日本アルプス登山ルートガイド-核心部のルート案内
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剱岳/別山尾根下山道

剱岳 別山尾根下山道ルート概要

登山コース案内

剱岳山頂から別山乗越までを案内します。

山頂から別山尾根を下山します。途中、登山道と下山道が分かれる所があります。 山頂から数分下った右手に早月尾根の分岐を示す指導標が立っています。早月尾根を見下ろすと遙下に早月小屋の赤い屋根が確認できます。

カニノヨコバイの核心部の少し上から10番目鎖場が始まります。 カニノヨコバイは右方向へトラバースします。トラバースへ入る一歩目のスタンスが不明瞭です。鎖に体重を掛けて右足を真下方向に伸ばし、足の置き場所を探ります。右足の置き場が確保出来たら左足を下ろします。その一歩さえ確保できれば、あとは簡単で、岩棚の幅は狭いとはいえ、鎖につかまり約5mほどの区間をカニ歩きします。

カニノヨコバイを終えるとすぐに梯子場があります。梯子の傾斜は80度ほどあり高度感はありますが、慎重に下れば問題ありません。梯子を降りてもさらに鎖場は続き、小さなトイレのある平蔵のコルに降り立ちます。

正面ピークの平蔵の頭に向かいます。 平蔵のコルから平蔵の頭のトラバース区間にある11番目鎖場を下り、平蔵の頭の基部まで来ます。平蔵の頭の通過は、登山道と下山道が別で、下山道は平蔵の頭のピークまで登り反対側に下ります。平蔵の頭は見る角度により垂直な壁の様に見えますが、実際にはあまり角度は無く、簡単に通過できる所です。

平蔵の頭を反対側に下った所で登山用ルートと合流し、稜線の右側をトラバースします。トラバース区間の足場はしっかりあり問題ありません。

前剱の門の鞍部からの登り返しにある13番目鎖場を難なく通過し、稜線の右をトラバースします。トラバース区間は、やや登山道の幅が狭く落石にも注意が必要です。 トラバースを終えると登山用ルートと合流し、前剱へ至ります。 前剱からは、剱沢の先に聳える別山と、その遠望に立山が見えています。また、右下方には剣山荘が見えています。

大岩の3番目鎖場を降り、一服剱へ登り返すと剣山荘はあと少しです。剣山荘から剱御前の東斜面をトラバースしている登山道を使い、別山乗越に向かいます。 途中、3か所に雪渓がありますが、8月7日時点でアイゼンの必要はありません。

建て替えられ新しくなった山頂の祠

立山信仰の普及に一役買った立山曼荼羅にも描かれている剱岳ではありますが、正確な登山史は明治40年に柴崎芳太郎を隊長とする陸地測量部が初登頂してからで、僅か100年ほどの歴史しかありません。

これまで山頂に祀られていた祠は、1957年(昭和32年)に株式会社立山味噌醤油の吉川良平氏によって建立されたものですが、風雪や落雷等により傷みが激しくなったため、剣山荘の佐伯功麿氏を会長とし、近隣の山小屋の経営者達により剱嶽社御造営奉賛会が組織されました。建設費約500万円の募金を募り、神社仏閣設計施工専門の富山市婦中町の酒井仁義氏に新しい祠の作成を依頼しました。無事2008年(平成20年)屋根を銅板ぶき、柱に赤ケヤキ、高さ、幅とも約1.8m 、奥行き約2メートルの祠を山頂に安置することが出来ました。

同年8月7日、剱岳山頂にて正遷座祭りが執り行われ、2体のご神体が納められました。






画像一覧

剱岳山頂から長次郎谷を見下ろす。左手のギザギザした尖峰が連なる八ッ峰と右手の鋭く尖った源次郎尾根の間に作られた長次郎谷。アイゼン・ピッケルが必要な上級者向けルートです。

山頂から別山尾根を下山します。別山尾根は登山ルートと下山ルートがそれぞれ存在します。左手眼下には平蔵の頭、前劔が見えています。その遠景に奥大日岳・中大日岳・大日岳と連なる稜線が望めます。

