- 1. 西鎌尾根から槍ヶ岳ルート地図
- 2. 西鎌尾根から槍ヶ岳ルートの難易度
- 3. 西鎌尾根から槍ヶ岳の体力
- 4. コースタイム
- 5. 山小屋
- 6. 登山口のアクセス
- 7. 西鎌尾根から槍ヶ岳ルート
- 7.1. 蒲田川に架かるめぐみ橋
- 7.2. 左俣谷の左岸
- 7.3. 中崎橋を渡って蒲田川の右岸に出る
- 7.4. 笠新道登山口
- 7.5. 笠新道登山口の水場
- 7.6. わさび平小屋
- 7.7. 下抜戸沢の押し出し
- 7.8. 小池新道分岐
- 7.9. 左俣谷右岸の小池新道
- 7.10. 石畳の登山道
- 7.11. 灌木帯の大きな石がゴロゴロ
- 7.12. 西鎌尾根を望む
- 7.13. 大きな岩の転がる登山道
- 7.14. 左上方は大ノマ岳
- 7.15. 大ノマ岳を源流とする秩父沢
- 7.16. 秩父沢の橋を渡る
- 7.17. 大ノマ岳から流れる秩父沢
- 7.18. 秩父小沢の水場
- 7.19. 鏡平方向
- 7.20. チボ岩
- 7.21. ナナカマドやダケカンバの低木帯
- 7.22. ゴーロ帯
- 7.23. 奥穂高岳、前穂高岳の稜線の右手に焼岳
- 7.24. イタドリ群生地
- 7.25. イタドリヶ原
- 7.26. ダケカンバ交じりの低木帯
- 7.27. シシウドヶ原
- 7.28. シシウドヶ原のベンチ
- 7.29. 弓折岳の東斜面を右から巻く
- 7.30. 雪崩低木林
- 7.31. 熊の踊り場
- 7.32. ミヤマクロユリの生育地
- 7.33. 鏡平は小さい沼が点在
- 7.34. 鏡平の木道を進む
- 7.35. 鏡池に写る逆さ槍
- 7.36. 鏡平山荘
- 7.37. ひょうたん池と鏡平山荘
- 7.38. 弓折岳の弓折乗越を目指す
- 7.39. 弓折岳東面山腹をトラバース
- 7.40. 弓折中段
- 7.41. トラバース道中間地点から焼岳と乗鞍岳
- 7.42. 弓折岳東面のトラバース道
- 7.43. トラバース道から鏡平を見下ろす
- 7.44. 弓折乗越まであと少し
- 7.45. 弓折乗越
- 7.46. 弓折乗越に設置されたベンチ
- 7.47. 弓折乗越から望む抜戸岳
- 7.48. ハイマツ帯の稜線
- 7.49. 花見平
- 7.50. 7月下旬の花見平
- 7.51. 花見平から双六岳
- 7.52. 7月下旬の花見平から双六岳
- 7.53. 西鎌尾根に通じる樅沢岳
- 7.54. 樅沢岳の左奥に鷲羽岳
- 7.55. 崩壊地のヘリを進む
- 7.56. くろゆりベンチ
- 7.57. 双六岳と樅沢岳の鞍部の双六小屋
- 7.58. 双六岳と樅沢岳の鞍部を進む
- 7.59. 双六池とテント場
- 7.60. 双六小屋
- 7.61. 双六小屋から樅沢岳へ
- 7.62. 樅沢岳中腹から双六小屋と双六岳
- 7.63. 樅沢岳中腹を進む
- 7.64. 樅沢岳西峰から三俣蓮華岳と鷲羽岳
- 7.65. 樅沢岳西峰
- 7.66. 樅沢岳西峰からハイマツの尾根を下る
- 7.67. 樅沢岳東峰南面をトラバース
- 7.68. 樅沢岳西峰と樅沢岳東峰の鞍部
- 7.69. 樅沢岳東峰の反対側に回り込む
- 7.70. 西鎌尾根の稜線
- 7.71. 左側(湯俣川側)を巻く
- 7.72. 赤岳から硫黄岳へ延びる硫黄尾根
- 7.73. 広い平坦な稜線
- 7.74. 赤岳と硫黄尾根
- 7.75. 鷲羽岳と真砂岳
- 7.76. 小ピークは湯俣川側を巻く
