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高瀬ダムからブナ立尾根で烏帽子岳登山ルート地図

  • 距離5.7 km
  • 登り1,585m
  • 下り242 m

高瀬ダムからブナ立尾根で烏帽子岳登山ルートの難易度

難易度  2/10

ルート高瀬ダム(標高1,270m)⇒不動沢トンネル(標高1,278m)⇒不動沢吊橋(標高1,297m)
⇒権太落シ(標高1,667m)⇒三角点・槍見台(標高2,209m)⇒烏帽子小屋(標高2,550m
)⇒前烏帽子岳(標高2,605m)⇒烏帽子岳(標高2,628m)
核心部烏帽子岳山頂の岩峰の鎖場

高瀬ダムからブナ立尾根で烏帽子岳登山ルートの体力

体力  3/10  (日帰り)

飲料水必要量5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.63リットル、体重60kgの人:2.12リットル、体重75kgの人:2.62リットル
消費カロリー5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:3.045Kcal、体重60kgの人:3.959Kcal、体重75kgの人:4.873Kcal
燃焼脂肪量5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.435kg、体重60kgの人:0.565kg、体重75kgの人:0.696kg

コースタイム

  • 登山:高瀬ダム→烏帽子岳 3時間49分
  • 下山:烏帽子岳→高瀬ダム 2時間44分

山小屋

北アルプス山小屋
烏帽子小屋
烏帽子小屋

登山口のアクセス

北アルプス登山口-アクセスと駐車場
七倉/高瀬ダムのアクセスと駐車場
七倉/高瀬ダムのアクセスと駐車場

高瀬ダムからブナ立尾根で烏帽子岳登山ルート

七倉登山口

七倉登山口
七倉ダムから七倉トンネルを抜け、七倉山荘が建つ周辺は約100台の無料駐車場があります。9月のシルバーウイーク中という事もあって5時50分時点で満車でした。そのため、2km下流の七倉ダム下の臨時駐車場に停めることになりました。

七倉山荘

七倉山荘
左手が日帰り温泉可能な七倉山荘と右手に大町観光協会が運営している登山相談センターと公衆トイレがあります。その先に、東京電力が管理しているゲートがあります。ゲートが開く時間は朝5時30分から夕方6時30分です。

七倉ダム下の臨時駐車場

七倉ダム下の臨時駐車場
乗り合いタクシーが待っていました。七倉ダムから高瀬ダムまではタクシー料金は約3400円です。この日は9人乗りの大型タクシーでした。料金は人数割りになります。七倉から高瀬ダムまでは約2400円です。

高瀬ダム

高瀬ダム
七倉山荘横のゲートからタクシーに約7分乗車すると着きます。下山時は正面の建物に設置されている公衆電話を使ってタクシーを呼びます。

公衆電話は10円必要

公衆電話は10円必要
公衆電話は10円必要です。高瀬ダムから下山できる最終時間は、5月1日から10月15日は午後6時30分、10月16日から10月31日は、午後4時30分です。タクシーが高瀬ダムまで来るのに約1時間かかる場合もあり、余裕をもって連絡してください。

不動沢トンネル

不動沢トンネル
高瀬ダム堰堤でタクシーを降り、正面の長さ200mほどの不動沢トンネルに入ります。不動沢トンネルを抜けると、すぐに不動沢吊橋があります。

不動沢吊橋

不動沢吊橋
不動沢に架かる100mを超える長い吊橋です。この付近の川は、降雨時に土石流が発生する危険があるようです。

不動沢・濁沢キャンプ指定地

不動沢・濁沢キャンプ指定地
不動沢吊橋を渡るとすぐにテント場があります。1人2000円で、高瀬館又は烏帽子小屋に料金を支払う必要があります。利用不可の年もあるので烏帽子小屋に連絡すること。ここから濁沢の河原に向かいます。

無名滝

無名滝
濁沢に流れ落ちる無名滝。濁沢の広い河原の右岸を上流へ進むとブナ立尾根の取り付き(左手の尾根)です

無名滝上流の濁沢の右岸を高巻き

無名滝上流の濁沢の右岸を高巻き
左手の尾根がブナ立尾根の取り付きです。無名滝上流の濁沢の右岸を高巻きする様に登っていきます。

ブナ立尾根取り付きの道標

ブナ立尾根取り付きの道標
登山道には番号の書かれた小さな道標が設置され、登山者のモチベーションを上げてくれています。現在地が12番で順に11番と数字が減り、烏帽子小屋が0番です。左手に水場があります。

