぶ峠祭祀(さいし)の実態を知る重要な遺跡です。

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