右手に早月尾根の分岐を示す指導標が立っています。早月尾根の登山口は馬場島で山頂までのコースタイムは9時間ほどかかります。早月小屋に一泊する行程が無難でしょう。

カニノヨコバイの核心部まであと少し下ります。左手側の斜面に雪が残る尖ったピークは平蔵の頭、その奥の鞍部が前劔の門、更にその奥に一段低くなったピークが前剱です。

10番目鎖場のカニノヨコバイの難所へ入ります。取り付き点まであと少し下って行きます。カニノタテバイと同様に、この辺りから渋滞が始まります。

少し下った所から右側にトラバースします。2人の先行者がいる所がカニノヨコバイへ入る取り付き点です。取り付き点までの斜面はさほど急ではないので緊張することはありませんが、登山者が多いときは落石に注意が必要です。

10番目鎖場・カニノヨコバイへ入る所を登山専用ルートから撮影。極めて高度感があるように写っていますが、カニのヨコバイは一歩目の右足が岩棚に確保出来ればあとは簡単です。左手前方の尖ったピークが平蔵の頭、平蔵のコルを隔てて前劔の門が雲上に浮かんでいます。

ここがカニノヨコバイです。青いヘルメットの登山者の位置から右手側にトラバースします。トラバースへ入る一歩目のスタンスが不明瞭です。カニノヨコバイの一歩目は、下が見えない為、鎖に全体重をかけ足の置き場所を探します。

カニのヨコバイ・トラバース途中を進む登山者。 トラバース区間は約5mほどで岩棚に50センチほどのスタンスがしっかりあります。最初の一歩さえクリアしてしまえば後は簡単に通過出来ます。

あと少し進めばカニノヨコバイは終了です。上から見ると、かなりの高度感です。トラバースが終了しても、更に20m ほどの鎖場が続きます。気持ちを切らすこと無く集中して降ります。

カニノヨコバイを終了して振り返って撮影。スタンスがしっかりあるのがわかります。写真では傾斜が緩く写っていますが、実際は高度感があり、落ちたらそのまま下まで落下するでしょう。

カニノヨコバイを終え、梯子場に向かう約20メートルほどの鎖場です。さほど急な斜面ではありませんので慎重に下れば問題ありません。

梯子場。ステンレス製の梯子がほぼ垂直に掛かっています。濡れていると滑るので注意が必要です。左側から回り込むようにして梯子に取り付きます。

約4メートルの梯子場を真上から撮影。高度感はありますが、しっかりとしたステンレス製の梯子なので安心して降りられます。ここは左側から回り込んで梯子に取り付くのが安全です。梯子を降りても更に鎖場が続きます。

梯子を降りると高度感は無くなり、狭い岩の間に付けられた鎖につかまり下降します。降り切った所はやや平坦でザックを下ろして休むことも出来ます。そして、小さいトイレがあります。

カニノヨコバイからの下降を終了し、平蔵のコルに降り立ちます。正面ピークの平蔵の頭の基部までは登山専用ルートと下山専用ルートが一緒になります。更にその先のピークは東大谷側を巻く様にして下山していきます。

蔵のコルから平蔵の頭の間のトラバース区間。スタンスは豊富で山側に鎖も付いているので難しい通過ではありません。途中11番目鎖場の3メートルほどの短い壁を降ります。

平蔵のコルから平蔵の頭間のトラバース区間にある11番目鎖場。3メートルの鎖を使っての下降します。傾斜はあまり強くないので高度感はありません。

11番目鎖場を降り、平蔵の頭基部までトラバース区間が少しがあります。平蔵の頭12番目鎖場の取り付きに立ちます。平蔵の頭はピークまで登り、そして反対側に降りて行きます。

平蔵の頭の基部から撮影。あまり傾斜はきつくなく簡単に登れます。剱岳山頂付近から見下ろした時には垂直の壁に見えましたが、実際には斜度はかなり緩く、スタンスも豊富です。基部の少し上から登山専用・下山専用ルートに分れます。