- 7.77. お花畑
- 7.78. 硫黄乗越
- 7.79. 硫黄乗越から西鎌尾根へ
- 7.80. 硫黄ノ頭を飛騨側から巻き終える
- 7.81. 正面に左俣岳
- 7.82. 簡単な鎖場
- 7.83. 左俣岳の飛騨側を巻き終える
- 7.84. 砂礫の登山道周辺は風衝草原
- 7.85. 小ピークを飛騨側から巻き終える
- 7.86. 千丈沢側に移る
- 7.87. 西鎌尾根の核心部まであと少し
- 7.88. 鎖場は千丈沢側から稜線を乗越し蒲田川側に出る
- 7.89. 西鎌尾根核心部
- 7.90. 浮石が多いザレ場
- 7.91. 簡単な鎖場の通過
- 7.92. 正面に槍ヶ岳が迫って来る
- 7.93. 二つの岩稜が鎖場
- 7.94. 最初の鎖場
- 7.95. 狭い鞍部に下る
- 7.96. 30mほどの鎖場
- 7.97. 滑落の危険が無い所に鎖が設置
- 7.98. 鎖場のトラバース
- 7.99. 鎖場終了地点から西鎌尾根を振り返る
- 7.100. 核心部終了
- 7.101. 蒲田川側のトラバース区間
- 7.102. 千丈沢側に出ると槍ヶ岳が大きくなる
- 7.103. 千丈乗越
- 7.104. 千丈乗越から槍ヶ岳への西鎌尾根の稜線
- 7.105. 千丈乗越から千丈沢へ下る踏み跡
- 7.106. 左手に小槍
- 7.107. 槍の穂先まで一直線に稜線が伸びる
- 7.108. ニセ槍の基部を右手側から巻く
- 7.109. ニセ槍の基部から傾斜がきつくなる
- 7.110. ニセ槍
- 7.111. 砂礫と岩礫とが混じる滑りやすい登山道
- 7.112. 槍の穂先が見えて来る
- 7.113. 槍の肩
- 7.114. 槍ヶ岳山荘下から槍の穂先
- 8. 西鎌尾根ルートの動画
- 8.1.1. 槍の穂先を見る
- 9. 槍ヶ岳の他の登山ルート
西鎌尾根から槍ヶ岳ルート地図
- 距離39.0km
- 登り3,047m
- 下り3,041 m
西鎌尾根から槍ヶ岳ルートの難易度
難易度 2/10
ルート | 新穂高温泉(標高1,105m)⇒笠新道分岐(標高1,370m)⇒ わさび平小屋(標高1,400m)⇒小池新道入口(標高1,420m)⇒ 秩父沢出合(標高1,716m)⇒チボ岩(標高1,790m)⇒ イタドリヶ原(標高1,851m)⇒シシウドヶ原(標高2,090m)⇒ 鏡平山荘(標高2,281m)⇒弓折乗越(標高2,557m)⇒ 花見平(標高2,600m)⇒くろゆりベンチ(標高2,618m)⇒ 双六小屋(標高2,548m)⇒樅沢岳(標高2,755m)⇒ 左俣岳(標高2,674m)⇒千丈乗越(標高2,734m)⇒ 槍ヶ岳山荘(標高3,060m)⇒槍ヶ岳(標高3,180m) |
西鎌尾根から槍ヶ岳の体力
体力 3/10 (2泊)
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:5.0リットル、体重60kgの人:6.5リットル、体重75kgの人:8.0リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:9.300Kcal、体重60kgの人:12.090Kcal、体重75kgの人:14.880Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:1.329kg、体重60kgの人:1.727kg、体重75kgの人:2.126kg |
コースタイム
