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須走口五合目から須走ルート概要
アクセス案内
登山出来る期間
夏山登山シーズンは6月20日頃から9月末です。それ以外の時期でも登山は可能です。ゴールデンウィークには冬山装備で入山する登山者も多く見られるようです。吉田口ルートのように五合目登山口にゲートがあり、閉められる事はありません。
※ただし、「ふじあざみライン」は冬季凍結するため例年11月頃から翌年4月末頃まで、小山町須走(あざみライン入口)
〜須走口五合目の全長11.5km区間が冬季閉鎖になります。年度により開通日が多少前後しますから詳しいことは富士山五合目までの道路状況のページをご覧ください。
マイカーでのアクセス
マイカー規制期間中
ふじあざみライン(11.5km)で須走五合目へ向かいますが、
ハイシーズン中の特定日(概ね47日間、年度によって変更)にはマイカー規制が行われます。そのため、東富士五湖道路の須走インター近くにある須走多目的広場に作られた仮設駐車場(約600台、1000円)からシャトルバスが運行されます。
※2013年より世界自然遺産に登録されたことに伴いマイカー規制期間が大幅に延長されました。
シャトルバスは、ほぼ30分間隔で運行され、片道1220円・往復1600円、所要時間約30分です。仮設駐車場始発5時、終発21時(金・土・祝日の前日は終発20時)、須走口五合目始発6時45分、終発21時15分(金・土は終発20時45分)です。シャトルタクシーも運行され、片道3570円程度です。
マイカー規制期間外
五合目の無料駐車場は200台ほど駐車可能ですが、マイカー規制が行われない日でも、すぐに駐車場は一杯となり、縦列駐車の列が2kmほどに伸びることもしばしばあります。
電車・バスによるアクセス
JR御殿場線御殿場駅
富士急行バスで約1時間、須走口五合目で下車。運賃:大人片道1540円、往復2060円、子供は半額。
小田急線新松田駅
富士急行バスで約1時間30分、須走口五合目で下車。運賃:大人片道2060円、往復3100円、子供は半額。
登山コース概要
須走口五合目の標高は1,950mで吉田口や富士宮口に比べれば400mほど低くく、富士山頂との標高差は1,826mとなり日帰りは困難でしょう。そういったこともあって登山者の数は比較的少なく、山小屋も空いています。富士登山を経験している人の多くが選ぶルートと言っても良いでしょう。
登山口にある宿泊施設の東富士山荘と菊屋には休憩所があり、その前を通って参道の様な石畳の道を進むと、鳥居が見えてきます。
古御岳神社の鳥居をくぐり、登山の安全を祈願して登山道へと足を進めます。
須走口登山道はスタート地点から本六合目近くまでは樹林帯の中にあり、六合目の瀬戸館を少し登ったあたりで森林限界を越え展望が開けてきます。
7月下旬から8月上旬にかけて、高山植物のメイゲツソウ、オンダテがあたり一面に、赤や白に咲き誇り、単調になりがちな富士山登山に変化を与えています。
須走口江戸屋前で吉田口ルートの下山道と合流し、本八合目トモエ館の前で吉田口ルートの登山道と合わせます。
ここからは吉田口と須走口からの2本の登山道が一緒になるため混雑することもしばしばあります。
ハイシーズンの時期には山頂で御来光を迎えようする登山者が多く、山小屋から通常のコースタイムより2時間ゆとりを持って出発することをお勧めします。
下山時は登山道とは違う「砂走り」と呼ばれるザクザクの砂の斜面を駆け下ります。砂はクッションとなり足への負担が少なく、登山時に比べ、はるかに短時間で下りる事が出来ます。
登山届提出
静岡県警察 しずおか電子申請サービスを利用して、登山計画書を提出することができます。
お問い合わせ
静岡県警察本部地域部地域課
静岡県静岡市葵区追手町9番6号
電話番号:054-271-0110
各種問い合わせ
小山町観光協会 電話:0550-76-5000
小山町商工観光課 電話:0550-76-6114
幻の滝を見に行こう
須走口5合目から25分で「幻の滝」に出会う
5月8日、須走口5合目第3駐車場から約25分歩いた標高2200メートル地点に現れる「幻の滝」を見に行きます。
須走口5合目駐車場から標高差で約50m登ります。富士山特有の砂礫の斜面で、やや登りづらいです。
ややきつい登りが終わると、トラバース気味の緩斜面になります。
「幻の滝」が現れる沢に到着です。「富士山に沢はあれど水は無し」と言われるように、すべての五合目登山口には水場はなく、すべての山小屋にも水場はありません。この場所にのみ、富士山に川が出現し、滝となって流れるのです。
11時30分現在、全く水は流れていません。
「幻の滝」が現れる条件は、季節限定・時間限定です。ふじあざみラインが開通する4月下旬から6月上旬にかけてチャンスがあります。年により流れ始める時期は前後します。その年の降雪量や気温などに影響を受けます。朝から十分な日差しがあり、五合目の日中の気温が16度を超えるのが一つの条件になります。
流れ始めるのは正午を過ぎてからで、最も水量が多くなる時間帯は午後2時から3時頃です。夕方になり、気温が低下すると再び水の流れは消えてしまいます。
正午を少し回った時刻から少しずつ流れ出し、時間の経過と共に次第に水量を増し、滝となって流れ落ちるまでになっていきます。写真の滝の落差は5、6メートルくらいでしょうか。午後1時30分時点の様子です。
更に上流に登った所には雪渓が残り、その下を勢いよく流れ下っています。更に富士山腹を望むと、日の光を浴びてキラキラと輝き少し蛇行した筋状の流れが見えます。
