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前掛山(浅間山) 浅間山荘(火山館)コース

前掛山(浅間山) 浅間山荘(火山館)登山コース概要

登山コース案内

浅間山荘の駐車場(1日500円)にマイカーを停め出発です。(浅間山荘の天狗温泉は、鉄分により赤みを帯びた濁り湯冷鉱泉で、日帰り温泉として下山時に入浴ができます。)
駐車場横の登山口には公衆トイレと登山届、そして火山活動レベル表示があります。

登山口からしばらく樹林帯の中のなだらかな登りが続きます。 一ノ鳥居をくぐった所で、山側コースと谷側コースとに分岐します。

蛇堀川に沿って谷側コースを進むと、20分ほどで不動滝に到着します。 不動滝は水量があまり無い為、迫力に欠ける小さな滝です。
不動滝を過ぎると傾斜が増し、ジグザグに登るとニノ鳥居です。 ニノ鳥居で山側コースと合流し、「長坂」と呼ばれる急坂がしばらく続きます。

急坂が終わると展望が開け、右手側には牙山、左手側にはトーミの頭から続く岩稜が見えてきます。
登山道沿いに建つ中開霊神の石碑をやり過ごし、硫黄の匂いのするザレ場を通過すると火山館に到着します。

火山館は無料休憩所として一般に開放されていて、テラス、公衆トイレが完備しています。 また、火山館の一階は急な噴火に備えてシェルーとなっています。 水は豊富に出ていますので、給水には困りません。

火山館の少し上にある浅間神社の脇を登ると、登山道は平坦となり、湯の平口分岐でトーミの頭方面の草スベリルートを左に見送り、 湯の平高原の先に広がるトーミの頭から続く第一外輪山(黒班山・蛇骨岳・三人岳・鋸岳)の素晴らしい景色を堪能し、樹林の中へ入ります。

前掛山登山口分岐でJバンド方面を左に見送り、少し登った所から完全に展望が開け、前掛山の全貌が姿を現します。
前掛山の山腹を斜め方向に登って行くと、次第に傾斜がきつくなり、分岐から1時間ほどで「立入禁止警告板」のある所に到着します。
立入禁止警告板の記載内容
【ここから火口までは立ち入り禁止(警戒区域)です。特に火口付近は崩れやすく、滑落する危険があります。又、有毒火山ガス(硫化水素・二酸化硫黄)による事故の恐れもあります。立ち入ると法律により罰せられることがあります。下山は必ず小諸口へ】

浅間山火口はこの場所から15分ほどの所にあり、登山道もありますが、現時点ではロープが張られ立ち入りできません。

ここから前掛山山頂へは第二外輪山に沿って進みます。 シェルターが2棟設置された脇を通り越し、比較的なだらかな第二外輪山の稜線を登ると前掛山山頂です。
山頂からは360度の展望があり、浅間山の噴火口の一部分を垣間見ることができますが、中を覗き込むことはできません。

浅間山噴火の歴史

  1. 数百万年前
    浅間山では、数百万年前から火山活動が起こりました。数百万年前に鼻曲山・菅峰・烏帽子岳などが、数10万年前には高度山・高嶺山・籠ノ登山・三方ヶ峰などが出来ました。これらが活動を辞めた後、10万年前頃から、黒斑山が噴火をはじめ、標高2800m程の成層火山に成長しました。吹き上げられた火山灰や軽石は、関東保護区に積もって関東ローム層を作りました。

  2. 2万2千年前
    黒斑火山の活動の最後の時期、約2万2千年前に大爆発が起こって、山頂の東半分が崩れ落ち、大きな岩雪崩(岩屑流)が起こって南側と北側の裾野まで広がりました。このため、南軽井沢のあたりでは川の流れがせき止められて湖が出来ました。北側の東側では泥流が発生して前橋あたりまで流れ下りました。山頂の西半分は現在、外側外輪山となって残っています。

