乗鞍岳とは

乗鞍岳は最高峰の剣ヶ峰(標高3026m)のほか、大日岳(標高3014m )、朝日岳(標高2975m )、摩利支天岳(標高2872m)、富士見岳(標高2817m )、大黒岳(標高2777m )、 大丹生岳(標高2698m )など23の峰を持つ成層火山です。火山としては富士山御嶽山についで日本第3位高さを誇り、日本百名山の一つでもあり、岐阜県と長野県に跨って聳えています。

有史以来、火山の記録はありませんが、権現池、亀ヶ池などの火口湖や五ノ池、大丹生池、土樋池 、不消ヶ池などの溶岩流による堰止湖に火山の名残をとどめています。

山頂周辺には前述の池ばかりか、神が宿るとされる大岩の磐座(いわくら)があり、広範囲に裾野を広げる山腹の谷には水の恵みをもたらす梓川が流れています。

バスターミナルの畳平から乗鞍岳山頂までは極めて短いコースで初心者向けコースです。

一方、平湯登山から登るルートは標高差が大きく、ロングコースになるため健脚者向けです。

乗鞍山麓に広がる五色ヶ原をガイドと共に歩くシラビソコースのフィナーレは布引滝です。 レースのカーテンを広げたようなその姿は一見の価値ありです。

目次

乗鞍岳の地図

乗鞍岳の山小屋

北アルプス山小屋
肩ノ小屋
肩ノ小屋

乗鞍岳のアクセス

北アルプス登山口-アクセスと駐車場
乗鞍岳・畳平のアクセスと駐車場
乗鞍岳・畳平のアクセスと駐車場

乗鞍岳の位置

前穂高岳の紀美子平より乗鞍岳を望む
前穂高岳の紀美子平より乗鞍岳を望む

乗鞍岳は北アルプスの最南端に位置し、日本百名山の一つでもあり、剣ヶ峰(標高3026m)を主峰とし、23の峰を連ねる山々の総称です。

前穂高岳から見ると上高地の東西に焼岳、霞沢岳があり、その南側に乗鞍岳は位置しています。

さらに、御嶽山は北アルプス最南端に位置していますが、北アルプスに含まれるかは明確な結論は出ていません。

山の名前の由来

尖った山が朝日岳、左手奥が剣ヶ峰(乗鞍高原より)
尖った山が朝日岳、左手奥が剣ヶ峰(乗鞍高原より)

古くは「愛宝山(あぼうやま)」、「位山(くらいやま)」と呼ばれていたと言います。信濃国の国絵図によると「乗鞍岳」と呼ばれるようになったのは江戸時代前期の正保2年(西暦1645年)頃からとされています。

松本市・塩尻市周辺の松本平から見たときの山容が馬の鞍に似ている所からこの名が付いたとされています。

乗鞍岳の登山コース概要

畳平から乗鞍岳(剣ヶ峰)ルート

畳平バスターミナルとお花畑に遊歩道
畳平バスターミナルとお花畑に遊歩道

乗鞍スカイライン(岐阜県)及び乗鞍エコーライン(長野県)が開通してからは、標高2,700mの畳平まで一気に行くことが出来、畳平から乗鞍山頂までは 片道80分とハイキングといった行程ですので登山初心者にはうってつけです。

畳平にはレストランや売店が併設された乗鞍山頂銀嶺荘や乗鞍白雲荘の二つの宿泊施設が5月中旬から10月下旬にかけて営業しています。

畳平から剣ヶ峰までだけだと少々物足りないので、大黒岳や富士見岳などを周回すると良いと思います。また、畳平には30分で周回出来る木道が設けられ、雪解けと共に高山植物の花々で彩られます。