平蔵の頭への登り。取り平蔵の頭への登りが12番目鎖場です。取り付きから真直ぐ上に登り、斜面の途中で岩棚を左側にトラバースします。それから再びピークに向け登って行きます。

平蔵の頭への登りの中間地点。ここから左方向に5mほど狭い岩棚をトラバースします。写真に写っている通り、あまり急斜面ではありません。

左手方向へのトラバース区間。鎖はありません。傾斜はきつくないので難しいトラバースではありません。

トラバースを終え、今度は真直ぐに平蔵の頭ピークに向け登ります。

平蔵の頭のピーク下には鎖が付いています。登山者に踏まれ岩がツルツルになっていますが、雨天時でなければスリップはしないでしょう。平蔵の頭のピークに登り、反対側に降ります。

平蔵の頭ピークから反対側に下ります。ここも12番目鎖場の続きです。スタンスは豊富で、岩の間を降りる為、高度感を感じません。

平蔵の頭からの下り12番目鎖場の中間地点を下る登山者。登山時に撮影した画像もありますから参照してください。

平蔵の頭を下り切り、一旦登山用ルートと合流します。そして再び下山専用ルートとなり、稜線の右をトラバースします。足場はしっかりあり問題ありません。

ここから前劔の門まで難所はありません。稜線の東大谷側をトラバースする様に進みますが、谷側の傾斜は緩く危険箇所はありません。

展望台で休憩する登山者。展望台に立つと、室堂平の奥に薬師岳も見えます。また反対方向に目をやると富山平野の先に富山湾まで見えています。左手方向には双耳峰の鹿島槍ヶ岳も手に取るように分ります。

展望台から登山専用ルートと下山専用ルートが一緒になり、前剱の門の鞍部に向け下ります。奥の小ピークが前剱です。奥の左手は別山で剱沢を隔てて剱御前、更にその奥に頭を覗かせるのが立山三山です。

前剱の門の鞍部からの登り返しが13番目鎖場です。登山時は前劔の門奥の尖峰を向かって左手側から巻い て来ました。

前剱の門の鞍部からの尖峰の登り返し。13番目鎖場を登る登山者達が見えます。ここから下山専用ルートが分岐します。登山専用ルートは左側にあります。

13番目鎖場を登ります。斜度はあまりきつく無く、スタンスは豊富で、高度感もないので簡単に登れます。

13番目鎖場上部。ここを登り切ると稜線の右手側に出ます。

稜線の右をトラバースします。やや登山道の幅が狭く、落石にも注意が必要な区間です。右手奥には大日岳から連なる稜線が見えています。

トラバース区間を進みます。谷側の傾斜は緩いのですが、稜線からの落石に注意が必要な区間です。

落石注意の看板。登山用ルートがこの上部を通過しているため、登山者がいる場合には、落石が起こりやすいので注意が必要です。

登山者がいる所が前剱です。下山専用ルートは前剱をトラバースする様に付いています。もちろん、前剱へ立ち寄ることも出来ます。前剱を少し超えた所で登山用ルートと合流します。

前剱に立つ登山者。前剱からの眺望は抜群で、別山から裾野を広げる剱沢、遠景には唐松岳、五竜岳、梯子槍ヶ岳、爺ヶ岳へと連なる後立山連峰。更にその後ろには高妻山や黒姫山なども確認出来ます。前劔の少し先で登山道と下山道が合流します。

前剱からの眺望。氷河によって削り取られた残雪の剱沢の左手上に別山。その奥に立山が見えます。一服劔に登山道が見えています。前剱と一服剱との標高差は約200メートルですが、かなり下に見えます。その右手下には剣山荘の赤い屋根が見えます。

前剱を少し超えた所から登山用ルートと下山用ルートが一緒になります。一度通過した所なので緊張感が緩んできます。正午を過ぎた頃なので、下に見えるすべての人が下山途中です。