- 登山:新穂高温泉⇒双六小屋 6時間40分、双六小屋⇒槍ヶ岳 4時間30分 合計:11時間10分
- 下山:槍ヶ岳⇒双六小屋 3時間30分、双六小屋⇒新穂高温泉 5時間30分 合計:9時間
- 東京・大阪・京都⇔上高地 さわやか信州号
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山小屋
登山口のアクセス
西鎌尾根から槍ヶ岳ルート
蒲田川に架かるめぐみ橋
新穂高温泉バス終点から蒲田川に架かるめぐみ橋を渡って、左俣谷の林道に沿って登っていきます。1日目は弓折尾根を登り鏡平小屋で宿泊します。約5時間半のコースタイムです。新穂高温泉の駐車場の情報も参照してください。
左俣谷の左岸
登山口の新穂高温泉から西鎌尾根の取り付き点に建つ双六小屋までは約15キロ、標高差約1460mです。舗装された左俣谷の左岸を進みます。左俣谷の左手に穴毛谷を見ながら進み、遠くに聳えるのは笠ケ岳へ通じる稜線です。
中崎橋を渡って蒲田川の右岸に出る
天然クーラーの「お助け風穴」を右手に見送り、中崎橋を渡って蒲田川の右岸に出ます。左手奥に西鎌尾根が見えてきました。右手側に見えるのは奥丸山です。
笠新道登山口
岩小舎沢の押し出しを左手に見送り、間もなく笠ヶ岳へ登る笠新道の登山口が左にあります。ここまで約1時間のコースタイムでした。
笠新道登山口の水場
笠新道登山口の水場。豊富に出ています。ここから10分ほど林道を歩くとわさび平小屋です。
わさび平小屋
笠新道登山口から林道を10分ほど進むと、わさび平小屋があります。林道を挟んで「ワサビの名水」と言われる水場があります。わさび平周辺はブナの巨木に覆われたすがすがしい森が広がり、テント場約30張、風呂も付いています。
下抜戸沢の押し出し
ブナ林を抜けると開けた場所に出ます。下抜戸沢の押し出しが治水工事が行われていました。
小池新道分岐
ここで左俣林道は終わり、左側の小池新道へ入ります。右手の橋を渡って進めば奥丸山へ至ります。更に奥丸山から稜線を北にたどれば西鎌尾根の千丈乗越へ登山道が通じています。
左俣谷右岸の小池新道
左俣谷の右岸に高径草原が広がる小池新道を進みます。 鏡平まで約6.3km 、標高差約810mを登っていきます。正面奥に見える弓折岳の右側を巻くように登山道は付いています。
石畳の登山道
登山道は良く整備されて、石畳の様になっています。低い草木の中をゆっくりと高度を上げて行きます。
灌木帯の大きな石がゴロゴロ
灌木帯に入り大きな石がゴロゴロした所(広葉樹が多いので紅葉時期は美しいでしょう)を登ります。
西鎌尾根を望む
西鎌尾根が良く見えます。稜線の右手方向にわずかに槍ヶ岳が確認できます。
大きな岩の転がる登山道
大きな岩の転がる登山道を登れば展望が開けます。
左上方は大ノマ岳
左上方にあるのは大ノマ岳。この先で大ノマ岳から流れる秩父沢を渡ります。登山道は正面右奥の弓折岳の右側を巻くようになっています。
大ノマ岳を源流とする秩父沢
大ノマ岳から流れる秩父沢に架かる橋が見えてきました。秩父沢の右岸を詰めます。
秩父沢の橋を渡る
大ノマ岳から流れる水量豊富な秩父沢を渡ります。この橋は7月10日頃~10月15日頃まで架けられていて、それ以外は外されるようです。また、ここは休憩の最適地です。正面奥は弓折岳。
大ノマ岳から流れる秩父沢
大ノマ岳から流れる秩父沢を橋の上から撮影。夕立や集中豪雨などによる増水時は十分な注意が必要です。初夏には上部に雪渓が残っています。
秩父小沢の水場