前夜泊すれば、さらにゆとりのある行程が組めると思います。また、乗鞍山頂郵便局も開設され、観光客の便宜を図っています。

乗鞍岳登山の起点となる畳平は、通年マイカー規制が行われるため、長野県の乗鞍高原と岐阜県の平湯・ほうのき平からそれぞれシャトルバスが運行されています。

畳平を出発し、車道を約45分歩くと肩の小屋です。肩の小屋から剣ヶ峰(乗鞍山頂)までは50分足らずと短い為、物足りなさを感じるかもしれません。

そこで少しでも単調さを解消するために、ここでは別のルートを紹介します。 乗鞍高原から入る場合、肩の小屋口でシャトルバスを降り、肩の小屋を目指します。肩の小屋口バス停にはトイレが完備していますから女性も安心です。

肩の小屋までわずか30分の行程ですが、各種イベントがあります。 左手方向には大雪渓が広がり、八月下旬でも多くのスキーヤーが夏山スキーを楽しんでいます。 また、大雪渓周辺にはチングルマ、イワカガミ、イワウメ、ガンコウラン等の高山植物のお花畑が発達しています。

肩の小屋からは歩きにくいザレた緩斜面を登ります。 途中、右手に朝日岳を見ながら、蚕玉岳(こだまだけ)のピークを通過して、乗鞍岳山頂に到着します。山頂まで難所は無く、登山初心者向けのハイキング的コースと言えます。
頂上直下には頂上小屋(宿泊不可・飲料・食事等の販売なし)があり、お土産が販売されています。 乗鞍岳山頂には乗鞍本宮奥宮があり、神主がいました。

下山は途中、富士見岳を経由して畳平に下ります。 富士見岳の山頂は展望抜群で、特に畳平周辺に鎮座する恵比須岳、不動岳、及び消不ヶ池(きえずがいけ)、鶴ヶ池などの堰止湖が視界に収まります。

畳平は観光地化され、小さな子供や年配の人でも手軽に楽しめる上、乗鞍バスターミナルから階段を下りると、一周約20分の木道がめぐらされた「お花畑周回コース」があります。7月上旬から8月上旬にかけてハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、コマクサなど数十種類以上の高山植物が大群落を作ります。 入口に「雷鳥の碑」が金属板に刻まれています。運がよければ雷鳥に出会えるかもしれません。

また、畳平の背後にあり簡単に山頂に立てるのが魔王岳です。時間にゆとりがある場合には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。また隣の恵比寿岳は危険なので立ち入り禁止になっています。

乗鞍高原から登山を開始する場合には、位ヶ原山荘までは樹林帯の中の単調な登りです。位ヶ原山荘からは高山植物が豊富で、変化に富んでいます。

コースタイム

  • 一周:肩の小屋口バス亭→乗鞍岳→富士見岳→畳平 2時間40分

畳平から乗鞍岳(剣ヶ峰)ルートの難易度

難易度 1/10

体力  1/10

平湯乗鞍登山道で乗鞍岳ルート

乗鞍権現社から望む乗鞍岳。左手前が硫黄岳、右奥が四ツ岳、乗鞍岳は左奥に薄く見えます。
乗鞍権現社から望む乗鞍岳。左手前が硫黄岳、右奥が四ツ岳、乗鞍岳は左奥に薄く見えます。

奥飛騨温泉郷の平湯温泉は安房トンネルの開通により関東からのアクセスが大変良くなりました。平湯温泉からの登山口は、平湯IC口から200mほどの所にある「あんき屋」裏の平湯温泉スキー場です。

「あんき屋」には登山届の箱が設置され、広い駐車場が有りますが、登山者用駐車場になっていない為、平湯IC口の横にあるトイレ完備の無料駐車場に停めるとよいでしょう。

平湯登山口からは、平湯大滝~姫ヶ原間の状態が悪く廃道になったため、2005年に平湯尾根から金山尾根へ至る稜線に平湯乗鞍登山道として新設されました。

累積標高差が2,200mを超えるロングコースですが、下山にシャトルバスをつかえば畳平から平湯へ戻ることができるので、十分日帰りも可能です。

かつて登山道は名瀑百選にも選ばれている落差45メートルの平湯大滝から始まり猿飛八丁、大谷川原、姫ガ原と谷筋を登るルートでした。しかし現在は、平湯大滝から先の状態が悪く通行禁止なっています。明治時代にはこの上流部に1,000人以上が働く平湯鉱山があり、大変賑わっていたようです。ちなみに近代登山を主導したイギリス人のウォルター・ウェストンは鉱山道を通って剣ヶ峰に登ったと記しています。平湯大滝は、近くまで車道があり、観光客でも行けるようになっています。

