目次

大日岳ルート地図

  • 距離15.3km
  • 登り689m
  • 下り2059 m

大日岳ルートの難易度

難易度  3/10

ルート立山室堂(標高2,431m)⇒雷鳥平(標高2,265m)⇒
新室堂乗越(標高2,384m)⇒室堂乗越(標高2,362m)⇒
カガミ谷乗越(標高2,505m)⇒奥大日岳(標高2,606m)⇒
七福園(標高2,480m)⇒中大日岳(標高2,500m)⇒
大日小屋(標高2,422m)⇒大日岳(標高2,498m)⇒
大日平山荘(標高1,765m)⇒大日岳登山口(標高1,064m)⇒称名滝(標高1,090m)

大日岳ルートの体力

体力  2/10  泊

飲料水必要量5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:2.25リットル、体重60kgの人:2.93リットル、体重75kgの人:3.60リットル
消費カロリー5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:4.185Kcal、体重60kgの人:5.441Kcal、体重75kgの人:6.696Kcal
燃焼脂肪量5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.598kg、体重60kgの人:0.777kg、体重75kgの人:0.957kg

コースタイム

  • 登山:立山室堂⇒大日岳 5時間10分
  • 下山:大日岳⇒大日岳登山口(称名滝) 3時間50分

温泉

北アルプス山小屋
みくりが池温泉
みくりが池温泉
北アルプス山小屋
雷鳥荘
雷鳥荘

山小屋

北アルプス山小屋
大日小屋
大日小屋

登山口のアクセス

北アルプス登山口-アクセスと駐車場
扇沢のアクセスと駐車場
扇沢のアクセスと駐車場

大日岳ルート

大日岳は日本二百名山の一つで、奥大日岳、中大日岳、大日岳を合わせて大日三山と呼ばれています。最高峰は奥大日岳の一角にある2,611mピークです。

室堂平から大日三山

室堂平から大日三山
立山黒部アルペンルートの室堂ターミナルから室堂平に出ると左手方向に大日三山が見えています。遊歩道をミクリガ池方面に向かいます。

ミクリガ池

ミクリガ池
室堂ターミナルから10分ほどでミクリガ池です。ミクリガ池の畔には地獄谷から源泉を引いているミクリガ池温泉が建っています。遠景に別山が見えています。

エンマ台の火山ガス情報ステーション

エンマ台の火山ガス情報ステーション
エンマ台に火山ガス情報ステーションが建っています。ここから先、風向きによって強い火山ガスが上がってくることがあります。建物の左手に水道がありますが、火山ガスが強い時にはタオルを濡らして口に当てるために用意されています。

リンドウ池の先に雷鳥山荘

リンドウ池の先に雷鳥山荘
リンドウ池の向こうに雷鳥山荘が建っています。2012年から地獄谷の火山活動が活発になり、リンドウ池周辺の木々は火山ガスにやられ不毛の地に変わっています。火山ガスの向こうに聳えるのが大日三山です。

雷鳥平の雷鳥平キャンプ場

雷鳥平の雷鳥平キャンプ場
雷鳥荘から雷鳥平へ降ります。雷鳥平には設備の整った雷鳥平キャンプ場があります。大日岳は、称名川の源流部に当たる雷鳥沢に沿って左手方向に進みます。

雷鳥沢に架かる橋を渡る

雷鳥沢に架かる橋を渡る
雷鳥沢に架かる橋を渡って左手方向に進みます。年によっては8月上旬まで残雪がある場所です。

新室堂乗越への登り

新室堂乗越への登り
新室堂乗越へ向け草地の中に付けられた木道を登ります。

新室堂乗越

新室堂乗越
新室堂乗越まで登って来ました。奥大日岳の一角が見えています。ここで右手に向かえば、別山乗越を経由して剱岳方面に登山道が伸びています。

新室堂乗越から室堂平

新室堂乗越から室堂平
室堂方面を写す。称名川を挟んで白っぽく見える所が地獄谷です。赤い屋根の建物がロッジ立山連峰で、その上の白い建物が雷鳥沢ヒュッテ、その奥の丸い山は浄土山です

奥大日岳の一角2611mピーク

奥大日岳の一角2611mピーク
室堂乗越から望む右手のピークが奥大日岳の一角をなす最高点(2611mピーク)ですが、かつては稜線ルートがあり、同ピークを経由することが出来ましたが、現在では廃道になり、ピークの南側を巻く様に登って行きます。右手側には東大谷を挟んで聳える剱岳が望めます。手前の丸い山が2511mピークです。

