- 1. 奥穂高岳登山ルート地図
- 2. 奥穂高岳登山ルートの難易度
- 3. 奥穂高岳登山ルートの体力
- 4. コースタイム
- 5. 山小屋
- 6. 登山口のアクセス
- 7. 奥穂高岳登山ルート
- 7.1. 沢渡駐車場
- 7.2. 沢渡中駐車場の足湯
- 7.3. 河童橋
- 7.4. 河童橋から焼岳
- 7.5. 上高地から奥穂高岳
- 7.6. 上高地を流れる梓川のイワナ
- 7.7. 明神館
- 7.8. 明神橋の先に明神岳
- 7.9. 山のひだや
- 7.10. 明神池入口
- 7.11. 明神池
- 7.12. 嘉門次小屋
- 7.13. 徳本峠分岐
- 7.14. ニホンザル
- 7.15. 徳沢キャンプ施設
- 7.16. 徳沢園
- 7.17. 徳沢から横尾へ
- 7.18. 新村橋
- 7.19. 横尾避難小屋と公衆トイレ
- 7.20. 横尾山荘
- 7.21. 横尾山荘のテント場
- 7.22. 横尾山荘分岐
- 7.23. 横尾大橋
- 7.24. 横尾谷を流れる梓川の支流
- 7.25. 北穂高岳
- 7.26. 本谷橋
- 7.27. 北穂高岳東稜
- 7.28. 涸沢カール
- 7.29. 奥穂高岳
- 7.30. Sガレの押し出し
- 7.31. 涸沢ヒュッテ・涸沢小屋分岐
- 7.32. 涸沢ヒュッテ
- 7.33. 秋の紅葉に染まる涸沢を案内
- 7.34. 本谷橋
- 7.35. 紅葉のトンネル
- 7.36. 横尾本谷の山腹
- 7.37. Sガレの押し出し
- 7.38. 北穂高岳東稜の紅葉
- 7.39. 涸沢近くの紅葉
- 7.40. 涸沢小屋方面の紅葉
- 7.41. 涸沢上部から横尾谷の紅葉
- 7.42. 屏風の頭
- 7.43. 登山者の列
- 7.44. テント場から涸沢ヒュッテ方面の紅葉
- 7.45. 前穂高岳の北尾根
- 7.46. 涸沢ヒュッテから北穂高岳
- 7.47. 涸沢ヒュッテから涸沢岳
- 7.48. 涸沢ヒュッテから北穂高岳
- 7.49. 涸沢から奥穂高岳へ
- 7.50. 涸沢パノラマコース
- 7.51. 涸沢ヒュッテと屏風の頭
- 7.52. ザイテングラート
- 7.53. 雪渓を横切る
- 7.54. 雪渓を振り返る
- 7.55. 涸沢槍
- 7.56. ザイテングラートに向かう登山道
- 7.57. ザイテングラードの取り付き
- 7.58. ザイテングラートに入る
- 7.59. 涸沢岳や涸沢槍
- 7.60. 岩がゴロゴロしたザイテングラートの取り付き
- 7.61. ザイテングラートの取り付きから上部を撮影
- 7.62. ザイテングラートの取り付きにある広いスペース
- 7.63. ザイテングラートの始まりはハイマツの中
- 7.64. ザイテングラートの下部から涸沢槍
- 7.65. ハイマツ帯の登りが続く
- 7.66. ザイテングラート中間地点
- 7.67. ザイテングラート中間地点から振り返る
- 7.68. 前穂高岳北尾根
- 7.69. 岩稜帯
- 7.70. 岩稜の取り付き
- 7.71. 鎖場
- 7.72. 鎖場を上から撮影
- 7.73. 短い梯子
- 7.74. 穂高岳山荘まで簡単な登り
- 7.75. 梯子を降りる登山者
- 7.76. 梯子の傾斜は緩い
- 7.77. 草付きの緩い斜面
- 7.78. ゴツゴツとした岩場
- 7.79. 白出のコルに建つ穂高岳山荘
