スタート　標高2551mの烏帽子小屋から野口五郎岳を経由して水晶岳へ向かいます。正面は三ッ岳で、中央のピークを経由して反対側に進みます。実際の山頂は左手ピークの裏側なのでここからは見えません。烏帽子小屋まではブナ立尾根から烏帽子岳のページをご覧ください。

烏帽子小屋から3分ほど歩いた所にあるテント場を経由して正面のピーク向かいます。テント場の左下にヒョウタン池があります。

ヒョウタン池。二重山稜の窪地に雨水や雪解け水が溜まったものです。

三ッ岳は左手から回り込む様に登って行きます。標高差約300m弱の登りで1時間10分程を要します。

肩の部分近くまで登ると傾斜が緩み、砂礫の斜面が広がります。あたりを見回すとコマクサが群落をなしています。少し登った先で右に90度方向を変えます。

肩の部分で90°右手に折れ、岩混じりの砂礫の斜面をジグザグに登ると稜線に上がり、反対側の展望が大きく開きます。この辺りまで登ると、左手前方に槍ヶ岳が見え出します。

前写真の位置から登ってきた道を振り返る。砂礫の稜線の先に烏帽子岳の岩峰が小さく見え、その左手奥に立山や剱岳がよく見えます。

稜線に上がると西側の展望が広がります。正面の赤茶けた山が赤牛岳、その裏に薬師岳が見えます。赤牛岳は、黒部ダムから読売新道を登り水晶岳に至るルート途中の200名山の山です。

稜線に上がり左手に90度方向を変えます。小さなピークの右肩を抜けると三ッ岳本峰が見えてきます。

三ッ岳本峰は山頂は通過せずに、黒部側（右手側）を巻きます。その右手ピークは山頂に登る稜線ルートと巻き道のお花畑ルートに分れます。

稜線ルートとお花畑ルートの分岐です。高山植物が花開く季節ならお花畑ルートを通るのもお薦めですが、展望を求めるなら稜線ルートです。

お花畑ルートへ入った所です。二重山稜の右手山腹がお花畑になっています。

お花畑ルートの斜面一面に咲くアオノツガザクラ。時期により咲く花の種類も変わってくるのでしょう。

今回は稜線ルートに登って展望を楽しみます。稜線の先に野口五郎岳と右手には水晶岳、左手には槍ヶ岳の共演です。

稜線ルートのピークから僅かに下り、お花畑ルートを左から合わせ、野口五郎岳に向かって徐々に高度を上げます。

少しの区間、狭い稜線歩きです。左右はさほど切れ落ちていないので高度感はありません。

スタート　狭い稜線が終わると広い稜線に変わります。野口五郎岳は正面の丸い所で、野口五郎小屋はその直下の鞍部にあります。

大きな花崗岩がゴロゴロと堆積した所を登り、傾斜が緩やかになると野口五郎小屋が見えてきます。

傾斜が緩み、この先100mほど歩いた窪地に野口五郎小屋が建っています。野口五郎岳は、右手から稜線を辿り、ほぼ水平な稜線の先端部分です。

野口五郎小屋。定員約50名の小規模な山小屋です。以前、テント場がありましたが、強風でテントが飛ばされたことで、現在は使用禁止になっています。水は、天水を消毒して使用しています。1リットル200円です。渇水が続くと水不足になるので、注意が必要です。

野口五郎岳に少し登った所から野口五郎小屋を撮影。屋根に沢山の石が乗せられているのを見ると常時強風にさらされている事を物語っています。

野口五郎小屋から少し登れば、二重山稜の岩塊の堆積する間を通過します。

広い稜線を進んだ先が標高2924m、300名山の野口五郎岳です。遠方に槍ヶ岳が聳えています。登山ルートは野口五郎岳から右手に緩くカーブして行きます。

野口五郎岳山頂。歌手の野口五郎さんはこの山の名前から芸名を付けたのだそうです。

野口五郎岳から望むカール底に作られた五郎池と水晶岳。この位置から見ると水晶岳が双耳峰であることがよく分ります。

野口五郎岳から砂礫の広い斜面を下ります。標高2862mの真砂岳（二つ目のピーク）の山腹は右手側を巻きます。

真砂岳を巻き終わった所で竹村新道が左手に分岐します。水晶岳の左手肩の赤岳に稜線が突き上げているのが見えます。最初は比較的なだらかな稜線ですが、登るにつれ険しくなっていきます。

竹村新道分岐。竹村新道は南真砂岳と湯俣岳の二つのピークがあり、下山時にはそれぞれ100mずつの登りがあります。そのため、累積標高差で200m加算されます。登山時にはその反対に200m余分に登らなければいけません。

竹村新道分岐近くから野口五郎岳を振り返る。

真砂岳から鞍部に降り、登り返します。水晶小屋に向かう稜線は、初めのうちはなだらかで非常に歩きやすいルートです。

少しずつ険しくなってきました。稜線スレスレを通過して行きます。できるだけ山側を通るようにします。

大きな岩が堆積した所を登ります。スタンスは豊富で難しくはありません。そのため、鎖の設置はありません。

スタート　大岩がゴロゴロした所を飛び跳ねるように進んで行きます。

大岩の堆積した場所を過ぎ、緩く下降して行きます。

下り切った所が東沢乗越でお花畑に恵まれた所です。左前方のピークが百名山の鷲羽岳です。

標高2734mの東沢乗越から登り返します。初めは緩いザレ場ですが、ピーク付近で岩場になります。

大岩をよじ登ります。特に難しくはありません。

この辺りまで来ると水晶小屋の建つ赤岳の風化の進んだ赤ザレた斜面が印象的です。小さなピークを越えれば、一旦下ります。

ここから急斜面を下り、赤ザレた斜面スレスレを登り返して行きます。赤岳山頂下の水晶小屋もはっきりと見えて来ました。右手のピークが水晶岳です。

赤ザレた斜面を登り、正面の尖ったピークは右手側から巻きます。

小ピークを右手から巻き、僅かに右手方向に進むと稜線に上がります。水晶小屋の屋根が僅かに見えます。

水晶小屋。定員30名の小さな山小屋です。水は通過登山者には量り売りのミネラルウォーターが500mlが300円で販売されています。山小屋では天水を消毒して使っていますが、通過登山者には販売していないようです。

水晶岳（黒岳）北面の鎖場になった岩場。まず右手側の鎖場を登り、左上方へトラバースします。

小さな岩峰が三つ連なりますが、すべて黒部側（左手側）を巻いています。

短い梯子を登り、一つ目の岩峰の左手側に出ます。

二つ目の岩峰もその直下をトラバースします。斜面の傾斜はさほど強くないので高度感はありません。逆に、こういった場所で気の緩みから滑落することもありそうです。

二つ目の岩峰を巻き終えると水晶岳山頂部が見えてきます。水晶岳は双耳峰で手前の南峰が標高2986m、北峰は2977mで、10m程低いですが三角点が置かれています。

日本百名山の水晶岳山頂。北アルプスのど真ん中に位置する水晶岳からは周辺どこを見ても山また山の大絶景です。今日は天気がよかったので槍ヶ岳の左手に富士山も見えていました。