  3. 2万年前
    黒斑山の山頂が崩れ落ちた後に、新しく噴火が起こりました。大量のデイサイトの溶岩が流れ出して平たい山(盾状火山)の仏岩火山を作りました。小浅間山と離山はこの頃出来た溶岩円頂丘です。白糸の滝に露出する軽石や雲場の軽石はその時の噴出物です。

  4. 1万3千年前
    仏岩溶岩流の噴火の後、しばらく活動は休止しました。1万3千年前頃に再び大噴火が起こり、大量のデイサイトの軽石と火山灰が噴き出され、一団となって山腹を流れ下りました。これは火砕流の一種の軽石流です。前の3回に渡って流れ、南側と北側の裾野一帯に広がり、数十メートルの厚さで積もりました。吹き上げられた軽石と火山灰は関東北部にも広がって積もりました。

  5. 約900年前
     前掛火山は数千年前から成長を始めました。およそ10回ほどの大噴火があり、縄文時代の中期、4世紀中頃、1108年(天仁元年)、1783年(天明3年)に大噴火がありました。天仁元年の噴火では、火砕流(追分火砕流)が南側と北側に流れ、溶岩流(上の舞台溶岩流)が北側斜面に流れ下りました。内側外輪山はこのとき山頂が陥没して出来たと考えられています。

  6. 現在
    最後の大噴火は1783年(天明3年)に起こりました。大量の軽石を噴きあげ、火山弾を含む火砕流(吾妻火砕流)、巨大火山弾を含む火砕流(鎌原火砕流)とそれに伴った岩屑流・泥流・溶岩流(鬼押し出し溶岩流)を噴出して大きな災害を引き起こしました。その後は爆発を繰り返して、前掛山の内側に中央火口丘の釜山の成長が続きました。

白糸の滝

白糸の滝

白糸の滝に露出する軽石。2万4300年前に塚原土石なだれが堆積したあと、シルトや粘土層として堆積し、不透水層を作りました。  2万0800年前に噴火した白糸軽石の上に、その後浅間山から何度も噴出した軽石や火山灰などが20メートルほど積み重なっています。その境目から湧水が滝となって流れ落ちています。

白糸の滝は、白糸ハイランドウエイ・観光有料道路の途中にあって、湯川沿いの駐車場やお土産店がある場所から約200m歩いた所です。地質学的な詳しくは滝の地学記録カード 浅間火山東麓 湯川水系 白糸の滝をどうぞ。




画像一覧

浅間山荘駐車場 一日500円。登山口の浅間山荘へは長野新幹線佐久平駅から小諸駅を経由して高峰高原行バスに乗り、チェリーパークラインの浅間橋で下車。野馬取湯の平林道を4kmを1時間20分かけて歩きます。又宿泊者は、浅間橋バス停まで送迎があります。

浅間山荘横にある鳥居をくぐって登山開始です。浅間山荘は通年営業なので車道は除雪され、冬季のマイカーでのアクセスも問題ありません。

鳥居をくぐると水洗式公衆トイレがあります。

公衆トイレの横に浅間連峰遭対協小諸支部詰所の小さなプレハブが建ち登山届ポストがあります。この日は人影がありませんでしたが、繁盛期には登山案内のために常駐しているようです。

広葉樹が作る木漏れ日のなだらかな登りがしばらく続きます。カラマツや赤松に樹相が変わり、30分ほど歩くと、一ノ鳥居に到着します。

剣ヶ峰から南西に伸びるヒサシゴーロ尾根の麓にある一ノ鳥居。ここで山側コースと谷側コースに分かれます。火山館コース(湯ノ平コース)には修験道の歴史を感じさせる鳥居や石碑などが登山道の傍らに数多く存在しています。