- 7.80. 穂高岳山荘
- 7.81. 奥穂高岳の核心部
- 7.82. しっかりとした岩
- 7.83. 梯子までしっかりしたステップ
- 7.84. 穂高岳山荘を見下ろす
- 7.85. 穂高岳山荘の前庭から望遠で撮影
- 7.86. 上部の梯子から下を見下ろす
- 7.87. 短い区間の鎖場が核心部
- 7.88. 最も難易度が高い鎖場
- 7.89. 鎖場から下を見下ろす
- 7.90. 鎖場を登り切った所から梯子を撮影
- 7.91. 核心部終了し、岩礫帯の広い稜線
- 7.92. 岩礫帯から穂高岳山荘を見下ろす
- 7.93. 正面に涸沢岳、右に北穂高岳
- 7.94. 岩稜の頭は右から巻く
- 7.95. 奥穂高岳山頂まで100m
- 7.96. 奥穂高岳山頂
- 8. ザイティングラートは滑落事故が起こり易い
- 9. 涸沢カール壁を取り囲む崖錐
- 9.1. 崖錐(がいすい)とは
- 10. 穂高岳の他の登山ルート
奥穂高岳登山ルート地図
- 距離37.5km
- 登り1,830m
- 下り1,820 m
奥穂高岳登山ルートの難易度
難易度 5/10
ルート | 上高地バスターミナル(標高1,505m)⇒横尾(標高1,620m)⇒ 涸沢(標高約2,350m)⇒穂高岳山荘(標高3,000m)⇒奥穂高岳(標高3,190m) |
奥穂高岳登山ルートの体力
体力 4/10 (1泊)
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:4.2リットル、体重60kgの人:5.46リットル、体重75kgの人:6.72リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:7.812Kcal、体重60kgの人:10.416Kcal、体重75kgの人:13.888Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:1.12kg、体重60kgの人:1.488kg、体重75kgの人:1.984kg |
コースタイム
- 登山:上高地~奥穂高岳 9時間30分
- 下山:奥穂高岳~上高地 7時間10分
- 東京・大阪・京都⇔上高地 さわやか信州号
- 穂高岳の登山地図(昭文社)Amazonで見る
- 穂高岳の登山地図(昭文社)楽天で見る
山小屋
登山口のアクセス
奥穂高岳登山ルート
奥穂高岳へはザイテングラートを登ります。
沢渡駐車場
長野県松本市側から入った場合のバス停留所は沢渡地区内に5ヶ所、それぞれの駐車場の近くにあります。ここは沢渡中駐車場です。正面はトイレと足湯です。
沢渡中駐車場の足湯
沢渡中駐車場の足湯、その奥に駐車場があります。沢渡地区内駐車場は、2000台以上駐車可能で、すべて有料です。上高地へ入る釜トンネルから先は一般車は入れませんから、ここでバスに乗り換えます。
河童橋
上高地の河童橋。長野県側の沢渡駐車場または岐阜県側の平湯温泉(あかんだな第一・第二・第三駐車場)からシャトルバスで上高地へ、上高地バスセンター近くの梓川に架かる河童橋。背景は左から西穂高岳、奥穂高岳です。
河童橋から焼岳
河童橋を反対側から写す。奥は焼岳です。焼岳は現在でも噴火を続ける活火山です。河童橋周辺には宿泊施設やレストラン、土産物店などが集中しています。
上高地から奥穂高岳
梓川の先には左から西穂高岳の峻峰が連なり、奥穂高岳へ至っています。正面のカール状の地形は岳沢で、前穂高岳へ向かう重太郎新道があります。