前剱から下山していきます。眼下に一服剱へ伸びる一筋の登山道が見えています。先行する登山者の列が出来ています。ガレ場なので、落石を起こさないように注意して降ります。

前剱から列を成して登山者が下山していきます。この辺りから武蔵のコルまでが最も滑落事故が多い場所だと言わています。さほどの急斜面ではないのになぜ?と疑問に思うのですが、おそらく緊張が緩み、疲れも増したところで浮石に足を取られてスリップ・転倒するのでしょう。

前剱からガレ場を武蔵谷へ吸い込まれるように下って行きます。少し下った所で右手方向に向かい前劔大岩の横を通過します。

3番目鎖場の長い岩場を下って行きます。左手に峻立する前劔大岩脇のルンゼ状の狭い岩場を降ります。傾斜は強くないので問題なく下れます。

左の岩が前劔大岩で、3番目鎖場がまだ続きます。つまづいて転倒しやすく、浮石、落石などで下山時に滑落スリップ事故が多発する場所です。

一服剱が見えてきました。武蔵のコルに向かって広いガレ場を降ります。幾筋も踏み跡があり、悪天候時に正規ルートを踏み外さないことです。傾斜は緩いのですが浮石が多いので、転倒に注意しながら慎重に下って行きます。

武蔵のコルまであと少しです。一服剱に登り返す登山道がよく見えます。左手の雪渓があるのは武蔵谷です。一服剱の右手奥にかつて剱岳の遥拝所となっていた剱御前、左手方向に別山が聳えています。

一服剱から赤い屋根の剣山荘へ向け下ります。二番目鎖場と一番目鎖場を通過しますが、登山時に体験しているので簡単である事は了解済みです。下山時は剱御前の東側山腹をトラバースするルートを辿って剱御前小舎へ向かいます。

剱沢を一望。剣山荘から2本のルートが伸びているのが見えます。右手上に見える剱御前の山腹を横切るように伸びる横断ルートを使って下山します。途中雪渓を横切る箇所があります。登山時期により雪渓の状況を剣山荘で確認する事をお薦めします。

2番目鎖場まで降りてくると、傾斜は緩くなり周辺はお花畑が広がります。登山道が剣山荘へ続いているのが見えます。剣山荘前庭のベンチに座り、一休みしたら出発します。

剣山荘からクロユリのコル経由で別山乗越に向け登ります。周辺にはコバイケイソウやナナカマドの白い花が咲いています。

剱御前の東斜面をトラバース気味に登っていきます。ガレた登山道に付けられた黄色のペンキマークに従って進みます。雪渓が残るので出発前に剣山荘て状況を確認することをお薦めします。

8月7日時点の雪渓の様子です。だいぶ雪渓は溶けています。アイゼンの必要はありません。正面の山は別山です。

比較的なだらかに登ります。7月中旬から8月上旬にかけてチングルマやハクサンイチゲ、ミヤマキンバイなどの高山植物が咲き乱れるルートです。

雪渓を渡ります。右手登山道にはチングルマの群生があります。

雪渓を渡ります。谷側の傾斜は緩くアイゼン・ピッケルなどの必要はありません。

雪渓を抜けると、お花畑に広がる平坦の登山道を進みます。この先で再度雪渓を通過します。ちょうど雪渓を通過している数名の登山者が見えています。正面奥の鞍部が別山乗越です。

雪渓を通過します。多くの登山者によってよく踏まれています。ここの雪渓の斜度も緩いのでアイゼンの必要はありません。

雪渓を超え、再び高山植物の花が咲く登山道を右上方に登って行きます。この坂を登れば剱御前小舎が見えてきます。

別山乗越に建つ剱御前小舎が見えてきました。剱御前の山腹を横切るように真直ぐに登山道が別山乗越に向け伸びているのが分ります。もう一つの雪渓を超えると別山乗越に到着します。

最後の雪渓を通過します。

最後の雪渓を渡りきると剱御前小舎に到着です。別山乗越から室堂までは登山ルートを参照してください。



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