秩父沢を渡るとすぐに小さな沢・秩父小沢があり、木製の簡易橋を渡ります。ここが最後の水場となるので、水筒にたっぷりと水を補給します。
鏡平方向
正面奥のV字地形の先に槍ヶ岳が穂高岳が映る鏡池で有名な鏡平があります。左手上のピークは弓折岳。
チボ岩
チボ岩と呼ばれる岩塊の押し出しを越え、その先で低木帯に入ります。「チボ」とはこの地方の方言で「スリ」や「泥棒」などを意味し、大岩の間に物を落としたら拾えないことからこの名前が付いたそうです。
ナナカマドやダケカンバの低木帯
ナナカマドやダケカンバの低木帯を抜け、展望が開けると再びゴーロ帯へ入っていきます。
ゴーロ帯
上部の谷から岩塊が押し出されたゴーロ帯を進みます。
奥穂高岳、前穂高岳の稜線の右手に焼岳
ゴーロ帯の岩に立ち、左俣沢を振り返る。奥穂高岳から前穂高岳への稜線の右手には焼岳が見えます。
イタドリ群生地
灌木帯を抜け草原帯に入ります。登山道の周辺にはイタドリが多く見られるようになります。
イタドリヶ原
登山道の左手側にはイタドリが群生し、イタドリヶ原と名付けられています。
ダケカンバ交じりの低木帯
イタドリヶ原からダケカンバ交じりの低木帯を登ります。
シシウドヶ原
ダケカンバの低木帯を抜けると展望が開け、タテヤマアザミ、ミヤマキンポウゲなどが目立ち始め、ミヤマシシウドが群生する平原がシシウドヶ原です。
シシウドヶ原のベンチ
シシウドヶ原の道標。ベンチがあります。ここで進路は、急角度で東に向けます。以前、シシウドヶ原から大ノマ乗越に直登し、弓折の稜線に出ることも出来ましたが、現在は荒廃しています。
弓折岳の東斜面を右から巻く
シシウドヶ原から弓折岳の東斜面を右から巻くように進みます。この辺りは既に標高2000メートルを超えていますが、針葉樹林帯が現れて来ません。雪崩が多発する東斜面では針葉樹林が育たないそうです。
雪崩低木林
弓折岳の東斜面を巻き終えると傾斜が緩み、右手に弓折尾根を見ながらゆっくりと登ります。雪崩の多発地帯の植生を指し「雪崩低木林」と呼ばれています。
熊の踊り場
熊の踊り場。木道が設置された平坦の地形を進みます。周辺はキヌガサソウやミヤマクロユリなどが咲く小草原です。正面のV地形の先が鏡平です。
ミヤマクロユリの生育地
熊の踊り場を過ぎ、石段の急坂にさしかかります。ミヤマクロユリの生育地の草原を5分ほど急登すると鏡平に着きます。
鏡平は小さい沼が点在
鏡平に到着です。この辺り一帯に小さい沼が点在します。木道に沿って歩いて行きます。
鏡平の木道を進む
木道を進むと右手に槍ヶ岳や穂高岳が写り込むことで有名な「鏡池」があります。
鏡池に写る逆さ槍
鏡池に写る逆さ槍。右手には穂高岳が雲間にのぞきました。朝方は逆光になる為、撮影時間は午後の方が美しい写真が撮れます。だだし、午後になると雲が湧くのが欠点ですが。湖畔は展望テラスが作られ多くの登山者がシャッターチャンスをうかがっています。
鏡平山荘
鏡池から少し進んだ標高2300メートル地点に建つ鏡平山荘。ひょうたん池の縁に建てられています。小屋前は簀子のテラスがあり、ベンチやテーブルが設置され憩いの場所となっています。営業期間は7月上旬から10月中旬です。
ひょうたん池と鏡平山荘
ひょうたん池の畔に建つ鏡平山荘を後にして、小橋を渡ってひょうたん池を横切り出発します。ここから弓折乗越の稜線まで約1.3km、標高差約280m、約1時間のコースタイムです。
弓折岳の弓折乗越を目指す
ひょうたん池から笹原の間を抜け、ダケカンバの生える支尾根を登り、正面左手の弓折岳の右手鞍部・弓折乗越を目指します。
弓折岳東面山腹をトラバース