上高地を流れる梓川のイワナ
岩魚が泳いでいます。上高地を流れる梓川は昔からイワナの宝庫であった。現在は禁漁になっています。
明神館
河童橋から梓川の左岸を1時間ほどさかのぼると明神館に到着します。ここにはテーブルとベンチが置かれ公衆トイレがあります。今回は、梓川に架かる明神橋を渡って明神池に立ち寄りたいと思います。
明神橋の先に明神岳
梓川にかかる明神橋の先に明神岳がそびえています。古くは明神池の背後にそそり立つ明神岳を穂高岳と認識していたようです。
山のひだや
明神橋を渡って直ぐのところに「山のひだや」あります。なかなか素敵なホテル(山小屋)です。ほぼ通年営業しています。詳しくは0263-95-2211へお問い合わせください。冬季小屋は完全予約制となります。
明神池入口
「山のひだや」をさらに進むと明神池があります。明神池は二つあり、大変透明度の高い池です。周囲は鬱蒼と茂った森に囲まれ、その入口に穂高神社奥宮があります。明神周辺は上高地が「神垣内」であることを感じさせる場所です。
明神池
300円払って明神池を見るのもいいでしょう。穂高神社奥宮では御船神事が毎年十月八日に開催され、上高地明神池にお船を浮かべて山の安全を神に感謝します。明神池の写真はこちら。
嘉門次小屋
明神池の手前にある嘉門次小屋。焼き岩魚が名物です。野外での昼食は風情があって、多くの観光客で賑わっています。猟師であった上條嘉門次が建てた小屋で、イギリスの宣教師ウエストンなどを案内した山岳ガイドでもありました。
徳本峠分岐
明神橋を再度渡って梓川の左岸を進みます。ここからは観光客の姿がめっきり減り、登山者が圧倒的に多くなります。徳本峠(霞沢岳方面)へ向かう道を右手に分け、明神館から徳沢まで概ねなだらかな道が約1時間続きます。
ニホンザル
野生のニホンザルが人を恐れることもなく優雅にねそっべています。ニリンソウが群生するところがこの近くにあります。平坦な道を進み、左手上方に前穂高岳北尾根の岩塊が見えると右手方向に徳沢ロッジが見えてきます。
徳沢キャンプ施設
草原が広がる徳沢。キャンプ施設、水場、公衆トイレなどがあり、奥の建物は徳沢園です。徳澤ロッジは右手側にあります。
徳沢園
徳沢園。昼食可能です。風呂もあり、食事が大変充実していますので山小屋というよりホテルです。井上靖の小説「氷壁の宿」の舞台になったところです。近くに水場や木陰があるので休憩に最適な所です。
徳沢から横尾へ
徳沢から横尾に向け出発です。しばらくは針葉樹と広葉樹が混在する原生林の中の平坦な林道歩きです。約1時間で横尾に到着します。
新村橋
徳沢から15分ほど歩くと新村橋があります。この橋を渡れば涸沢に向かうパノラマコースへ入れます。今回は、この橋を渡らずに梓川に沿って進んでいきます。
横尾避難小屋と公衆トイレ
横尾に到着しました。横尾避難小屋と左奥に公衆トイレ及び水場があります。そして、その左側に横尾山荘が建っています。
横尾山荘
登山者でにぎわう横尾山荘。右の建物から順にお風呂棟、売店、宿泊棟です。営業期間:4月下旬から11月上旬。2段ベッド室が180床あるので詰め込まれる心配はありません。宿泊者限定でお風呂に入ることが出来ます。
横尾山荘のテント場
横尾山荘のテント場。約100張設営可能です。
横尾山荘分岐
横尾山荘前のつり橋(横尾大橋)を渡って涸沢に向け出発します。この場所は槍ヶ岳へ向かう登山道と奥穂高・北穂高へ向かう登山道の分岐点です。また、蝶ヶ岳へ向かうルートもここで分岐しています。