水場

水場
ブナ立尾根取り付き地点の水場。十分な水量です。この先、烏帽子岳まで水場はないので水筒を十分満たして出発します。

パイプで作られた階段

パイプで作られた階段
ブナ立尾根取り付きからいきなりの急登です。建設現場で使うパイプで作られた階段が高低差50mほど続きます。ブナ立尾根は、烏帽子岳から野口五郎岳の主稜線へ通じる尾根道で、北アルプス三大急登の一つに数えられています。

ブナ立尾根の名前

ブナ立尾根の名前
ブナ立尾根の名前にあるようにブナ林は、標高1600mを中心に広がっています。木漏れ日が緑に映えて美しい登山道をジグザグに登っていきます。

権太落し

権太落し
権太落し辺りまで登ると、右手方向に木々の間から大崩壊地が見えてきます。濁沢の源頭部南沢乗越から大きく崩壊し、大量の白砂を高瀬ダムへ流し込んでいます。ダムの池容量が小さくなり、発電量が少なくなるばかりか、水害の危険が増します。そのため東京電力では堆積土砂を大型掘削機で取り除き、ダンプカーで搬出しています。

コメツガの原生林

コメツガの原生林
ブナ林を抜けるとコメツガの原生林になります。コメツガが根を張った登山道は、濡れると滑るので、雨天時の下山にはスリップ転倒に要注意です。

三角点

三角点
標高2209メートルの三角点。小さなスペースですが平坦地で休憩の絶好ポイントです。主稜線に上がるまでの約4分の3を登ってきた事になります。

タヌキ岩

タヌキ岩
大岩の上にカラマツの大木が根を張っているのが不思議です。

不動岳

不動岳
高度が上がると烏帽子岳から北側に伸びる稜線に不動岳がくっきりと見えてきます。その右手に山頂が雲に隠れているのが針ノ木岳です。南沢岳と不動岳の間にできた大崩壊地は、濁沢となって高瀬ダムに落ち込んでいます。

フィックスロープが掛られたトラバース

フィックスロープが掛られたトラバース
梯子やフィックスロープが掛られた急斜面が数ヶ所にありますが、特に危険ではありません。

濁沢の源頭部

濁沢の源頭部
濁沢の源頭部に当たる大崩壊地のヘリの部分を登ります。正面のピークまで登れば、野口五郎岳から烏帽子岳連なる稜線です。

南沢岳と不動岳

南沢岳と不動岳
更に高度が上がった地点から南沢岳、不動岳を撮影。遠景に山頂が雲に隠れているのが針ノ木岳でその右手に丸い山頂の蓮華岳も見えます。

三ッ岳

三ッ岳
9月21日で紅葉が進んでいます。左手前方には三ッ岳が見えてきました。ここからは見えませんが、三ッ岳の先に野口五郎岳があります。

三ツ岳の東側斜面

三ツ岳の東側斜面
山腹は紅葉が進んでいます。

ダケカンバやナナカマドなどの林

ダケカンバやナナカマドなどの林
ダケカンバやナナカマドなどの林になると、赤や黄色の紅葉に染まります。

ダケカンバや広葉樹林帯が広がっている

ダケカンバや広葉樹林帯が広がっている
ダケカンバの大木の根本を回り込むようにして登ると標高2551mの主稜線に上がります。

標高2551メートルの主稜線

標高2551メートルの主稜線
標高2551メートルの主稜線に上がりました。前方に僅かに前烏帽子岳(ニセ烏帽子岳)の山頂部が見えています。その右手には南沢岳が連なっています。

三ツ岳の北西側斜面

三ツ岳の北西側斜面
主稜線から烏帽子小屋に向けて僅かに下った所から三ツ岳の北西側斜面を写す。ここから50mほど下に烏帽子小屋が建っています。

烏帽子小屋

烏帽子小屋
収容人員70名ほどの烏帽子小屋。背景に三ツ岳。北アルプスの山小屋は建て替えが進み、近代化していますが、烏帽子小屋は、古いままの姿をとどめています。

テント場

テント場
烏帽子小屋から3分ほど野口五郎岳方面に進んだ所にあるテント場。近くにひょうたん池、背景に三ツ岳があり、絶好のロケーションです。

烏帽子小屋からニセ烏帽子岳を写す

烏帽子小屋からニセ烏帽子岳を写す
ここから烏帽子岳山頂までは約35分のコースタイムです。小屋に戻る時間もほぼ同じと見ればOKです。

ハイマツなどの灌木帯の平坦地

ハイマツなどの灌木帯の平坦地
烏帽子小屋からハイマツなどの灌木帯の平坦地を進みます。

花崗岩が砕けた白砂はコマクサの群落地

花崗岩が砕けた白砂はコマクサの群落地
灌木帯を抜けると花崗岩が砕けた白砂が広がっています。周辺は可憐な花を咲かせるコマクサの群落地で、立ち入り禁止になっています。

