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丹沢・大山登山ルート概要
大山登山ルート
関東の信仰の山として名高い大山は丹沢の東端に位置して、ピラミッド型をした山容で、神奈川県厚木市、伊勢原市、秦野市にまたがった標高1,252mの山です。
鳥取県の伯耆大山と混同しないように相模大山と呼ばれることもあります。また、雨降山・阿夫利山とも呼ばれていました。
小田急線伊勢原駅北口から神奈川中央交通バスに乗り終点で下車し、15分ほど大山ケーブル追分駅に向け表参道を歩きます。
参道は中店と呼ばれ、お土産店や豆腐料理の店が軒を連ねています。
大山ケーブルカーは追分駅と下社間の標高差260mを6分で登ってしまうため、参拝客や観光客などに交じって登山者にも多く使われています。
ここでは途中駅で下車し、大山寺を参拝して女坂を登り阿夫利神社下社(あふりじんじゃ)に向かうコースで登ります。
阿夫利神社下社の左側の鳥居をくぐって登山道がはじまります。
うっそうとした杉林の中を登ると、16丁目で蓑毛からの登山道を合わせる平らな場所には石尊大権現の石柱が立ち、ベンチが設置され休憩ポイントになっています。
25丁目でヤビツ峠から始まるイタミツ尾根を合わせ、二つの鳥居をくぐれば大山山頂に到着します。 山頂には阿夫利神社の上社(本殿)が建っています。
山頂からの展望は雄大で、売店やトイレ(冬季閉鎖)があり、ゆっくり展望を楽しむことができます。
下山は見晴台を経由して阿夫利神社下社に戻ります。
見晴台を過ぎたところからはトラバースになり随所に鎖が設置されています。
しかし、高度感は無く難所ではありません。足元に注意して下山してください。
大山の年中行事
1月:元旦:
初日の出・初詣
7日
筒粥神事(阿夫利神社)
2月:3日
節分祭(阿夫利神社下社)
28日
五壇護摩(大山寺)
3月:第2日曜
大山登山マラソン大会
第3土日
大山とうふまつり
4月:上旬
樹齢400年の大山桜
5月:上旬
春の新緑
第3日曜
酒まつり(阿夫利神社)
7月:27日(〜8/17)
夏山開き
涼・大山の夏「光の競演」
〜夜景と絵とうろう〜
8月:27〜29日
阿夫利神社秋季例大祭
28日
大山神事能
10月:上旬
火祭薪能
(阿夫利神社社務局)
11月:上旬
大山菊まつり
8日(〜12/8)
大山寺もみじ祭
中旬〜下旬
紅葉の見ごろ
ライトアップ・夜景観賞
12月:冬至
星まつり(大山寺)
大晦日
除夜の鐘(大山寺)
雨降山信仰と大山参り
江戸時代まで頂にあったのが大山石尊社で、中腹にあったのは大山石尊社の別当寺の大山寺でした。しかし、明治初期の廃仏毀釈・神仏分離で大山中腹の不動堂は破却されて大山阿夫利神社下社となりました。
大山は古くから多くの人々から信仰されていましたが、特に農民からは雨乞いの山としての性格が強く、農耕神として奉られていたとされています。山頂の奥の院・石尊社の御神体は、自然石(石尊大権現)を磐座として祀っていました。近世になると関東一円から豊作の雨を祈ってこの石に登拝したようです。また、相模湾で漁をする漁民にとっても豊漁や安全を守る守護神として信仰され、網元や船主が豊漁を祈願し、登拝したようです。
※その他、日本に於ける山上の巨石を磐座とした山は、八ケ岳の権現岳、金峰山、赤城山、乗鞍岳などに見られます。
大山は死んだ人の魂が眠る霊山であると同時に呪いの山でもあったようです。二重の滝近くに樹齢千年を越える老杉「のろい杉」があったとされ、女性が毎夜「丑の刻」に参り、ねたむ人・恨みに思う人を形どった人形を杉の木にうちつけて呪いをはらしたといわれています。
江戸時代中期・宝歴(西暦1751年)頃から大山御師(明治時代以降は先導師という)の活動により大山講の組織化が進展し、相模武蔵国内はもとより、関東一円から、雨乞い・豊漁・五穀豊穣・家内安全・商売繁盛などを祈願して「大山参り」が盛んに行われました。特に江戸から多くの庶民が参拝に訪れ、石尊信仰は大変華やかなものであったようです。その一つには、「精進落とし」と称して、参拝後に立ち寄る各宿場の遊所、品川宿の遊郭などで女郎買いがセットになった「男だけの旅」がひそかな楽しみになり、「大山参り」が大流行した理由でもあったと思われます。
こうして、大山参詣の主要道は「大山道(おおやまみち)」と呼ばれるようになり、大山へ登る道筋には御師が経営する土産物店や宿坊が軒を連ねた門前町が出来あがり、講中を迎えました。
戦国時代、小田原の北条氏と関係が深かった大山石尊山社や大山寺に対して、天下統一を果たした徳川家康は、その勢力を無力化するために、高野山の学僧実雄法印を大山の頭に据え、山内改革を行いました。それにより清僧以外は下山を命じられました。下山した僧を中心に御師となって、全国各地に石尊信仰を広め、それぞの場所で講組織が作られることになります。
その一つに、浅間山の寄生火山である石尊山を行場とした自性院による石尊信仰が挙げられます。
大山の開山
「大山寺縁起」によると大山の開山は天平勝宝7年(西暦755年)東大寺初代別当となった良弁によるとされています。これは史実と言うには資料が乏しいが、大山が信仰の対象であり、霊場として開かれていたことは疑う余地は無いでしょう。正史に「大山寺」が登場するのは西暦1184年の「吾妻鏡」です。
参照:名山の日本史
より
大山山頂周辺の気温