横尾大橋
横尾山荘正面から梓川源流を鉄製の立派な橋(横尾大橋)を渡り、横尾谷の左岸を進むにつれ正面のロッククライミングで有名な屏風岩が大迫力で迫ってきます。横尾から涸沢まで標高差700m、約5キロの行程です。
横尾谷を流れる梓川の支流
横尾谷を流れる梓川の支流に沿って登ります。横尾岩小舎跡がこの近くにあります。新田次郎の小説などにも登場するこの小舎は崩落して、現存していません。
北穂高岳
北穂高岳の山頂部分が見えています。石畳状に整備された歩きやすい道を進むと休憩のスポットである本谷橋です。横尾谷はこの先で大きく左側にカーブし、涸沢と名前を変えます。
本谷橋
本谷橋は休憩の最適スポットです。木陰を探して一休みしたら出発です。この辺りの水は飲料に適さないので、不用意に飲まないことです。ここからはやや登りがきつくなり、約2時間登り一辺倒で、涸沢に到着します。
北穂高岳東稜
奥は北穂高岳東稜です。右手奥の横尾本谷の先に、南岳あたりが見えています。ダケカンバやナナカマドの樹木が次第に多くなると傾斜は落ち着いてきます。
涸沢カール
残雪のある涸沢カールが見えてきました。奥穂高岳のピークらしき頂きが見えて来ました。滑らかにカーブしている稜線は吊尾根です。
奥穂高岳
奥穂高岳。どこが山頂か判断が出来ません。
Sガレの押し出し
Sガレの押し出し。右端のとがったピークが涸沢槍、そこから左に涸沢岳、鞍部(白出のコル)に穂高岳山荘、さらにその左に奥穂高岳です。秋になるとこの辺りのナナカマドが真っ赤に紅葉してきます。
涸沢ヒュッテ・涸沢小屋分岐
涸沢ヒュッテ、涸沢小屋への分岐。ここはパノラマルートへの分岐点でもあります。
涸沢ヒュッテ
モレーン台地に建つ涸沢ヒュッテからみる穂高連峰。涸沢ヒュッテは屋外にテラスが設けられていて、軽食や生ビールが楽しめます。東京大学医学部診療所が7月下旬から8月下旬に開設されます。
秋の紅葉に染まる涸沢を案内
秋の紅葉に染まる涸沢を案内します。10月2日の様子です。横尾山荘から出発です。
本谷橋
本谷橋。紅葉の時期には多くの登山者が涸沢に向け登ります。すれ違いの出来ない吊橋を渡っても良いですが、木製の簡易橋が涸沢に作られているので、こちらの方が便利です。
紅葉のトンネル
紅葉のトンネルを進みます。次第にダケカンバが黄色く色づき、ナナカマドも赤みを帯びて来ました。
横尾本谷の山腹
振り返って撮影。横尾本谷の山腹が色づき始めています。
Sガレの押し出し
Sガレの押し出し。涸沢まであと少しです。
北穂高岳東稜の紅葉
北穂高岳東稜方面を撮影。ダケカンバが黄色く色づいています。
涸沢近くの紅葉
涸沢に近づくと次第にナナカマドの赤が鮮明になってきました。期待で胸が膨らみます。
涸沢小屋方面の紅葉
涸沢小屋方面を撮影。日本一美しい紅葉のメッカとも言える領域に入って来ました。赤く染まったナナカマドの間の石段を登ります。奥は北穂です。
涸沢上部から横尾谷の紅葉
涸沢上部から横尾谷を振り返る。南岳から南東方向に伸びる横尾尾根の遠景に常念山脈の主峰常念岳が見えています。
屏風の頭
振り返って屏風の頭を撮影。屏風の頭はパノラマコースから登ることが出来ます。穂高岳全容が手に取るように見えるところです。
登山者の列
登山者の列ができています。この時期涸沢ヒュッテ、涸沢小屋はともに大混雑となり1枚の布団に2人は常識となっています。混雑を避けたいのならテントを持参することをお薦めします。テントのレンタルもあります。