カガミ谷乗越

カガミ谷乗越
2511mピークを越え、少し下った所がカガミ谷乗越です。奥大日岳の最高点・2611mピークは南側をトラバースする様に登っていきます。トラバースした先に僅かに小さなピークが見えますが、それが奥大日岳です。

称名川を隔てて立山道路

称名川を隔てて立山道路
称名川によって深く削られた谷の向こうに蛇のようにうねった立山道路が見えています。富山県側からアクセスする場合、富山地方鉄道立山線の立山駅で下車し、立山ケーブルカーに乗り換え、美女平から立山高原バスが立山室堂まで走っています。

中大日岳と大日岳

中大日岳と大日岳
奥大日岳の最高点2611mピークの南側をトラバースすると左手前方に中大日岳と大日岳が見えて来ました。両山の鞍部に赤い建物が見えますが、大日小屋です。

二重山稜の先に奥大日岳

二重山稜の先に奥大日岳
なだらかな稜線を進み、この先で小さな池塘がある二重山稜になった穏やかな稜線を辿ると、2百名山の奥大日岳山頂です。

奥大日岳からの剱岳

奥大日岳からの剱岳
三等三角点のある標高2606メートルの奥大日岳山頂は、深く落ち込んだ東大谷の先に巨大な岩塊の先端を天を突いて聳える剱岳の絶好の展望地です。ちょうど山頂直下には氷河によって出来たカールも認められています。

簡単な鎖場を降りる

簡単な鎖場を降りる
奥大日岳山頂から20mほど戻り、縦走路に入ります。一番奥が大日岳、手前が中大日岳です。簡単な鎖場を降ります。手前の小ピークの少し下で称名川側をトラバースします。

小ピークの南側をトラバース

小ピークの南側をトラバース
奥大日岳山頂から下り、最初の小ピークの南側をトラバースします。滑りやすいガレ場なので転倒やスリップに注意しながら慎重に進みます。右手に回り込んだ所が稜線です。

二重山稜の窪地に水溜り

二重山稜の窪地に水溜り
稜線は二重山稜となり、灌木帯の中の窪地には水溜りも出来ています。水の脇の岩を飛び跳ねるようにして通過します。

鎖場を下る

鎖場を下る
二重山稜を抜けると、急な崩壊地に出ます。さほど難しくはありませんが、鎖場になっています。登山経験が浅ければ緊張する場所かもしれません。稜線を辿った先に大日岳があります。

鎖場を降りた所から振り返って撮影

鎖場を降りた所から振り返って撮影
鎖場を降りた所から振り返って撮影。鎖場の下はフィックスロープが付いた浮石も多いザレた斜面です。

鎖場下の鉄階段

鎖場下の鉄階段
鎖場の下は鉄階段が付けられています。写真で見るよりもう少し高度感があります。この辺りが大日三山の核心部と言えるでしょう。

穏やかな稜線

穏やかな稜線
鎖場を終えると穏やかな稜線になります。最初のコブの手前が鎖場になっています。

右上に登る鎖場

右上に登る鎖場
コブを越えるため右斜め上方に登りますが、そこに鎖が設置されています。

鎖場 登山道の幅は十分

鎖場 登山道の幅は十分
切り立った岩壁に鎖が付けられていますが、登山道の幅は十分にあり、滑落の危険はほぼありません。

鎖場から奥大日岳を振り返る

鎖場から奥大日岳を振り返る
鎖場の位置から振り返って奥大日岳を撮影。鎖の付けられた滑りやすい岩場が見て取れます。

ゴシャメンの滝

ゴシャメンの滝
同じ位置から右手方向を望むと称名川の支流を流れ落ちるゴシャメンの滝が見えています。その右手に立山高原ホテルが立山道路沿いに建っているのが見えます。更に遠景の山は、右手の小高い山が天狗山、その左に国見岳、浄土山、立山と続いています。

手前ピークが中大日岳

手前ピークが中大日岳
歩きやすい広い稜線を進みます。手前のピークが中大日岳で、その少し手前に七福園があります。

七福園

七福園
大小様々な岩が林立した七福園です。この先の岩場に俗称「七福園岩屋」という小さな岩窟があります。1934年に修験者が使用したと思われる鐙や刀子が、1961年には平安期の須恵器破片などが発見されています。まさにこの場所は、富山県の岩峅寺・芦峅寺を拠点とした立山修験の修行の場であった事が分ります。