ダケカンバの林を抜けると、展望が開けハイマツ帯になります。支尾根を更に登り、弓折岳東面の山腹をトラバースします。トラバース道が右手上の弓折乗越の鞍部に向け伸びているのが見えます。
弓折中段
弓折中段まで来ると森林限界を超え、大きく右側に回り込みながら弓折岳の東面をトラバースし、弓折乗越(右上のV字になっている所)に向かいます。谷側の傾斜は弱いのですが、冬季はやや危険を感じるところです。
トラバース道中間地点から焼岳と乗鞍岳
弓折岳東面のトラバース道中間地点から振り返ると、焼岳とその奥に乗鞍岳がくっきりと見えています。
弓折岳東面のトラバース道
弓折岳東面のトラバース道(あまり斜度はきつくありません)を進みます。ただし、冬季は谷側の傾斜がきついとこがあり、十分注意が必要な感じです。周辺は高径草原が広がりハクサンフウロやミヤマダイコンソウなどが咲くお花畑です。
トラバース道から鏡平を見下ろす
弓折岳東面のトラバース道から鏡平を見下ろす。鏡平山荘の赤い屋根と鏡池、ひょうたん池が青く光っています。
弓折乗越まであと少し
トラバース状に弓折岳の山腹をからみ、高度を上げて行きます。弓折乗越はあと少しです。
弓折乗越
弓折乗越。穂高岳から槍ヶ岳の展望を楽しみながらベンチで休憩します。左方向は、弓折岳から連なる稜線の先に笠ヶ岳があります。今回は右手方向の双六小屋へ向かいます。
弓折乗越に設置されたベンチ
弓折乗越に設置されたベンチと、眼下には鏡平が見えています。左眼下に深く切れ落ちた左俣谷の先に西鎌尾根から伸びる槍ヶ岳が天を突いて聳えています。ここから双六小屋までは約2,5キロの稜線を約1時間のコースタイムです。
弓折乗越から望む抜戸岳
弓折乗越から少し登った所から振り返る。稜線の先に抜戸岳が見えます。笠ヶ岳は抜戸岳の奥にあり、ここからは見えません。また左手奥には焼岳や乗鞍岳が見えています。
ハイマツ帯の稜線
双六小屋に向け、ハイマツ帯の稜線を登下降を繰り返しながら進みます。百名山の鷲羽岳が頭の部分だけ見えます。
花見平
周辺にお花畑が広がる花見平を行く。遅くまで雪田がある所です。雪田の周辺にはお花畑が広がり、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、タテヤマリンドウ、ミヤマクロユリなどが咲き競う場所です。
7月下旬の花見平
ハクサンイチゲやシナノキンバイの群落。(7月下旬 上記写真と同じ場所)
花見平から双六岳
花見平から望む山頂が平坦な双六岳。双六岳の右手側鞍部に双六小屋が建っています。弓折の稜線には数多くのお花畑が点在しますが、最も規模の大きいのが花見平です。高山植物の最盛期は例年7月下旬から8月中旬にかけてです。
7月下旬の花見平から双六岳
7月下旬に花見平に咲くハクサンイチゲやシナノキンバイ(上記写真と同じ場所)
西鎌尾根に通じる樅沢岳
木道を進みます。正面奥に見えるのは西鎌尾根に通じる樅沢岳です。周辺には高径草原の高山植物が豊富に分布しています。写真は9月中旬の様子で、花の時期は終わっています。
樅沢岳の左奥に鷲羽岳
右手の樅沢岳の左奥には鷲羽岳、そしてその先に重なるように水晶岳が見えてきました。土砂の崩壊を防ぐ為に登山道は木で補強されています。稜線の先に赤ザレた崩壊地が見えています。
崩壊地のヘリを進む
崩壊地のヘリを進みます。谷側の傾斜は緩いので、滑落の危険はありません。
くろゆりベンチ
右手は樅沢岳(もみさわだけ)。双六小屋から樅沢岳へ登り、西鎌尾根へと入り、槍ヶ岳へ至ります。