テント場から涸沢ヒュッテ方面の紅葉
テント場から涸沢ヒュッテ方面を撮影。この周辺は雪崩の危険もあるので涸沢ヒュッテは低く作られ、小屋を取り囲むように作られた石垣で見えません。奥は前穂の北尾根です。
前穂高岳の北尾根
前穂高岳のバリエーションルートの北尾根のスリリングなパノラマとそれを彩るナナカマドの紅葉。左端は涸沢ヒュッテの石組です。
涸沢ヒュッテから北穂高岳
涸沢ヒュッテから北穂高岳を撮影。正面の小屋が涸沢小屋です。夏の休暇シーズンや紅葉の時期には涸沢カールの底部には一大テント村が出現します。1000人を超えるほどの賑わいを見せます。
涸沢ヒュッテから涸沢岳
涸沢ヒュッテから涸沢岳方面を撮影。特にナナカマドの紅葉が美しく、10月上旬が見ごろになります。2万年前の氷河期に形成された涸沢カールです。モレーン部分には700あまりのテントが張れる幕営場が広がっています。
涸沢ヒュッテから北穂高岳
登山者でにぎわう涸沢ヒュッテ。正面は北穂高岳で北穂高沢を隔てて右手側が東稜、左手側が一般道が付いている南陵です。
涸沢から奥穂高岳へ
涸沢から奥穂高岳へは涸沢小屋の左脇を通るルートと涸沢カールを横切る涸沢パノラマコースがあり,直ぐに上部で合流します。夏は高山植物が色とりどりの花を咲かせ、秋は見事な広葉に包まれる場所です。
涸沢パノラマコース
涸沢ヒュッテから涸沢カール上部の灌木帯を左から回り込むように造られた涸沢パノラマコースを進みます。涸沢小屋を経由し、ハイマツ帯の中を登るルートもあります。どちらのルートを辿っても、上部で合流します。
涸沢ヒュッテと屏風の頭
涸沢ヒュッテを振り返る。奥には「屏風の頭」が見えています。モレーン台地に建つ涸沢ヒュッテは雪崩の被害を免れるように建っています。
ザイテングラート
奥穂高岳と涸沢岳の鞍部に向けて牛の背筋の様なザイテングラートが伸びています。ザイテングラートとはドイツ語で支稜(しりょう)を意味するところからきています。
雪渓を横切る
灌木帯を回り込むように北穂高岳方面に向けて雪渓を横切ります。傾斜は緩いので滑落の危険はありません。
雪渓を振り返る
雪渓を振り返る。7月末までこの一帯を埋め尽くすように残雪があります。ガスが出ていると、このルートが分りにくいので細心の注意を払って進む必要があります。
涸沢槍
ぐるりと左から回り込むと今度は、左斜め上方に向かう登山道がうっすらと確認できます。正面のとがったピークは涸沢槍です。
ザイテングラートに向かう登山道
崖錐(がいすい)の中をザイテングラートに向け登山道が右手側から左上方に一直線に伸びているのが見えます。ザイテングラートを登り、正面上部の鞍部(穂高岳山荘が建つ白出のコル)へ向かいます。
ザイテングラードの取り付き
正面岩稜の左下部がザイテングラードの取り付きです。奥穂高岳のザイテングラートは固有名詞になってしまいましたが、元々は主岩稜に対して側岩稜を意味する言葉でした。
ザイテングラートに入る
右手上方に伸びるザイテングラートを登ります。支稜と呼ぶにぴったりな稜線です。
涸沢岳や涸沢槍
崖錐斜面の右手上方を見上げると、涸沢岳や涸沢槍が美しい。奥穂高岳から北穂高岳までのルートも参照してください。斜面の角度は35度です。これを「安息角」と言い凍結破壊作用で砕けた落石が崩れ落ちずにいられる最大角度です
岩がゴロゴロしたザイテングラートの取り付き