現在の登山道は平湯温泉スキー場内を登り平湯尾根を辿るように付け替えられています。平湯温泉スキー場内で羊が放牧されている為、柵が作られています。進入禁止の様になっていますが、柵の一か所に扉があり、スキー場内に入る事が出来ます。登山道は明瞭に付いていませんが、第一ペアリフトに沿って登っていけばOKです。

スキー場内を登り1時間ほどすると広い平地に出ます。国道158号(安房峠道路)の安房平からここまで林道が来ています。一般車の乗り入れが可能ですが、国道158号から林道に入る場所が分かりづらく、昭文社の登山地図にもこの林道は書かれていません。

前述した様に平湯を登山口とした場合、平湯大滝~姫ヶ原間の状態が悪く廃道になったため、2005年に平湯尾根から金山尾根へ至る稜線に平湯乗鞍登山道として新設されました。標高差が1,700mのロングコースですが、バスで畳平から平湯へ下山することができるので、十分日帰りも可能です。

登山口から平湯温泉スキー場のゲレンデを歩くこと1時間30分で、平湯温泉スキー場の最上部に着きます。この上から平湯尾根を登っていきます。平湯尾根は比較的緩やかな登りで、白猿ヶ池の小さな池がほぼ中間地点です。平湯尾根が終わりに近づくと左側の展望が開ける場所があり、焼岳・穂高岳・十石山を仰ぐことができます。

金山尾根に入る所で左側に大きくカーブを切り、急登が始まります。5分ほどした所に水場を示す道標が立っています。登山道から50mほど入った所にある水場には水は出ていませんでした。夏場には涸れるようです。

金山尾根の急坂が終わり、右手にカーブする所から低木の生える草地を進みます。この辺りから乗鞍岳全域の展望が、左上には金山岩が見えてきます。 しばらく水平に進むと乗鞍権現社の小祠が祭られた草地の広場に着きます。ここから金山岩を経由して十石山へ至るルートは、ガレがひどく通行が危険なため昭文社の地図には載っていません。乗鞍権現社の広場から乗鞍岳一帯の山々を一望でき、広大な山域が作り出すフォルムは絶景です。

乗鞍権現社から硫黄岳に向けゆっくり下ります。ここからは展望の開けた稜線を進むためこのルートの最も楽しい所です。 鞍部まで下り登り返すと乗鞍権現社から1時間ほどで硫黄岳です。硫黄岳山頂への登山道は無く、その西面に登山道は付けられています。

硫黄岳からゆっくりと下り、小高い丘の丸山の東面を通過し、つづら折れのザレた急坂を登り上げると乗鞍スカイラインに飛び出します。

乗鞍スカイラインを40分ほど歩くとバスターミナルのある畳平に到着です。バスターミナルの建物の1階には乗鞍自然展示館があり、乗鞍の動植物などの自然、火山活動の歴史を地質学的な視点から写真やパネル、模型などを使って解説しています。また、太陽コロナ観測所、宇宙線観測所についての記述もあります。

コースタイム

  • 登山:平湯→畳平 5時間50分 畳平→乗鞍岳 1時間20分 合計:7時間10分
  • 下山:乗鞍岳→畳平 1時間10分 畳平→平湯 5時間10分 合計:6時間20分

平湯乗鞍登山道で乗鞍岳ルートの難易度

難易度  1/10

体力  6/10

五色ヶ原シラビソコース

乗鞍山麓五色ヶ原シラビソコースの布引滝
乗鞍山麓五色ヶ原シラビソコースの布引滝

五色ヶ原は、5人の地権者と国が所有する乗鞍岳の西側の山麓に広がる約3,000ヘクタールの広大な森林地帯です。東京都よりも広く、日本で最も広い市である岐阜県高山市の丹生川町にあります。