下を見下ろすと、ナメ滝となって流れ落ちています。富士山の降水量は平均して一日600万トンと言われています。150万トンほどが蒸発し、残りはすべて地下に染み込むと言われています。地下に染み込んだ水が麓で湧水となって地上に現れてきます。白糸ノ滝であったり、柿田川湧水などはその代表的なものです。
「幻の滝動画」
富士山須走口五合目の施設
富士山須走口五合目には二軒の山小屋、公衆トイレ、派出所兼登山案内所などがあります。
画像一覧
シャトルバスがあります。マイカー規制時には一般車は須走口5合目に入れません。そのためここの仮設駐車場に車を止め、シャトルバスに乗ります。
仮設駐車場チケット売り場。始発は5:00、終発は21:00(曜日により異なる)、ほぼ30分間隔で出発し、須走口五合目まで約30分の乗車時間です。シャトルタクシーも常時待機して、数人集まればバスとほぼ変わらない金額で行くことが出来ます。
東富士山荘の前を通って登山道へ向かいます。金剛杖が売られています。小屋の前は日よけのある休憩スポットになって、下山者が休むのに適しています。また、登山時もいきなり登ると高山病になりやすいので、高度順応のために1〜2時間ほど休んでから出発する事にします。
右手に登山計画書の提出用ポストを設置した小屋を超え、200円の有料トイレを左手に見て、石畳の参道を真直ぐ進むと古御岳神社です。須走ルートは富士山の東側から登るルートで、樹林帯の中を歩く区間が長いです。本八合目で吉田ルートと合流するので、その先は渋滞する事もよくあります。
灌木帯から抜けているため、展望は良好です。振り返ると、眼下に山中湖、遠く金時山など箱根の山々が見渡せる開けた登山道です。上部を望むと本六合目の瀬戸館が小さく見えてきました。
標高2620メートル地点の本六合目の瀬戸館です。 軽食としてビックカレー、山菜うどん、親子丼、カップヌードル、牛丼、中華丼など宿泊者以外でも温かい食べ物が提供されています。定員120名の寝室はカイコ棚式となっていますが、それでもの区間の間仕切りが多く、プライベートの確保を意識した作りです。バイオ式トイレが完備しています。
鈴が沢山祀られ、その右手に「廿六夜月待塔」の石碑が建てられています。「二十六夜講」とは、旧暦の1月と7月の26日の夜に月待をする講で、江戸時代に盛んに行われていたようです。「講」とは同一の信仰を持つグループのことで、ここでは「富士講」を指しています。「月待」とは、月の出を待ち、拝みながら酒を飲み交わすことです。
標高2,960m地点の七合目太陽館です。営業期間は例年、6月1日から10月15日までです。山小屋電話:090-3158-6624 、自宅電話:0550-75-4347。この場所でブルドーザー道や下山道の「砂走り」が分岐します。
太陽館のチップトイレの看板が大きく掲げられています。また、軽食などの販売がなされています。夕食は大変充実して、名物のおかわり自由な豚汁、ハンバーグにキャベツの千切り、サンマの蒲焼き、昆布の佃煮などです。
標高3,20mの本七合目の見晴館。寝室はカイコ棚式で布団で寝ます。ハイシーズンには一枚の布団に2人っていうことも覚悟してください。七合目から八合目の山小屋が最も人気があり、どのルートでも混雑しがちです。
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須走口登山ルート地図
須走口登山ルート基本情報
ルート | 須走口五合目(標高1,950m)⇒富士山(剣ヶ峰 標高3,776m) |
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コースタイム | 登山:須走口五合目⇒富士山(剣ヶ峰) 7時間40分 下山:富士山(剣ヶ峰)⇒須走口五合目 3時間30分 |
駐車場 | 無料須走口五合目駐車場 200台 |
トイレ | 五合目、各山小屋、山頂 |
核心部 | 特に難しい所はありません |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 | 飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:2.78リットル、体重60kgの人:3.61リットル、体重75kgの人:4.44リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:5.162Kcal、体重60kgの人:6.710Kcal、体重75kgの人:8.258Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.737kg、体重60kgの人:0.959kg、体重75kgの人:1.180kg |
標高差 | 距離 5.6km 最大標高差 1713m 平均斜度 全体:30% 上り:31% 下り:16% 獲得標高 上り:1706m 下り:16m |
山小屋 | 新五合目: 山荘菊屋、東富士山荘 砂払五合目: 吉野屋 新六合目: 長田山荘 本六合目: 瀬戸館 七合目: 大陽館 本七合目: 見晴館 八合目: 江戸屋 、胸突江戸屋、 富士山頂: 山口屋 、扇屋 、東京屋、 山頂富士館 |
登山口へのアクセス |
富士山須走口ルートの「高山植物」
![]() ムラサキモメンヅル |
![]() ヤマホタルブクロ |
![]() ヤマホタルブクロ |
![]() トモエシオガマ |
![]() ミヤマアキノキリンソウ |
![]() シナノオトギリ |
![]() フジハタザオ |
![]() メイゲツソウ |
![]() メイゲツソウ |
![]() メイゲツソウ |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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