双六岳と樅沢岳の鞍部の双六小屋
左手の双六岳と樅沢岳の鞍部に建つ双六小屋が見えてきました。この先で、ハイマツ帯を巻きながら下ります。そして、双六小屋の奥には日本百名山の鷲羽岳と、その左手奥に重なるように水晶岳が聳えています。
双六岳と樅沢岳の鞍部を進む
左手側の双六岳と右手側の樅沢岳の鞍部を進みます。木道を進みハイマツの間を抜けると双六小屋です。
双六池とテント場
お花畑が広がる平坦地を進んだ先に双六池が見えます。その周辺には約60張設営可能な広いテント場があり、双六小屋が建っています。双六小屋の奥に鷲羽岳が頭を覗かせています。
双六小屋
改築間もない双六小屋の内部は綺麗です。後ろの丸い山は双六岳。双六岳の往復は約1時間半です。水場は無料で使えます。登山口の新穂高温泉からは約7時間30分のコースタイムです。
双六小屋から樅沢岳へ
双六小屋からスタートします。ここから槍ヶ岳山荘までは約5時間のコースタイムです。樅沢岳へは西鎌尾根に通じる広い尾根をジグザグに急登します。右手は冬季避難小屋です。
樅沢岳中腹から双六小屋と双六岳
樅沢岳中腹から双六小屋を振り返る。手前の赤い屋根が冬季避難小屋。双六岳は丸いなだらかな山容です。
樅沢岳中腹を進む
樅沢岳中腹を進む。石屑の登山道をジグザグに登ればハイマツ帯に入り、しばらくすると樅沢岳西峰です。
樅沢岳西峰から三俣蓮華岳と鷲羽岳
標高2755m樅沢岳西峰近くから振り返る。左上が三俣蓮華岳、右上が鷲羽岳。
樅沢岳西峰
樅沢岳西峰。眺望の良いピークで、進行方向に槍ヶ岳に伸びる西鎌尾根が見えます。右手方向に双六岳から弓折岳・抜戸岳と連なり、百名山の笠ケ岳まで大観が広がっています。
樅沢岳西峰からハイマツの尾根を下る
樅沢岳西峰からハイマツの尾根を一旦下り、樅沢岳東峰の山腹を巻きながら進みます。西鎌尾根が大小いくつかのピークを作り槍ヶ岳に突き上げています。
樅沢岳東峰南面をトラバース
樅沢岳西峰から下り、正面の黒々とした樅沢岳東峰は南面をトラバースして越えます。ハイマツ帯ぎりぎりに登山道が付いているの見えます。
樅沢岳西峰と樅沢岳東峰の鞍部
樅沢岳西峰から下り切った所から撮影。トラバース道の谷側の斜面は緩く、問題なく通過できます。ハイマツ帯を抜け、樅沢岳東峰の反対へ出て行きます。
樅沢岳東峰の反対側に回り込む
ハイマツ帯を抜けて樅沢岳東峰の反対側に回り込みます。周辺のお花畑にはミネウスユキソウの群落が広がっています。西鎌尾根が槍ヶ岳に向け伸びています。槍ヶ岳から左手に伸びるギザギザした尾根は北鎌尾根です。
西鎌尾根の稜線
樅沢岳東峰からハイマツ帯を下ります。西鎌尾根の稜線に沿って登山道がくっきり見えます。小ピークを左から巻いた先の鞍部が硫黄乗越です。左側のゴツゴツした赤みを帯びた山は赤岳です。
左側(湯俣川側)を巻く
正面ピークは左側(湯俣川側)を巻きます。そして左手側に赤岳・硫黄岳が大きく見えています。一般登山道は赤岳にはいたっていません。奥に見える稜線は常念山脈で、ピラミッドの様な形の常念岳が確認出来ます。
赤岳から硫黄岳へ延びる硫黄尾根
湯俣川側の斜面を進みます。左手前方は、赤い岩肌が特徴的な硫黄尾根が赤岳から硫黄岳へ続いています。その遠望は常念山脈の燕岳、登山道を延長した先に見える山は常念岳です。この先、一つの小ピークを超えれば鞍部が硫黄乗越です。
広い平坦な稜線
広い平坦な稜線を進みます。槍ヶ岳の尖った姿が象徴的です。
赤岳と硫黄尾根