五色ヶ原のツアーにはシラビソコース、カモシカコースなどがあり、共に9000円です。各コースとも一日100名を入山の上限として自然環境の保護に努めています。ツアー期間は:5月20日~10月31日です。

入山には10日前までの事前予約が必要で、6名に達しない場合には追加料金が発生します。又、雨天でも決行されるため、3日前までなら違約金無しでキャンセルする事が出来ます。晴天の日に行きたい場合には裏技として、数日前に飛び込みで申し込んでみてください。

ツワーガイドの手配が終わり、定員まであと少しという時にツアーに参加することが出来る場合があります。

シラビソコースは、全長7.3kmで食事や休憩を含め約8時間のコースタイムです。最大標高差は280mあり、多少のアップダウンはあるものの、ハイキングコースと言ってよいでしょう。軽登山の服装や装備で大丈夫です。水場も随所にあるため、入山時に500mlほど持てば足ります。途中、止まってのツアーガイドの説明が随所にありますから、ゆっくりとしたペースで進んで行きます。

見どころは何と言っても、ツアー最後に現れる布引滝です。伏流水が断崖で一気に噴き出し、扇状に幾筋もの糸を垂らした様に流れる様は、美しいの一言です。

乗鞍岳の形成は、堆積岩の一種である基盤岩が南北方向に2400mの高さで連なっていた所に火山活動により、安山岩質の溶岩流が稜線の東西に流れ出て形成されました。

乗鞍岳の西側に広がる五色ヶ原は、烏帽子岳から北西方向に流れ出た溶岩流の烏帽子火山体、恵比寿岳から北西方向に流れた溶岩流の烏帽子火山体、権現池から北西方向に流れ出た溶岩流の権現池火山体の三つが、古い時代から順に折り重なるようにして形成されたものです。
そのため、シラビソコースでは、基盤岩の上に堆積した噴出物の高さは約600m~700m に及ぶとされています。大きな岩塊の間には空洞が生まれ、膨大な水を溜め込む自然の貯水池の様な役割を果たしています。

乗鞍岳に降った雪や雨の一部分が地下に浸透し、それが伏流水となって各所に湧出しています。その温度は10度~11度と冷たく、1年を通して一定しているため、亜高山帯(標高1700m~2500m)で生息するはずのシラビソやオオシラビソなどが標高1400mから1640mに位置するシラビソコースでも見られるという特徴があります。

コース上には「雄池」「雌池」「濁池」「澄池」などの池が見られます。これは、乗鞍火山が作り出した「溶岩堤防」と呼ばれる浅い尾根状地形の形成に伴って生じた窪地に出来たものです。水位が目まぐるしく変化するのが特徴です。

コースタイム

  • 一周約8時間 (昼食時間やガイドの説明が随所にあります)

五色ヶ原シラビソコースの難易度

難易度 1/10

体力  1/10

乗鞍高原ハイキング乗鞍三名滝巡り

三本滝の「黒い沢の滝」
三本滝の「黒い沢の滝」

乗鞍高原の乗鞍三滝(番所大滝、三本滝、善五郎の滝)を合わせて散策すると面白いです。コースタイムは三本滝の往復は35分、善五郎の滝の往復は20分、番所大滝の往復は15分ほどです。

紅葉の季節には山全体が赤や黄色に彩られ、特に一の瀬園地のまいめの池では白樺の白と赤く紅葉した葉が湖面に映り、美しいコントラストを描き出します。

乗鞍高原は、乗鞍岳の噴火により東麓に流出した溶岩(主に番所溶岩)によって形成された標高1500mを中心とし山麓高原で、全域が長野県松本市安曇に属しています。

乗鞍岳の山腹から湧出する白い硫黄の源泉かけ流しの温泉が魅力です。各季節とも楽しめ、冬はMt.乗鞍スノーリゾートでのスキーやスノーボード、スノーシューでの山麓の散策、秋の紅葉、春から夏にかけては乗鞍岳登山基地として様々な顔を見せる乗鞍高原です。

