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北御所登山口から伊那前岳〜木曽駒ヶ岳

北御所登山口から伊那前岳〜木曽駒ヶ岳概要

登山ツアー情報

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登山コース案内

北御所登山口へは、バスかタクシーのアクセスになります。しらび平に通じる駒ヶ根駒ヶ岳公園線は、駒ヶ根高原黒川平にゲートがあり、これ以上マイカーでは入れません。菅ノ台バスセンター周辺には1000台を超える駐車場がありますが、黒川平にも広い駐車場があります。駐車場前にバス停がありバスの乗降は可能です。

北御所登山口から蛇腹沢登山口までの林道は、中部電力によってしっかり整備されているので大変歩きやすい状態になっています。 蛇腹沢登山口から針葉樹林帯の急登です。途中の清水平に水量豊富な湧水が出ているので、水筒を一杯にして出発します。

五合目・うどん屋峠のある稜線へは登山口から約2時間のコースタイムです。うどん屋峠から方向を90度西に変え、尾根上をコンスタントに高度を上げて行きます。 そして、七合目の船窪で森林限界を超え、背の低いハイマツ帯の登りになります。

8合目には修験道の歴史を感じさせる石碑と小祠が祀られています。八合目から10分ほどで伊那前岳の山頂に立ちます。山頂から200メートルほど進んだ所に勒銘石があり、江戸時代の高遠藩の藩主・天山の詩が刻まれています。

勒銘石から乗越浄土まで15分ほど足らずの距離です。駒ヶ岳ロープウエーを使って木曽駒ヶ岳に登った場合、伊那前岳に立ち寄ったとしても往復40分ほどのコースタイムなのでお薦めです。

江戸時代の高遠藩郡代、坂本天山の詩

石に刻まれた四言古詩

閃緑斑岩の勒銘石に刻まれた坂本天山の四言古詩

木曽駒ヶ岳検分登山の際、坂本天山が即興で詠んだ四言古詩『霊育神駿(霊神駿を育つ) 高逼天門(高く天門に迫り) 長鎮封城(長く封域を鎮む) 維獄以尊(維獄以て尊し)』が、伊那前岳の稜線に広く分布する閃緑斑岩「勒銘石」に石工に命じて刻ませたものが残ってます。現在は、風雨に曝され判読出来ないレベルまで風化しています。
詩の意味は 「木曽駒ヶ岳の霊気が、神の乗る駿を育て、霊峰の頂は高く聳え、永久に我郷土・伊那谷の平和の礎となっている。何と気高く尊い山ではないか。」

そして、1931年(昭和6年)、勒銘石の傍らに伊那の住民らによって、天山の子孫・海軍中将阪本俊篤(坂口三郎主宰の上官)の書による副碑が建てられました。

江戸時代、山林資源や耕地の拡大を巡って隣接する藩同士のいざこざが各地で起こっていました。(白馬岳周辺では、松本藩と加賀藩による境界争いなど。)そこで、山頂周辺での領地を明確に確定する意味も含めて、絵地図の作成が不可欠になってきたようです。

木曽駒ヶ岳においては高遠藩と尾張徳川家による山頂周辺での境界争いがありました。尾張徳川家が検分登山を行ったことに対抗し、高遠藩でも3回の検分登山が行われています。坂本天山は、1784年(天明4年)、3回目の検分登山を行った時の郡代です。天山は、幼少の頃から仰ぎ見ていた中央アルプスの頂をいつの日かきわめたいと考えていたと言います。藩士らの士気を高める狙いもあって100名近くを引き連れて登ったといいます 。その時の詳細が「登駒ヶ嶽記」に残されています。



画像一覧

北御所登山口。しらび平まで約1キロの地点です。一般車両通行止めの鎖の脇から林道に入ります。下山に使う場合も、バス停があり、1時間に2本あるのでアクセスに問題ありません。登山口から伊那前岳まで約4時間のコースタイムです。

北御所谷の右岸を高巻する様に林道はあり、約30分ほど歩いた広場には、四つの簡易トイレが設置されています。北御所登山道は、駒ヶ根市周辺の学校による集団登山のコースとして利用されているため、よく整備されています。この先林道歩きが20分ほど続きます。