一ノ鳥居から谷側コースを進み、蛇堀川を丸太橋で渡って右岸に出ます。この川の水は硫黄分が含まれており、酸味が強いので飲料には適しません。

蛇堀川に落ちる不動滝。水量及び高さとも迫力に欠けます。夏の暑い時期には飛び散る水しぶきで涼をとるのも悪くないかもしれません。

不動滝から傾斜が増し、九十九折の急登です。

平坦地で休憩の最適地となっている二ノ鳥居。ここで山側コースと合流します。ここから「長坂」呼ばれる急坂が続きます。

「長坂」の急坂が終わると樹林帯を抜け、カモシカ平の展望が開ける場所になります。しばらく背の高い笹原の中の緩斜面を進みます。正面の岩峰は牙山です。

左手側に第1外輪山の一角「トーミの頭」から黒斑山〜蛇骨岳〜鋸岳へと続く岩稜が見えてきました。ここで振り返ると、小諸盆地の街並みが広がっているのが見えます。

かつて修験の山であったことを伝える「浅間山開闢祖中開霊神」の石碑が登山道沿いに建っています。右手の岩峰は牙山です。

第1外輪山を形成している岩峰群。中央の尖っている所がトーミの頭、左手に槍ヶ鞘(赤ゾレの頭)などの岩峰群が迫力ある姿でそそり立ち登山者を魅了します。

蛇堀川の源頭部の右岸を進みます。針葉樹林帯越しに浅間山(前掛山)が見えてきました。

浅間山が火山であることを如実に表した荒涼とした風景です。この先で右に進路を変え、少し登った所に火山館があります。

蛇堀川の源頭部では硫黄の噴出により砂礫の斜面が黄色く変色しています。そして、硫黄の匂いが周辺に立ち込めています。

右に方向を変え登ります。針葉樹林帯の中に入ると間もなく火山館、浅間神社です。

前写真の位置から振り返る。蛇堀川の左岸にそそり立つ牙山の鋭い山容が印象的です。

鳥居をくぐると火山館です。平成11年に建てられた木造2階建てのログハウス調の綺麗な建物です。

火山館は浅間山の噴火時に避難所(1階がシェルターとなっている)を兼ねた休憩施設です。左手に公衆トイレと水道(水場)があります。

火山館の簡易水洗式公衆トイレ。運営費のために協力金をポストに入れてください。

火山館トイレ内部は綺麗に保たれています。浄化槽を備えた水洗トイレは屋根に取り付けられた太陽光発電が電源となり、環境に配慮された造りとなっています。

火山館の水道の蛇口から豊富な水が流れています。水の補給に心配はありません。

火山館の外にはベンチとテーブルが設置されています。

学習施設として活用される火山館内部。資料展示室が併設され、無料で休憩できます。館長が常駐し、自然保護と遭難防止対策の拠点として、重要な役割を果たしています。

火山館1Fの噴火対策用のシェルター(避難壕)。もちろん扉に鍵はかけられておらず、いざという時に逃げ込めるようになっています。

火山館から望むトーミの頭と槍ガ鞘の岩峰はアルペンムードが漂っています。湯ノ平口から草スベリを登るルートは、トーミの頭の右手側のルンゼを登っています。

火山館のすぐ上の浅間神社の脇を登っていきます。少し登ると平坦な地形となります。

太古の昔の噴火口跡といわれる湯ノ平の平坦な登山道を進みます。7月上旬頃からハクサンイチゲの群落が広がる場所です。正面に連なる山々は第一外輪山の蛇骨岳〜仙人岳です。

湯の平口分岐。左手方向に入ると草スベリルートが鋭く尖った岩峰・トーミの頭の右手の稜線上に通じています。ここでは湯ノ平を直進し、前掛山登山口を目指します。

湯ノ平口分岐から鳥のさえずりを聞きながら少し進んだ所で展望が途切れ樹林帯の中に入ってきます。

針葉樹林帯に入り北東方向に進路を進め前掛山登山口分岐に至ります。左方向は賽の河原からJバンドを経由して黒斑山に至るルートです。ここでは、右方向の前掛山へ向かって登ってきます。