コースタイム

  • 三本滝レストハウス→三本滝 15分
  • 三本滝→三本滝レストハウス 20分

乗鞍高原ハイキング乗鞍三名滝巡りの難易度

難易度 1/10

体力  1/10

乗鞍高原 一ノ瀬園地ハイキング

牛留池に写る乗鞍岳
牛留池に写る乗鞍岳

乗鞍高原の中央に位置する自然公園です。ネイチャープラザ一の瀬の近くにある一の瀬イベント広場ではバーベキューが出来ます。

レストランの座望庵から一の瀬キャンプ場に行き、その先にある水芭蕉(花期5~7月)の大群生地を巡るのも面白いと思います。スモモ、ミツガシワ、コナシ(ズミ)などが4月から5月にかけて咲き、6月上旬~中旬にかけてドジョウ池ツツジ園でレンゲツツジがオレンジ色の花を咲かせます。

さらに一の瀬牧場を一周してネイチャープラザ一の瀬に戻るルートは景色が大変よくおすすめです。
しかし、牧場内にルートがありますが、不明瞭ですのでガスが出ている時は道を見失う危険があります。

コースタイム

  • 【一の瀬園地定番コース 所要時間約2時間30分】
    ネイチャープラザ一の瀬⇒あざみ池⇒ねじねじの木⇒牛留池⇒白樺の小径⇒ネイチャープラザ一の瀬
  • 【三つの池をめぐる園地一周コース 所要時間25分】
    ネイチャープラザ一の瀬⇒偲ぶの池⇒まいめの池⇒どじょう池⇒ネイチャープラザ一の瀬

乗鞍高原 一ノ瀬園地ハイキングの難易度

難易度 1/10

体力  1/10

乗鞍岳のマイカー規制

シャトルバス

岐阜県側の乗鞍スカイライン(平湯峠⇔畳平)と長野県側の乗鞍エコーライン(三本滝⇔畳平)は共に通年マイカー規制が実施されています。 

岐阜県側から入る場合には、あかんだな駐車場⇔平湯温泉⇔ほおのき平⇔乗鞍(畳平)間をシャトルバスが走ります。往復2,500円

乗鞍スカイラインシャトルバス

長野県側から入る場合には、乗鞍高原観光センター⇔乗鞍(畳平)間をシャトルバスが走ります。 往復3,300円

乗鞍エコーラインシャトルバス

共に夏季シーズンには朝暗い内から出発する御来光バスが運行されています。

岐阜側の駐車場

あかんだな第一・第二・第三駐車場

600円(1日) 全860台 
※平湯バスターミナルまで無料送迎バス(所要5分)・(徒歩10分)

平湯バスターミナル

90分まで無料(夕方以降は無料開放)

ほうのき平無料駐車場

1,500台 無料

長野県側の駐車場

乗鞍高原観光センター無料駐車場

約250台 一杯になることはほぼありません。万が一、一杯の場合には、上流の三本滝駐車場に止めてください。

乗鞍岳の日帰り登山は出来る?

乗鞍岳のピークハントなら僅か2時間30分のコースタイムです。 日本百名山の中でも三本の指に入るほどの簡単に登れる山ということができます。

乗鞍岳の魅力

乗鞍岳の紅葉

乗鞍岳の紅葉は、乗鞍スカイラインの途中にある位ヶ原山荘から大雪渓・肩の小屋口までの徒歩1時間くらいの区間が綺麗です。例年、9月下旬から10月上旬にかけて紅葉します。写真は9月30日です。