七福園岩屋

七福園岩屋
七福園を振り返って撮影。前方の大きな岩に岩窟があります。背景に左手側から剱岳、右手側の稜線は別山から立山(富士ノ折立、大汝山、雄山)です。

中大日岳への木道

中大日岳への木道
七福園の岩場を過ぎると、広い稜線の中に木道が敷かれ、中大日岳へ伸びています。右手側のピークが大日岳です。

中大日岳山頂

中大日岳山頂
標高2500mの中大日岳山頂から望む剱岳。中大日岳は注意しなければ気がつかずに通り過ぎてしまうようなピークです。

中大日岳と大日岳鞍部に大日小屋

中大日岳と大日岳鞍部に大日小屋
中大日岳からハイマツ帯の中をゆっくりと降ります。その鞍部にランプの宿・大日小屋が建っています。大日小屋から大日岳までは緩斜面を10分ほど登れば到着です。大日岳の南斜面をトラバースする様に付けられた称名滝に下る登山道が見えます。

大日小屋

大日小屋
大日小屋は収容人員は36名、相部屋2室の小さな山小屋です。立山や剱岳などの山域とは違い、登山者が比較的少ないコースに建つ山小屋ですが、収容人員が少ないため、事前予約をされることをお薦めします。電話番号: 090-3291-1579です。大日小屋にザックをデポして大日岳をピストンします。

大日岳山頂

大日岳山頂
二等三角点が設置された標高2501m大日岳山頂から望む剱岳です。かつて、剱岳や立山の遥拝所として登られた歴史を持っています。西方向を望むと富山平野や富山湾などの眺望もあります。

大日岳は立山修験の行場

大日岳は立山修験の行場
立山修験の行場となった大日岳山頂には石で組んだ祠の様なものがあります。かつて修験者は、山頂の堂で目隠しをして三回堂巡りを行ったと言います。又、平安時代のものと思われる錫杖の頭部も発見されています。雲上に浮かぶのは薬師岳です。

大日小屋に戻る

大日小屋に戻る
大日岳で展望を楽しんだら大日小屋に戻ります。小屋の奥のピークが中大日岳、左に稜線を辿って奥大日岳と連なっているのが分ります。遠景に立山が聳えています。

大日小屋から大日平へ下る

大日小屋から大日平へ下る
大日小屋から大日平を目指してひたすら下ります。

灌木と高径草原の中のトラバース

灌木と高径草原の中のトラバース
初めは、灌木と高径草原の中のトラバースです。

ロウソク岩

ロウソク岩
振り返ると鞍部に大日小屋の赤い屋根が見えています。その左手の岩がロウソク岩と呼ばれています。どう見てもロウソクの形には見えませんが、大日平まで下ると、確かにロウソクの様に見えます。

兜岩

兜岩
九十九折の道をぐんぐん下ると左手に兜岩が見えてきます。ここから見ても兜の形には見えません。

下からの兜岩

下からの兜岩
少し下った所から見上げると、確かに兜の形に見えないわけでもありません。西方向に向かっていた登山道は、この場所で90度角度を変え、南方向に進路を取ります。

ナナカマドが多く自生した場所

ナナカマドが多く自生した場所
ナナカマドが多く自生した場所で、真っ赤に染まった斜面の中を歩きに秋に訪れたいところです。

水場

水場
水場です。十分な水量が出ていました。水は沢に沿って流れているので、下流域で登山道と何度が交差します。下から登ってくる時は、どこが正式な水場か判断が付きかねるところです。

大日平の木道の先に大日平小屋

大日平の木道の先に大日平小屋
大日平の中を真直ぐに伸びる木道の先に大日平小屋が建っているのが見えます。大日小屋の先にズドンと落ち込んだ所が称名廊下で、その下流に称名滝があります。