西鎌尾根の稜線から赤い岩肌の赤岳とそれに連なる硫黄尾根を写す。初夏になると周辺はハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、コバイケイソウなどの大群落が広がるお花畑です。
鷲羽岳と真砂岳
左手方向を望む。正面中央の山が鷲羽岳。そこから右に連なる稜線を辿れば真砂岳が聳えています。右下の谷は湯俣川の源頭部の硫黄沢です。
小ピークは湯俣川側を巻く
手前の丸い小ピークを湯俣川側を巻いた鞍部が硫黄乗越です。その奥のピークは硫黄ノ頭で、山頂の右側を進みます。
お花畑
なだらかな稜線の先に硫黄乗越があります。山腹は広いお花畑が広がり、花期にはミネウスユキソウ、イワオウギ、ウサギギク、ミヤマシシウド、コバイケイソウなどが咲きます。
硫黄乗越
硫黄乗越から振り返って撮影。稜線を辿ると山頂部が平坦な山が樅沢岳西峰で、その奥の鞍部に双六小屋があります。
硫黄乗越から西鎌尾根へ
硫黄乗越から西鎌尾根に入ります。硫黄ノ頭は飛騨側(右側)のハイマツ帯を巻いて通過します。
硫黄ノ頭を飛騨側から巻き終える
硫黄ノ頭山頂部を飛騨側から巻き終えると下りになります。途中の岩場には鎖が設置されています。正面の小ピークが左俣岳です。
正面に左俣岳
正面の岩の右側を下っていきます。そこは簡単な鎖場になっています。正面の左俣岳は飛騨側を巻きます。
簡単な鎖場
斜度が弱く、登山道だ幅も十分あるので谷側への滑落はありえません。簡単な通過のため鎖はほとんど使われていません。
左俣岳の飛騨側を巻き終える
標高2674メートルの左俣岳は山頂を通らず、飛騨側を巻き終えた所から西鎌尾根の稜線を写す。ここからしばらくの区間比較的なだらかな稜線が続きます。右手に見えるギザギザした岩稜帯は穂高岳です。
砂礫の登山道周辺は風衝草原
この先で飛騨側のハイマツ帯を抜けていきます。砂礫の登山道周辺の風衝草原には背の低いタイプのイワツメグサ、タカネシオガマなどの高山植物が花を咲かせます。
小ピークを飛騨側から巻き終える
小ピークを飛騨側から巻き、ハイマツ帯の中のなだらかな稜線が続きます。少し先で千丈沢側に移り、正面の小ピークは左から巻いて通過します。
千丈沢側に移る
千丈沢側に移り進みます。この辺りも高山植物が豊富な所です。前方に見える小ピークから岩場にさしかかります。
西鎌尾根の核心部まであと少し
岩稜帯の通過が近づいて来ました。西鎌尾根の核心部はあと少しです。
鎖場は千丈沢側から稜線を乗越し蒲田川側に出る
正面ピーク部が鎖場になっています。千丈沢側から稜線を乗越し蒲田川側に出ます。
西鎌尾根核心部
蒲田川側に出ると足場の悪い岩稜帯となります。右上方のピーク部が鎖場です。ここから西鎌尾根核心部に入ります。
浮石が多いザレ場
鎖場になっていますが傾斜は緩く、鎖を使う必要なく登れます。しかし、登山道はザレていて浮石が多いのでスリップには注意です。登山者のいる所を登り上げると、更にその上に鎖場があります。
簡単な鎖場の通過
先の鎖場を越え、少し下って登り返した所も鎖場です。木箱を積み上げた様な岩が重なり合った鎖場です。傾斜は緩く、ここも鎖を使う必要の無い簡単な通過です。
正面に槍ヶ岳が迫って来る
鎖場を登り上げると正面に槍ヶ岳が迫ってきます。正面の岩稜帯が西鎌尾根の核心部です。核心とはいえ、いたって簡単な通過です。
二つの岩稜が鎖場
正面の二つある岩稜が鎖場になっています。一旦鞍部へ下り、登り返した所に鎖が設置されています。
最初の鎖場
最初の鎖場は傾斜が緩く、まったく高度感はありません。15メートルほどある鎖は必ずしも使う必要も無く、登山初心者の鎖場体験にちょうど良いと思います。
狭い鞍部に下る