ザイテングラートの取り付き。大小様々な岩が累々と積み重なるような岩場に入って行きます。一旦、平坦地があるのでそこで一休みして出発します。
ザイテングラートの取り付きから上部を撮影
ザイテングラートの取り付きから上を撮影。上部の V 字状の所が穂高岳山荘が建つ「白出のコル」です。ここからハイマツ帯の中の岩登りです。
ザイテングラートの取り付きにある広いスペース
ザイテングラートの取り付きにある広いスペースを振り返って撮影。ここでザック下ろして休む登山者達。小さく涸沢ヒュッテが見えます。
ザイテングラートの始まりはハイマツの中
ザイテングラートの始まりはハイマツの間の岩登りです。けして急斜面ではありません。穂高岳山荘の建つ白出ノコルまで約1キロを約1時間20分ほどかけて登って行きます。
ザイテングラートの下部から涸沢槍
ザイテングラートの下部から涸沢槍を右手に望む。稜線の一番低く見えるところが最低コルあたりでしょうか。
ハイマツ帯の登りが続く
ハイマツ帯の登りが続きます。浮石も少なく歩きやすい登山道です。
ザイテングラート中間地点
涸沢岳が美しい。この辺りは簡単な岩場の登りです。この辺りまで登ってくると風雪に耐えてハイマツの背もだんだん低くなってきます。
ザイテングラート中間地点から振り返る
ザイテングラート中間地点から振り返る。雪渓を横切っている登山者の列がまるでアリの行進の様に見えます。
前穂高岳北尾根
ザイテングラート中間地点から左手方向に前穂高岳北尾根を望む。前穂高岳北尾根はバリエーションルートとして有名で、ザイルなどの登攀用具を必要とするルートです。
岩稜帯
正面のゴツゴツとした岩稜がザイテングラートの中で唯一の梯子と鎖が設置されている場所です。ゆっくりと進んでいけば危険はありません。
岩稜の取り付き
岩稜の取り付き。この岩場を右側から巻きます。スタンスは豊富で傾斜も緩いので、登山初心者でも通過可能です。
鎖場
鎖場です。右から巻く様になっています。高度感は無く難しい鎖場ではありません。
鎖場を上から撮影
鎖場を上から撮影。傾斜はさほど強く無く、十分なステップがあり危険はありません。
短い梯子
短い梯子が掛けられています。高度感は無く簡単に通過できます。
穂高岳山荘まで簡単な登り
鎖場と梯子を越えれば穂高岳山荘まで簡単な登りが続きます。
梯子を降りる登山者
梯子を降りる登山者。遠くに登山者の列が見えます。
梯子の傾斜は緩い
梯子その2。写真で見るより傾斜は緩く、難易度の低いルートです。
草付きの緩い斜面
草付きの緩い斜面を登ると穂高岳山荘が建つ白出ノコルに飛び出します。
ゴツゴツとした岩場
山頂まで20分の標識を過ぎ、ゴツゴツとした岩場を登れば、あと一息で穂高岳山荘です。
白出のコルに建つ穂高岳山荘
穂高岳山荘の石垣と屋根の部分が見えてきました。
穂高岳山荘
白出のコルに建つ穂高岳山荘。山荘前の庭は石が敷き詰められた居心地の良い空間になっています。岐阜大学医学部奥穂高夏山診療所が7月下旬から8月下旬にかけて開設されます。同施設が冬季避難小屋として使われます。
奥穂高岳の核心部
取り付きから約50mの急傾斜の斜面が奥穂高岳の核心部です。ここには2連で梯子が架かり、2か所に鎖が設置されています。稜線に出れば後は簡単な登りです。
しっかりとした岩
この岩場を登ります。岩は丈夫で崩れること無く梯子まではしっかりしたステップ・スタンスがあり問題ありません。
梯子までしっかりしたステップ
この岩場を登ります。梯子まではしっかりしたステップがあり問題ありません。
