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谷川岳・西黒尾根登山ルート概要
登山コース案内
谷川岳ロープウェイ土合口から車道を歩くと登山指導センターがあり、水場、登山届、トイレなどが完備されています。
さらに車道を5分ほど登ると西黒尾根登山口です。
西黒尾根コースは、1931年(昭和6年)にJRの清水トンネルが出来ると、交通の便が一気に良くなり、夜行列車を利用した登山者が列を成すほどのメインコースでした。
谷川岳ロープウェイが出来ると人気は天神尾根ルートに取って代わりましたが、北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根、南アルプス甲斐駒ケ岳の黒戸尾根と並ぶ日本三大急登の一つとして現在でも根強い人気のあるルートです。
登山口から樹林帯の中の単調の急坂が2時間ほど続きます。
樹林帯を抜けた辺りから西黒尾根は次第に稜線が狭くなり、同時に素晴らしい展望が開けてきます。
西黒尾根と東尾根との間に作られた絶壁に、東方向に刻まれたマチガ沢の絶景は、このコースの醍醐味です。
稜線が狭くなると同時に、岩場の傾斜が増し、「ラクダの背」と呼ばれる小ピークの下に三か所の鎖場があります。
特に最初に現れる鎖場が核心部で、8mほどの長さがありますが、高度感はさほどなく、難易度は高くありません。
しかし、岩がツルツルして滑るため下山時は要注意です。
三か所の鎖場を登り切ると「ラクダの背」に到着します。「ラクダの背」はザックをおろして休めるほどの広さがあり、しばらく谷川岳のトマノ耳とオキノ耳の絶景を楽しんでから出発します。
「ラクダの背」から少し下った所を「ガレ沢のコル」と呼び、ここで右方向に巌剛新道を分けます。
「ガレ沢のコル」から稜線を進み、少し登った所からごつごつした岩場の登りになります。
岩場には長い鎖が架かっていますが、傾斜は緩く高度感はありません。
岩場を登り切ると再び谷川岳のオキノ耳、トマノ耳が姿を見せ、左上にはザンゲ岩が見えてきます。
狭い岩場の稜線を進み、ザンゲ岩下部にあるツルツルと滑る一枚岩を慎重に登ると、山頂はあと少しです。
十字架の様に見えるケルンの上に作られた指導標が見えると、長かった西黒尾根も終わりです。
ケルンの下に立つ西黒尾根指導標の看板には、「初心者下山不向き、中級者以上(健脚者向き)」と書かれています。
※ここから先は天神尾根ルートをご覧ください。
谷川岳の氷河地形
西黒尾根のザンゲ岩のすぐ下に氷河の跡と呼ばれる一枚岩があります。その岩に同じ方向に削られたキズが出来ています。擦痕と呼ばれるこのキズは、氷河と共に流れる岩が付けたものであることが判明しています。又、一ノ倉沢・マチガ沢・幽ノ沢には氷河によって削り取られた堆積物の高まりであるモレーンが確認されています。最近の研究により、谷川岳に氷河が存在した事は間違いない事実となっています。
画像一覧
谷川岳登山指導センターの水場。群馬県谷川岳遭難防止条例に基づいて設置された施設で、開設期間は2月中旬から11月下旬で、午前5時〜午後8時まで4人の登山指導員が交代で勤務しています。登山についての質問は0278・72・3688へどうぞ。
ブナやナラの樹林帯の登りが約2時間続きます。登山口から15分ほど登ると送電線の鉄塔がある広場に着きます。登山道沿いの林床には、初夏になるとムラサキヤシオツツジの紫色の花やエゾアジサイなどの花が見られます。
3番目の鎖場を登り上げると平坦な稜線となり、展望が開けます。左手方向には天神平の谷川岳ロープウェイの駅舎がはっきりと見えます。すぐそこ正面の平坦なピークが「ラクダの背」あるいは、「ラクダのコブ」と呼ばれる場所です
ラクダの背から望む谷川岳(中央の尖ったピークがトマノ耳です。)。西黒尾根に付けられた登山道がくっきりと見えます。右側に深く切れ落ちた谷がマチガ沢で、その谷を作る東尾根がオキノ耳に向かって突き上げています。
狭い稜線に飛び出しました。この辺りから望む谷川岳は大変見応えがあり、撮影の絶好ポイントと言えます。オキの耳から連なる東尾根のシンセン岩峰や双耳峰の谷川岳(オキノ耳、トマノ耳)から垂直落ちる岩壁など素晴らしい景観です。
西黒尾根の稜線を振り返る。狭い稜線に沿って登ってきたことがよく見えます。稜線の左手側はほぼ垂直に切れ落ちた断崖絶壁ですが、右手側は比較的なだらかなスロープを描いています。登山道は右手側に付いているので滑落の心配はありません。
左上の十字架の様に見えるのはケルンの上に作られた鉄製の立派な指導標です。指導標が立つ所が肩の広場で、そこから左手方向に少し進んだ所に肩の小屋が建っています。左の丸いピークがトマノ耳、右ピークがオキノ耳です。
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谷川岳・西黒尾根登山ルート地図
谷川岳・西黒尾根登山ルート詳細情報
ルート | 谷川岳ロープウェイ(標高750m)⇒ラクダの背(標高1,516m)⇒ザンゲ岩(標高1,750m)⇒トマノ耳(標高1,963m) |
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コースタイム | 登山:谷川岳ロープウェイ⇒トマノ耳 4時間10分 下山:トマノ耳⇒谷川岳ロープウェイ 3時間20分 |
駐車場 | 谷川岳ロープウェイ駐車場 500円 ※冬季は無料 |
核心部 | ラクダの背の下部の鎖場 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 3.5 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:1.88リットル、体重60kgの人:2.44リットル、体重75kgの人:3.00リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:3.488Kcal、体重60kgの人:4.534Kcal、体重75kgの人:5.580Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.498kg、体重60kgの人:0.648kg、体重75kgの人:0.797kg |
標高差 | 距離 3.1km 最大標高差 1114m 平均斜度 全体:35.6% 上り:36.2% 下り:0% 獲得標高 上り:1103m 下り:0m |
山小屋 | 谷川岳肩の小屋 TEL.090-3347-0802(管理人 森下孝男 TELは:8時〜16時を希望) 営業期間: 4月下旬〜11月上旬 |
登山口へのアクセス | 谷川岳ロープウェイへのアクセスの詳細はこちら |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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