乗鞍岳の高山植物

バス亭の肩の小屋口から肩の小屋までは20分ほどの区間が高山植物が大変豊富なお花畑があります。また、畳平の1周30分ほどの遊歩道に沿ってお花畑が広がります。

乗鞍岳の登山口近くの温泉

乗鞍岳の近くには、良質な泉質が湧き出る温泉が多数あります。

代表的な温泉が乗鞍高原温泉、白骨温泉、新穂高温泉、福地温泉、平湯温泉などです。

緑山荘

緑山荘 乗鞍高原温泉

湯川上流で自然湧出した源泉を引き湯して使っています。乳白色のお湯で満たされた露天風呂は二つのタイプがあります。

食事は寝室とは別の一室で提供されプライベート空間が演出されています。

料理の内容はかなり手の込んだものが多く提供され美味しいです。
コストパフォーマンスがかなり高いという印象です。

湯元 長座

湯元 長座 福地温泉

奥飛騨温泉郷福地温泉内にある純和風の高級旅館です。
温泉は内風呂、露天風呂共に全て源泉掛け流しです。無色透明の温泉は肌に柔らかい感覚を受けます。
食事は手の込んだ美味しい食事で飛騨牛も出てきます。

深山荘

新穂高温泉 深山荘

深山荘は新穂高温泉の登山者用無料駐車場の近くにあります。 ハイシーズンには登山者用無料駐車場が一杯になることが多いので、深山荘に宿泊すれば、下山まで深山荘の駐車場を使えるので安心です。

高原川沿いに階段状になった複数の広い露天風呂は開放的です。

深山荘から新穂高ロープウェイまでは1.1 km、 徒歩13分です。

槍見の湯 槍見館

新穂高温泉 槍見の湯 槍見館

槍ケ岳を眺む絶景7種の露天風呂が高原川沿いにある秘湯の一軒宿です。
湯量豊富で源泉かけ流しです。

笠ヶ岳のクリヤ谷登山口は旅館のすぐ脇から始まります。

槍見館から新穂高ロープウェイまでは2.9 km 、徒歩 33分です。

上高地温泉ホテル

上高地温泉ホテル

梓川に沿って建つ上高地温泉ホテルは、登山基地として使用しても大変便利です。

文政年間(1830年代)に開湯され、三つの自家源泉を持つ源泉かけ流しの温泉です。

温泉の効能により、湯上り後長時間に渡って体がポカポカし、心地よい眠気に誘われます。

白骨温泉

白骨温泉泡の湯

白骨温泉の中でも最も有名な温泉旅館です。

真っ白い硫黄の温泉が木樋から流れ落ちる大きな露天風呂が魅力的です 。

露天風呂は混浴ですが、男女別になっている露天風呂の入り口で、首まで浸かってから露天風呂に侵入すれば、お湯が白いため裸のままでも他人から見えません。

中の湯温泉旅館

中の湯温泉旅館

松本駅の無料送迎が利用できます。(予約制)

夏季
(4月下旬~11月中旬)上高地へのマイカー規制をしています。
4月下旬~11月中旬には、要望に応じて毎朝1便上高地までの送迎あり。(要予約)

冬季
上高地に行かれる方は釜トンネルゲートまで随時送迎があります。
また旅館周辺でもスノーシューで散策できます。
スノーシューの無料レンタルあり、(通常スノーシューレンタル一日分1500円)

各種情報

乗鞍岳登山ツアー

  • 乗鞍岳|登山・トレッキングツアー

役場など

温泉宿の問い合わせ

登山届提出

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

乗鞍岳山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-10.2-13.8-17.7
2月-9.3-13.7-18.4
3月-4.3-10.1-14.7
4月3.9-3.7-9.6
5月9.11.8-4.5
6月12.25.70.6
7月15.58.34.8
8月17.410.65.7
9月12.36.51.9
10月5.9-0.4-5.1
11月-0.5-6.1-10.6
12月-6.9-11.4-14.7

