【柿田川 第1展望台】
柿田川湧水は、東西に走る国道1号線の直ぐ南から突如として湧き出しています。日量は約120万トンで、周辺の
富士山、
箱根山、
愛鷹山などに降った雪や雨が26年〜28年の歳月をかけて地下水となって湧きだしてくるものです。特に富士山は「沢はあれど川は無し」と言われ、降った雨や雪の70%ほどがそのまま地下に染み込んで行きます。これは富士山の噴火で堆積された火山灰地層によるものです。
国道1号線の入口の広場を右手に進むと第1展望台です。ここは柿田川湧水の最上流部にあたり、大小数十個の「わき間」から砂を巻き上げながら湧き出す地下水を間近で見られます。4月〜11月には、ミシマバイカモの花が咲きます。12月には海から遡上してきたの泳ぐ姿を見られます。
【柿田川 第2展望台】
紡績工場が利用していた井戸の跡です。砂の中から絶え間なく湧き出る流水に太陽の光が差し込み、コバルトブルーの鮮やかな色に輝いています。
【柿田川 貴船神社】
京都貴船神社の分社で、水の神様です。雨の降らない時は雨を降らせ、雨が多い時はこれを止めるあらたかな神様です。「恋を祈る神社」として縁結びの神様としても知られています。石碑の上の紅白の丸い石「おむすび」に触れると心に秘めた人と結ばれると言われています。
【柿田川 湧水広場】
深い緑に包まれ、一休み出来る場所になっています。湧水が斜面から出ていることも分る場所の一つです。
【柿田川 船付場】
「泉頭城船付場」と言い、かつて製紙会社が利用していた二つの井戸から清冽な水が湧き出しています。
【木製八つ橋からの柿田川】
柿田川の長さは僅か1200メートルで、狩野川に注ぎます。源流部から200m程下ると、大小数十ヶ所のわき間から湧き出す水を集めて川幅が100mほどになります。
この貴重な柿田川湧水の水量には変化があり、1964年には日量140万トンであったものが1993年には100万トンに減少しています。これは、富士山東麓に進出した企業による地下水のくみ上げ、或いはゴルフ場、住宅地開発によって雨水が地下水として浸透しなくなったことが原因と考えられています。
この水は周辺住民35万人(沼津市、三島市、熱海市、函南町、清水町)の飲料水となっているため、
守り続けて行くことが求められます。
【柿田川湧水の土産店・食事処】
入口近くの駐車場脇に数軒の土産店や蕎麦屋、レストランなどが集まったエリアがあります。豆腐アイスクリームが名物です。
【高野二三の母屋と高野邸池泉回遊式庭園】
昭和12年、製紙会社を設立した高野二三の住居として建てられたものです。彼の生誕地福井県から木材を取り寄せ、職人も呼び寄せて越前の風土に適した構造で建築されています。1200坪の庭園には茶屋も作られています。
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