ニセ烏帽子岳

ニセ烏帽子岳
ニセ烏帽子岳への登りです。緑色のハイマツと白い花崗岩、更には紅葉のナナカマドなどのコントラストが綺麗です。

三ツ岳の遠景に水晶岳

三ツ岳の遠景に水晶岳
ニセ烏帽子岳周辺の砂礫地から振り返って撮影。三ツ岳から右手に伸びる稜線の先に日本百名山の水晶岳が頭を覗かせています。

烏帽子岳

烏帽子岳
ニセ烏帽子岳の目の前には勇ましく天を突いて聳える岩峰の烏帽子岳。右手には南沢岳、不動岳、更にその奥にアルペンムードを放つ針ノ木岳などのパノラマが広がっています。

烏帽子小屋が小さく見える

烏帽子小屋が小さく見える
ニセ烏帽子岳山頂から振り返る。稜線の途中に青い屋根の烏帽子小屋が小さく見えています。稜線の遠景に常念小屋脈の主峰・常念岳が見えています。

赤牛岳

赤牛岳
ニセ烏帽子岳の山腹は紅葉に染まり、遠景に赤牛岳です。黒部ダムから水晶岳に至る読売新道が赤牛岳を通っています。又、写真の右手には薬師岳の一部も写っています。

ニセ烏帽子岳から鞍部に下る

ニセ烏帽子岳から鞍部に下る
ニセ烏帽子岳から鞍部に下り、烏帽子岳へ登り返します。この少し先で、山頂へ登る道が分岐します。

烏帽子岳分岐

烏帽子岳分岐
南沢岳、不動岳、船窪岳へ至る縦走路から山頂への道に入ります。480m、約10分で山頂に立つことができます。

岩峰の北側に回り込む

岩峰の北側に回り込む
岩峰の北側に回り込みます。

烏帽子岳山腹からニセ烏帽子岳方面

烏帽子岳山腹からニセ烏帽子岳方面
烏帽子岳山腹からニセ烏帽子岳の稜線を振り返って撮影。花崗岩の砂礫地ではコマクサが群落を作ります。

烏帽子岳北面の鎖場

烏帽子岳北面の鎖場
烏帽子岳北面の鎖場になった岩場。まず右手側の鎖場を登り、左上方へトラバースします。

烏帽子岳岩峰の鎖場取り付き

烏帽子岳岩峰の鎖場取り付き
3メートルほどの岩壁を鎖を頼りに登り、左手上方にトラバースます。

烏帽子岳岩峰の鎖場トラバース

烏帽子岳岩峰の鎖場トラバース
烏帽子岳岩峰のトラバース区間。幅10センチほどの狭い岩棚に足をかけながらトラバースします。岩峰基部まで5メートルほどの高さがあり、やや高度感を覚えます。

烏帽子岳岩塔

烏帽子岳岩塔
岩の割れ目をよじ登ることができます。狭い山頂からは立山や剱岳、薬師岳などの眺めが素晴らしいです。

四十八池

四十八池
烏帽子岳山頂から南沢岳、不動岳方面を撮影。眼下には二重山稜の中央に小さな池糖(四十八池)が点在しているのが見えます。初夏の頃ならお花畑が広がる場所です。

高瀬ダム

高瀬ダム
烏帽子岳から高瀬ダム方面を撮影。常念山脈最北部の唐沢岳、餓鬼岳などが聳えています。

登山コース要約

9月21日、山頂近くではダケカンバやナナカマドなどの紅葉が進んでいます。

ブナ立尾根は北アルプスの三大急登の一つに数えられています。確かに急登であるには違いありませんが、均等に高度を上げ効率よく登る事ができます。登山道はよく整備され登りやすいですが、コメツガの根が登山道を覆う所もあり、雨に濡れるとスリップしやすく、特に下山時の転倒に注意が必要です。

烏帽子岳から野口五郎岳へ南北に伸びる稜線に上がるまでに約3時間半のコースタイムを必要とします。稜線から50mほど下った場所に烏帽子小屋があり、ザックを置いて烏帽子岳をピストンします。往復で約1時間強のコースタイムです。9月下旬から山腹は紅葉で彩られ大変美しい光景を作り出します。

山頂直下の岩稜は鎖場になって、やや高度感があります。鎖場経験のない登山初心者には少し手ごわいかもしれません。

狭い山頂に立てば、北側の立山・剱岳、西側には三つのカールを抱いた薬師岳、南東方向には常念山脈北部の山々など大パノラマが広がります。

烏帽子岳の他の登山ルート

爺ヶ岳
赤岩尾根分岐から爺ヶ岳
冷乗越/赤岩尾根分岐から爺ヶ岳

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日本アルプス登山ルートガイド
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