沢状の登山道

沢状の登山道
大小様々な石が転がる沢状の登山道を下ります。水場から流れ出る水はここを通って流れ下っています。

ザクロ谷の源頭部の小さな沢を横切る

ザクロ谷の源頭部の小さな沢を横切る
大日平近くまで来るとチシマザサが生い茂る中に木道が下っています。ザクロ谷の源頭部の小さな沢を横切ると大日平の一角に出ます。

大日平

大日平
チシマザサの湿原が広がる大日平です。所々に小さな池塘が点在し、ワタスゲやイワショウブ、ニッコウキスゲなどの高山植物が花を咲かせる場所です。

大日平から大日岳

大日平から大日岳
大日平の木道から振り返る。中央のピークが大日岳です。立山弥陀ケ原と大日平は、2012年7月にラムサール条約登録湿地になりました。

大日平小屋

大日平小屋
大日平小屋。混雑とは無縁の山小屋です。約50名が定員で、他の山域が大混雑の時期でも1人一枚の布団が確保出来ます。お風呂があるのは大変ありがたいです。

称名廊下に落ちる不動滝

称名廊下に落ちる不動滝
大日平小屋の裏から50mほど行った所に称名廊下に向かって落ちる落差90mの不動滝を見れる展望台があります。遠景の山は天狗山です。

大日平はラムサール条約登録湿地

大日平はラムサール条約登録湿地
大日平小屋から西方向に伸びた木道を下って行きます。ラムサール条約に登録された地域の広さは574ヘクタールで、火山活動によって出来た溶岩台地の上に広がる弥陀ケ原・大日平及びその間を流れる称名川からなっています。

弥陀ケ原の先に薬師岳

弥陀ケ原の先に薬師岳
大日平の木道から眺める薬師岳。手前に深く落ち込んだ所が称名廊下で、その奥の台地状の場所が弥陀ケ原です。弥陀ケ原は、弥陀ケ原ホテルの所から約1時間で一周出来る木道が付いています。

牛ノ首尾根

牛ノ首尾根
木道が終わると、牛ノ首尾根の急降下が始まります。随所に梯子やロープが設置されています。

ロープ場

ロープ場
梯子を降りた所の滑りやすいロープ場。写真で見るよりも傾斜はきついです。スリップに注意しながら慎重に降ります。

梯子が続く

梯子が続く
更に梯子が続きます。

右手はザクロ谷、左手は称名川

右手はザクロ谷、左手は称名川
馬ノ背状の狭い尾根を通過します。右手方向はザクロ谷へ、左手方向は称名川に深く切れ落ちています。急な梯子を降ります。

滑りやすい急斜面のロープ

滑りやすい急斜面のロープ
狭い尾根が終わり、灌木帯の中をジグザグに下って行きます。滑りやすい急斜面には所々にロープが設置されています。

猿ヶ馬場を通過

猿ヶ馬場を通過
砂止めが施された九十九折りの急斜面をたどり、ぐんぐん高度を下げて行きます。途中、猿ヶ馬場と呼ばれるベンチの設置された平坦地を通過して行きます。

称名川の南側斜面の大岩璧

称名川の南側斜面の大岩璧
称名川の南側斜面を形成する大岩璧が見えて来ました。登山口まではあと少しです。

大日岳登山口

大日岳登山口
大日岳登山口です。ここから舗装された車道を10分ほど登った所に日本で最大の落差を誇る称名滝があります。又、駐車場やバスの発着場はここから下流に15分ほど歩いた所です。

大日岳登山口から称名滝を目指す

大日岳登山口から称名滝を目指す
大日岳登山口から称名滝を目指して車道を歩きます。称名川に架かる橋の所から八郎坂の登山道が分岐します。

飛流橋

飛流橋
飛流橋を渡った所に八郎坂の大きな石碑が立てられています。ここから立山高原バスが走る立山道路まで約1時間30分のコースタイムを要します。

称名滝

称名滝
称名滝。立山連峰を源流とする称名川に流れ落ちる落差350メートルの日本最大の名瀑です。一段目70m、二段目58m、三段目96m、4段目126mの4段に折れながら流れ落ちる水量は、毎秒0.5tから2tで、滝壺は直径60m、深さ6mあります。大雨の降った後や春先の融雪期には右隣に落差500mのハンノキ滝が出現します。

レストランハウス称名

レストランハウス称名
レストランハウス称名。この約50m下に称名滝バス停と駐車場があります。立山黒部貫光が運行するバスは立山駅とを結んで、4月下旬から11月上旬の季節運行です。