穂高岳山荘を見下ろす
穂高岳山荘を見下ろす。多くの登山者が穂高岳山荘に荷物を置いて空身で登ります。
穂高岳山荘の前庭から望遠で撮影
穂高岳山荘の前庭から望遠で撮影。梯子までの登山者の列が出来ています。多くの登山者は穂高岳山荘にザックを置いて空身で登っています。
上部の梯子から下を見下ろす
上部の梯子から下を見下ろすとこんな感じです。やや高度感を感じます。
短い区間の鎖場が核心部
鎖場です。ここを大きく右から巻き、鎖付きの岩場を斜上します。ここから短い区間が核心部です。
最も難易度が高い鎖場
鎖場を登ると広々とした稜線に出ます。ここの鎖場が最も難易度が高い所でしょう。
鎖場から下を見下ろす
鎖場から下を見下ろすと傾斜がきついのがよく分ります。一番この辺りが高度感があり緊張する所です。
鎖場を登り切った所から梯子を撮影
鎖場を登り切った所から梯子を撮影。
核心部終了し、岩礫帯の広い稜線
岩礫帯の広い稜線に出ました。ここで核心部終了です。ここから奥穂高岳山頂までは傾斜の緩い登りになります。
岩礫帯から穂高岳山荘を見下ろす
穂高岳山荘を見下ろす。この辺りまで登ると鋭く尖った槍ヶ岳の先端がほぼ目の高さに見えています。
正面に涸沢岳、右に北穂高岳
更に登った所から振り返って撮影。正面に涸沢岳、右に北穂高岳です。涸沢岳の左側の斜面に登山道が付いているのが見えます。
岩稜の頭は右から巻く
正面の岩稜の頭は右から巻きます。左上には奥穂高岳山頂に祭られている小祠がかすかに見えています。
奥穂高岳山頂まで100m
登山者の居る所から左方向に100メートルほど進めば奥穂高岳山頂です。山頂に立てば文字通り360°大パノラマが展開します。北側には、槍ヶ岳、更にその奥に立山や剱岳なども峰々、南には上高地を挟んで焼岳と霞沢岳、更にそのに乗鞍岳や御嶽山も望めます。
奥穂高岳山頂
標高3190m日本第3位の高さを誇る奥穂高岳山頂です。山頂の岩の上に小祠が穂高神社の嶺宮として鎮座しています。また、その奥には方位盤が設置されています。前穂高岳から吊尾根経由で奥穂高岳へ至るルートもご覧ください。
ザイティングラートは滑落事故が起こり易い
涸沢から穂高岳山荘へ至る登山道は、ザイティングラートと呼ばれる尾根を登ります。決して難しい岩場ではありませんが、何故か滑落事故が多く発生しています。
「なぜこの場所で」と思われるところがほとんどですす。特に下山時、浮石に乗り足を踏み外して滑落、落石を避けようとして滑落など原因は様々ですが、中高年に多く発生しています。特にハイシーズンには多くの登山者が登るため、落石も多く発生します。穂高岳全般に言える事ですが、落石による事故を防ぐためにもヘルメットの着用は必須です。
涸沢カール壁を取り囲む崖錐
崖錐(がいすい)とは
岩の隙間に水が入り込み、凍結すると岩石が膨張します。これを繰り返すことで岩が割れ落石となります。落石が積み重なりスカートのように岩屑(がんせつ)の斜面を作り出します。これを崖錐と呼んでいます。 涸沢カールを取り巻くようにいくつもの崖錐が連なっています。
崖錐の斜面は35度になっています。これを「安息角」といい、凍結破壊作用で砕けた落石が崩れ落ちないでいられる最大角度です。
崖錐の上部・中部に高山植物が見られます。これは、植物が根を生やすための土が存在しているからです。一方、下部においては大きな転石に覆われ土を欠くため高山植物の生育条件としてはあまり好ましくありません。