乗鞍岳へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月×
2月×
3月×
4月×
5月×
6月××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!登山コースは短いとはいえ濃霧時には道間違えの危険性があります。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 シャトルバスを降りた畳平はすでに森林限界を超えています。
日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 森林限界を越えて日光を遮るものが何もないので紫外線防止に必帯です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。畳平から山頂までのピストンなら1 L の水があれば十分でしょう。ただし、畳平には無料の水場がありません。有料で販売されています。
ヘッドランプ必須 コースタイムが短いとはいえ、アクシデントがあり夜の行動を余儀なくされた場合には必要です。
行動食必須 畳平には食堂や売店がありますが、やや高いのでコンビニで買って行った方が良いでしょう。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるもの。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品。
ティッシュペーパー必須 登山中いきなりもよおした場合など、万が一の時のために必帯です。ポケットティッシュを水で濡らし耳栓として使う場合にも有効です。
防寒着薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。乗鞍岳山頂では、7~8月でも最低気温が5度ほどに下がることがあります。軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアをその上に着ると更に保温性が高まります。
耳栓あったら良い 山小屋では大部屋が基本です。就寝時に いびきをかく人が必ずいます。耳栓の効果は絶大です。
カメラあったら良い 山旅の思い出にぜひどうぞ。乗鞍山頂に登ると360度の展望が開け、特に山頂から見る権現池は素晴らしい風景です。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして数枚あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時にあると助かります。

乗鞍高原の梓水神社

乗鞍岳は梓水神(乗鞍権現)が鎮座する霊山として古くから人々の信仰の対象になっていました。

乗鞍高原の麓の宮の原地区には梓水神社(あずさみずじんじゃ)が祀られ、乗鞍岳の山宮として古くから山岳修験のよりどころとして大切にされてきました。

本殿には見事な彫刻がなされ一見の価値があります。又、鳥居越しに望む乗鞍岳は「乗鞍八景」にも選ばれる光景で、神々しさを醸し出しています。

乗鞍岳開山の歴史

伝説によると、

平安時代の前期西暦807年(大同2年)、坂上田村麻呂により開山されたと伝えられています。しかし、これはあくまでも伝説で、史実とは言いがたく、より確実性が高い年代は平安時代の後期で、この時期には既に乗鞍岳は開山されていたと思われますが、残念ながら明確な資料が残っていません。

円空が彫ったとされる63体の円空仏が伝わる飛騨千光寺からは正面に乗鞍岳を望み、遥拝(ようはい)所となっていたようです。

又、大丹生岳西面中腹(畳平から北西方向に約2km下った所)に火山によるせき止め湖の大丹生池(おおはにゅういけ)があります。古くからこの池は、乗鞍岳の遥拝所であったようですが、魔人が棲むと参拝者から恐れられていました。

その為、1680年代に円空上人は、魔人を封じ込めるため千体の木端仏をこの池に沈めて祈祷したといいます。いずれにせよ、古くから乗鞍信仰と深い関わりがあったことには間違いないようです。

しかし、時と共に乗鞍修験は衰え、江戸時代の後期になってから復活します。岐阜県大野川村の大宝院明覚と江戸神田の行者梅本院永昌の2人によって乗鞍岳は再興されました。その後、一般登山者も参拝出来るようになったといいます。

参照:名山の日本史

乗鞍岳剣ヶ峰の大日如来像の行方は何処に

剣ヶ峰の朝日権現社(乗鞍大権現)には以前、

乗鞍権現の御神体として大日如来像が祀られていました。しかし現在では、乗鞍岳北西の麓にある岐阜県大野郡岩井谷村に安置されています。

朝日権現社は信州側の信徒によって作られたものにもかかわらず、何故、大日如来像が岐阜県側の村にあるのかは、明治初期の神仏分離のごたごたによるものです。

岐阜県側の鞍ヶ嶺神社(乗鞍神社)と朝日権現社(乗鞍大権現)は明治15年(西暦1882年)に2社が合併され乗鞍神社となりました。その際、大日如来像は鞍ヶ嶺神社へ移されましたが、両信徒の間で紛争が起こり、飛騨側信徒の手によって一方的に岩井谷村へ大日如来像を下ろしてしまいました。

大日如来像の台座に書かれた一文に下記の記述があります。「寿永2年(西暦1183年)6月9日に木曽義仲に仕えた家臣の大夫坊が大日如来像を乗鞍岳山頂に安置した。」寿永2年の年号にはやや疑問が残るものの、乗鞍岳が鎌倉時代初期には神仏習合の山岳霊場として開かれていたことは疑う余地がありません。