前写真の鎖場を登り上げ、今度は狭い鞍部に下ります。ここも鎖場ですが極めて簡単な通過です。鞍部から再び登って行きます。
30mほどの鎖場
鞍部から少し登ると平坦な稜線となり、正面の岩稜も30メートルほどの鎖場になっています。
滑落の危険が無い所に鎖が設置
谷側の傾斜は弱く、滑落の危険は無い所に鎖が設置されています。30メートルほど続く鎖はほとんど使用されていません。
鎖場のトラバース
前写真の岩稜の上部まで登って来ました。鎖場のトラバースになっていますがまったく難しくありません。
鎖場終了地点から西鎌尾根を振り返る
鎖場終了地点から西鎌尾根を振り返る。黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳などが見えています。
核心部終了
ここで核心部は終了して、蒲田川側をトラバース気味に進み、千丈沢側に移ります。槍ヶ岳山荘までは岩登りはありません。正面奥の山は大喰岳(おおばみだけ)です。
蒲田川側のトラバース区間
蒲田川側のトラバース区間は谷側斜面の傾斜は緩く、危険な通過ではありません。
千丈沢側に出ると槍ヶ岳が大きくなる
千丈沢側に出ると槍ヶ岳が大きく見えてきます。鎌の様に切り立った稜線が山頂まで伸びています。ここから少し進むと右手側に飛騨沢ルートから登り上げる千丈乗越分岐があります。
千丈乗越
標高2720mの千丈乗越です。千丈乗越から奥丸山を経由し中崎尾根を下り新穂高温泉へ至るルートもありますが、一般道ではありません。
千丈乗越から槍ヶ岳への西鎌尾根の稜線
千丈乗越から槍ヶ岳へ至る西鎌尾根の稜線を写す。槍の肩まで約1.2km 、標高差約360mを登ります。稜線の左右の斜面はさほど傾斜はきつくありません。千丈乗越から右手に下れば飛騨沢ルートに合流します。
千丈乗越から千丈沢へ下る踏み跡
千丈乗越から西鎌尾根を振り返る。稜線の右側に登山道が見えます。右下に千丈乗越から千丈沢へ下る踏み跡がかすかに見えますが、現在はほぼ廃道に近い状態になっています。
左手に小槍
千丈乗越から槍ヶ岳へ向かいます。初めは比較的なだらかな稜線の飛騨側(右側)のザレた斜面をゆっくり登ります。左手に小槍が大きく聳えて見えます。
槍の穂先まで一直線に稜線が伸びる
前方の大岩・ニセ槍は右から巻きます。右手側に目を転ずると飛騨沢を登るルートがジグザグを描いています。
ニセ槍の基部を右手側から巻く
尖った岩稜・ニセ槍を仰ぎながらその基部を右手側から巻いて行きます。
ニセ槍の基部から傾斜がきつくなる
前方の岩稜・ニセ槍の基部辺りから傾斜が一気にきつくなります。浮石が多くなり、スリップや転倒には注意です。
ニセ槍
ニセ槍の少し上から西鎌尾根を振り返る。黒部源流の峰々が連なっています。
砂礫と岩礫とが混じる滑りやすい登山道
ニセ槍を越えると更に傾斜が増し、砂礫と岩礫とが混じる滑りやすい登山道は、なかなか高度を上げるのが大変です。疲れた体に鞭打って、左側に回り込んでジグザグに登れば槍ヶ岳山荘が建つ槍の肩に飛び出します。
槍の穂先が見えて来る
稜線に上がり槍の穂先が見えてきました。右方向に進むと槍の肩で、槍ヶ岳山荘があります。槍の穂先の左手側に小槍の先端部分が見えています。
槍の肩
正面が槍の肩で、右手に槍ヶ岳山荘があります。左手側には槍の穂先です。
槍ヶ岳山荘下から槍の穂先
槍ヶ岳山荘下から槍の穂先を写す。巨大な槍の穂先が天を突いています。。その横に控えるのは小槍。小槍と言っても高さ80メートルの岩峰です。槍の穂先のルート案内は槍沢ルートをご覧ください。