少し登った所で樹林帯を抜け展望が開けてきます。浅間山の第2外輪山の一角にある前掛山が見えてきました。前掛山分岐から先は浅間山の噴火状況(噴火レベル2以上)で登山規制が発せられます。

ここで森林限界を超え見上げると、前掛山(浅間山)が流線型に裾野を広げています。

火山特有の砂礫の道を北東方向に登ります。前掛山山頂から幾筋も縞状に描かれた地形は、火山灰が流れてる出来たものです。

振り返って撮影。第一外輪山を形成するトーミの頭から黒班山へと続く岩峰群が青空を突き抜く姿は格別に美しい。

花期は終わっていますがオンタデの群生が辺りを覆っています。

更に登って振り返って撮影。浅間山屈指の展望と呼ぶに相応しい第一外輪山全景。眼下には賽ノ河原から湯ノ平の平原が広がり、蛇骨岳と仙人岳の火口壁では岩石がむき出しになった荒々しい岩峰が連なり、左手黒斑山周辺では緑に覆われた美しい山容を成しています。

浅間山本峰の山頂が見えてきました。

立ち入り禁止警告板。奥のピークが浅間山で登山道が付いていますが、現在噴火口を見ることはできません。

前写真の位置から第2外輪山の一角をなす前掛山を写す。少し先に登山者避難用シェルターが見えています。

右は2007年11月に再建された総工費2500万の登山者避難用シェルター。浅間山の噴石(焼け石)で覆うことで噴石の衝撃を和らげることができるようです。高さ約2,8m、幅約3,9m、長さ約9mで立った状態で約100人収容可能です。

第二外輪山に沿って回り込むように前掛山に向かいます。

荒涼とした第2外輪山を進む。前掛山はもう少しです。

標高2524mの前掛山。山頂から更に外輪山を進んだ先の標高2493.4m地点に三角点が設置されています。

第2外輪山の前掛山山頂から望む浅間山。写真で分りにくいですが、大きく陥没した先に浅間山本峰があります。火口はここからは見えません。

直径約250mの浅間山の火口。火山活動が平穏の時に撮影。噴火口からは僅かに噴煙が立ち上るだけです。正面の一番高い所が標高2586mの浅間山山頂に当たります。

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前掛山(浅間山) 浅間山荘(火山館)コース地図

前掛山(浅間山) 浅間山荘(火山館)コース詳細情報

ルート 9月26日
浅間山荘登山口 (標高1,410m)⇒一ノ鳥居 (標高1,560m)⇒不動滝⇒二ノ鳥居 (標高1,670m)⇒火山館 (標高1,995m)⇒湯の平口(標高2,000m)⇒前掛山登山口(標高2,010m)⇒前掛山(標高2,493m)
コースタイム 登山:浅間山荘登山口⇒前掛山 4時間
下山:前掛山⇒浅間山荘登山口 2時間50分
駐車場/トイレ 浅間山荘駐車場(1日500円 約50台)
【トイレ】 浅間山荘前に公衆トイレ、火山館
核心部 難しい所はありません。
難易度 [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1
飲料水必要量 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.71リットル、体重60kgの人:2.22リットル、体重75kgの人:2.73リットル
消費カロリー 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:3.176Kcal、体重60kgの人:4.129Kcal、体重75kgの人:5.082Kcal
燃焼脂肪量 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.454kg、体重60kgの人:0.590kg、体重75kgの人:0.726kg
標高差 距離 6.1km 最大標高差 1106m 平均斜度 全体:18.2% 上り:18.4% 下り:0% 獲得標高 上り:1092m 下り:0m
山小屋 浅間山荘
登山口へのアクセス 浅間山荘へのアクセスの詳細はこちら


次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。

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「19.浅間山・軽井沢」に収録されています。
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