林道は、北御所谷の支流・車沢を渡っています。沢に降りれば水場として使う事も出来ます。林道は中御所発電所の取水口監視のため中部電力により整備が行われています。

北御所谷の支流・車沢から5分ほどで林道は終点となり、蛇腹沢登山口を示す看板の位置から180度向きを変えて登山道が始まります。

蛇腹沢登山口から針葉樹林帯(カラマツ、トウヒ、シラビソ)の中にダケカンバなどが混じる中を九十九折に急登していきます。林床の笹は綺麗に刈り取られ登山道はしっかり整備されています。

蛇腹沢登山口からシラビソの森を50分ほど急登すると、平坦地が現れます。清水平です。平坦地の最奥に水場があります。

清水平の水場。豊富な水が湧き出しています。まず枯れる心配はないでしょう。ここから先には水場が無いので、たっぷり補給をして出発します。

シラビソの原生林の中をジグザグに登ります。約25分ほど山腹を急登すると、尾根筋に上がり、5合目のうどんや峠です。

5合目・うどんや峠。ここまで北御所登山口から約2時間のコースタイムです。ここで登山道は進路を左に90度変え、尾根上を進みます。

5合目・うどんや峠から伊勢滝・黒川渓谷・宮田高原キャンプ場方面の登山道入口にはロープが張られ、進入禁止の様な状態になっています。登山道の踏み跡は薄く、登山者はあまり入っていないようです。

5合目・うどんや峠では樹間に南西方面の展望が開け、左端に空木岳が見えています。

5合目・うどんや峠からは尾根通しの道を西方向に進みます。標高2000mを超える尾根筋は、高山特有の原生林に包まれています。

5合目・うどんや峠から尾根筋を登り徐々に高度を上げて行くと、登山道の右手に小さな水たまり程度の一丁ヶ池が現れます。

一丁ヶ池から50mほど進んだ所に広場があり、一丁ヶ池の大きな看板が目に入ってきます。休憩するにはちょうど良い場所です。

一丁ヶ池からシラビソやコメツガの巨木の中を10分ほど登ると、明るい広場に出ます。六合目の小屋場です。広場の西端で千畳敷へ通じる長谷部新道が分岐していましたが、2015年現在、廃道になっています。

六合目の小屋場を過ぎると樹木の高さが次第に低くなり、森林限界を超えるのも間近であることを予感させられます。ダケカンバの林は、深く降り積もる雪で根元から曲り、低木化しています。

ダケカンバの林を抜けると、背の高いハイマツやナナカマドなどが混じる灌木帯の中を尾根の北側に回り込んで行きます。

尾根の北側に回り込むと森林限界を超え、目の前に伊那前岳が姿を現します。そして右手側には、黒川渓谷の源頭部の谷を挟んで将棊頭山から駒ヶ岳に伸びる稜線が見えてきます。

低木化したハイマツ帯の中をジグザグに登ると、広い稜線上の平坦地に到着します。七合目の船窪です。右手奥に低く見える山は木曽駒ヶ岳隣の中岳です。

七合目の船窪から将棊頭山の東側鞍部に建つ西駒山荘を写す。西駒山荘は桂子場ルートの途中にあり、2015年現在、100周年を迎える山小屋です。大正2年の中箕輪尋常高等小学校の修学登山で13人の犠牲者を出した事を機に、伊那谷の住民らによって石室が作られたのが始まりです。

大小様々な大きさの花崗岩が折り重なるところを超えると、石碑の祀られた尾根に上がります。

八合目。尾根上に小祠や石碑が祀られています。石碑には般若心経の一節「覚者与五蔵 五蘊皆空、この心身は空と目覚めた者は五臓六腑の心身を給わる」と刻まれています。かつて、このルートは伊那谷側からの登拝路の一つで、山岳信仰・修験道の歴史を感じさせる場所です。

ハイマツ帯の中に刻まれた砂礫の道をひと上りすると、伊那前岳山頂です。 北御所登山口からは4時間のコースタイムでした。

伊那前岳山頂から稜線の左手に宝剣岳東壁が、優美に峻立している姿が望めます。右手には木曽駒ヶ岳、左手には千畳敷カールを見下ろします。正面の丸いピークを左手側から巻く所に坂本天山の詞が刻まれた勒銘石があります。