奥大日岳~大日岳~大日平~称名滝の動画

大日岳山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-9.0-13.0-17.0
2月-8.1-12.8-16.9
3月-3.5-8.9-13.7
4月4.4-2.6-8.5
5月9.82.6-3.5
6月13.26.63.1
7月16.59.95.6
8月18.211.46.5
9月13.17.22.7
10月6.90.7-4.1
11月0.6-5.0-9.5
12月-5.8-10.3-13.9

大日岳へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラステント
1月×
2月×
3月×
4月×
5月
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月×××
12月×
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 大日岳ルートの分岐は多くありませんが、登山地図を忘れると道迷いの原因に! 登山地図を持って行かないのは命取りと言えます。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 立山室堂で森林限界をすでに超えています。大日岳のルートはほとんど直射日光が降り注ぎます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 大日岳は標高2,611mのため、 稜線では日光を遮る木々が一切ありません。ルートのほとんどが森林限界を超えているので紫外線が強く必帯です。
飲料水必須 大日小屋と大日平山荘で水を確保できますが、それ以外の水場は大日岳の兜岩の下にあるだけです。コースタイムが長いので天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
ヘッドランプ必須 夜になると電気を落としてしまう山小屋もあります。そんな時トイレに行くのが不自由です。また、暗い内から山頂まで登り、御来光を拝むためにも必要です。
行動食必須 コースタイムが長いので多めに持っていくと良いでしょう。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるものがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。また、筋肉痛が起こった時のために湿布薬などを持っていくことをお勧めします。
ティッシュペーパー必須 止血用などの万が一の時のために必帯です。ポケットティッシュを水で濡らし耳栓として使う場合にも有効です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
横岳山頂では、7~8月でも最低気温が6度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋あったら良い 鎖場に使います。革製の手袋がベストですが、軍手でもOKです。
耳栓あったら良い 大日岳周辺の山小屋では大部屋が基本です。就寝時に いびきをかく人が必ずいます。耳栓の効果は絶大です。
カメラあったら良い 大パノラマや高山植物が豊富なので山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして5~7個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザックあったら良い 大日小屋にザックを置いて、サブザックで身軽な状態で大日岳山頂ピストンが出来ます。水、カッパなど必要最低限が入る軽いコンパクトなものを使用すること。
シュラフカバーあったら良い 遭難時や混雑している山小屋(一つの布団に2人)で役に立ちます。毛布2枚を床に敷きゴアテックス製のシュラフカバーに入ります。

大日岳の立山修験

修験道の発祥の地とされる奈良県の金峯山。かつて大日岳は、立山における金峯山と称されていました。1893年(明治26年)に河合磯太郎と土井平作らは、他3人の案内人と共に大日岳に登り、山頂で頭部に二匹の龍頭を飾った錫杖を発見します。これを持ち帰って鑑定すると、平安時代のものであることが分ります。1907年に陸地測量部が剱岳山頂で発見した銅錫杖頭と同じ時代のものであったのです。

大日岳への入峰路は、現在の上市町に位置する磨崖仏で有名な真言宗大岩山日石寺や現在は曹洞宗に転宗した眼目山立山寺を拠点として上市川を遡るものでした。難所が続くこのルートからの大日岳は、修験者(山伏)にとっての行場であり、山頂から立山や剱岳を遥拝するための山であったということが出来ます。

一方、現在の立山町に位置する天台浄土教系列の宗教勢力の拠点であった芦峅寺や岩峅寺などの古刹を中心として、修験者を先達として一般の衆徒が登ったのが立山でした。その入峰路は、両寺から富山市を流れる常願寺川を遡って弥陀ケ原に出るものでした。地獄谷の存在と浄土山があることから、地獄信仰と山中浄土信仰が加わったものと考えられています。

大日岳に登った修験者たちは、山頂にある祠(石垣)に向かって「オン・アビラウンケン・バザラダンバン」(大日如来様、大いなる恵みを感謝します。)と真言を唱えます。 又、剱岳に向かって手を合わせ、不動明王真言「ナウマク・サマンダ・バザラダン・センダー・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カン・マン」(大いなる御加護を感謝します。)と唱えます。

大日岳の名前は大日如来が元になっていると言われ、大日岳そのものが大日如来(太陽)として信仰されていました。又、剱岳は、山そのものが大日如来の応身である不動明王として信仰されていました。

立山に登ったら「南無立山和光大権現」と手を合わせ唱えます。こらは立山全般における宝号で、光(御来迎)と和す(一体化する)という意味で、立山の霊験を称えています。

立山の他の登山ルート

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