伊那前岳山頂から左手眼下には千畳敷カールが広がり、その中央に赤い屋根の駒ヶ岳ロープウエイ山頂駅が見えています。

伊那前岳山頂から北側を望と西駒山荘の赤い屋根が小さく見え、その左手に将棊頭山、そしてその左奥に茶臼山、将棊頭山から左手に稜線を辿ると馬ノ背が木曽駒ヶ岳山頂に向けて伸びているのが見えます。また、木曽駒ヶ岳の中でお薦めの景勝地・濃ヶ池も見えています。

坂本天山の詠んだ四言古詩『霊育神駿 高逼天門 長鎮封城 維獄以尊』が刻まれた副碑。昭和6年に、伊那谷の住民らによって天山の子孫、海軍中将阪本俊篤(坂口三郎主宰の上官)の書による副碑が建立されました。副碑の北側に勒銘石があります。振り返って撮影しているので遠景のピークが伊那前岳です。

勒銘石に刻まれた坂本天山の詠んだ四言古詩『霊育神駿 高逼天門 長鎮封城 維獄以尊』。もはや判読は不可能なほど風化が進んでいます。遠景のピークが伊那前岳です。

坂本天山の副碑の建つ位置から宝剣岳方面を撮影。ここから稜線上を小さくアップダウンを繰り返し15分ほど進むと、宝剣山荘の建つ乗越浄土です。

小さな岩稜の頭(9合目の道標が立つ)を左手から巻きながら平坦な道を進みます。乗越浄土に建つ宝剣山荘の青い屋根が見えて来ました。

前写真の位置から宝剣岳を写す。宝剣岳は、花崗岩の崩壊が進み、悠然として美しく、存在感に溢れています。宝剣岳東斜面の千畳敷カール内に付けられた遊歩道が見えています。

乗越浄土。青い屋根の宝剣山荘、赤い屋根の天狗荘、右手上方に稜線を辿ると、中岳、更にその奥に木曽駒ヶ岳が聳えています。ここから木曽駒ヶ岳山頂へはホテル千畳敷からのコースガイド参照してください。

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北御所登山口から伊那前岳〜木曽駒ヶ岳地図

北御所登山口から伊那前岳〜木曽駒ヶ岳詳細情報

ルート 北御所登山口(標高1,410m)⇒蛇腹沢登山口(標高1,680m)⇒清水平(標高2,021m)⇒5合目・うどんや峠(標高2,191m)⇒一丁ヶ池(標高2,386m)⇒六合目小屋場(標高2,445m)⇒七合目船窪(標高2,636m)⇒八合目(標高2,845m)⇒伊那前岳(標高2,883m)⇒勒銘石(標高2,879m)⇒乗越浄土(標高2,865m)
コースタイム 登山:北御所登山口⇒伊那前岳 4時間00分 伊那前岳⇒乗越浄土 15分 合計4時間15分 
下山:乗越浄土⇒伊那前岳 15分 伊那前岳⇒北御所登山口 3時間10分 合計3時間25分
駐車場 菅ノ台バスセンター 1回600円 約1,000台(周辺駐車場合計)
核心部 難しいところはありません。
難易度 [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1
飲料水必要量 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.05リットル、体重60kgの人:1.37リットル、体重75kgの人:1.68リットル
消費カロリー 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.953Kcal、体重60kgの人:2.539Kcal、体重75kgの人:3.125Kcal
燃焼脂肪量 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.279kg、体重60kgの人:0.363kg、体重75kgの人:0.446g
標高差距離 8.8km 最大標高差 1502m 平均斜度 全体:16.6% 上り:19.3% 下り:8.3% 獲得標高 上り:1512m 下り:58m
山小屋 西駒山荘 宝剣山荘、天駒荘、、駒ヶ岳頂上山荘、頂上木曽小屋
アクセス 登山口の桂小場へはJR伊那市駅からタクシー、又はマイカーのみです。

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