山頂気温 | 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高気温(℃) | 4.0 |
4.2 |
6.9 |
12.0 |
13.8 |
18.2 |
21.9 |
23.5 |
20.2 |
15.2 |
10.7 |
6.6 |
平均気温(℃) | -1.2 |
-0.7 |
2.3 |
7.3 |
11.3 |
14.4 |
18.1 |
19.4 |
16.2 |
10.9 |
5.9 |
1.3 |
最低気温(℃) | -5.9 |
-5.5 |
-2.4 |
2.6 |
7.1 |
11.1 |
15.1 |
16.1 |
12.9 |
7.1 |
1.7 |
-3.4 |
大山へ登るための装備と服装
用具・装備 | 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ツェルト |
△ |
△ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× | ストック |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
スパッツ |
△ |
△ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
手袋 |
◎ |
◎ |
○ |
△ |
× |
× |
× |
× |
× |
△ |
◎ |
◎ |
サングラス |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
軽アイゼン |
◎ |
◎ |
△ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
△ |
12本歯アイゼン |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
ピッケル |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
テント |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
画像一覧
ケーブルカー下の市営有料駐車場、一日600円、二箇所で128台。市営駐車場が一杯の場合には民間の旅館や商店などが敷地を駐車場として開放しています。一日1000円くらいです。土日は大変混雑するので公共交通機関を利用。
大山ケーブル追分駅。営業時間 平日:始発 9時00分、終発: 16時30分、 土休日:始発 9時00分、終発 17時00分。追分駅から登山道もあり、右手に男坂、左手に女坂と二つに分かれます。歩けば下社駅・阿夫利神社まで約50分です。
今回は、途中の駅(大山寺駅)で下車し「大山不動さん」と呼ばれ修験道の拠点となった大山寺を参拝します。山号は雨降山、明治元年の神仏分離令によって現在の大山阿夫利神社下社のある地より、当地に移転再建されたものです。
阿夫利神社下社参道。おばちゃんが参拝者を手招きしている一休み出来る茶屋が軒を並べ、豚汁、ところてん、おにぎり、おでん、あんみつ、ラーメンなどの軽食が販売されています。両脇に灯籠が立つ階段を登ると阿夫利神社下社です。
阿夫利神社下社。約1200年前の天平勝宝年間の創健で、雨降山の別名がある様に、雨乞い信仰が盛んに行われ、江戸時代の「大山詣で」は江戸庶民の娯楽という一面も兼ね備えていました。境内を通過して登山口へ向かいます。
片開きの「登拝門」をくぐり表参道が始まります。明治元年の神仏分離まで、登拝門は夏の山開き大祭(7月27日〜8月17日)期間以外は固く閉ざされ、その鍵は元禄時代より、大山三大講社の東京日本橋のお花講が保管していました。
3月上旬で薄らと雪が積もっていました。下社を1丁目、大山山頂を28丁目とする石柱が立っています。8丁目の夫婦杉、10丁目の大杉、13丁目の「きく屋」茶屋跡、15丁目の天狗鼻突き岩を通過してる登って行きます。
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丹沢・大山登山ルート地図
丹沢・大山登山ルート詳細情報
ルート | 大山ケーブル(標高310m)⇒阿夫利神社下社(標高700m)⇒大山(標高1,252m) |
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コースタイム | 一周:大山ケーブル⇒阿夫利神社下社⇒大山⇒見晴台⇒阿夫利神社下社⇒大山ケーブル 4時間10分 |
駐車場 | 大山ケーブル有料駐車場の詳細はこちら |
核心部 | 難しい所はありません。 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:1.04リットル、体重60kgの人:1.35リットル、体重75kgの人:1.66リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:1.934Kcal、体重60kgの人:2.514Kcal、体重75kgの人:3.095Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.276kg、体重60kgの人:0.359kg、体重75kgの人:0.442kg |
標高差 | 距離 5.8km 最大標高差 842m 平均斜度 全体:1% 上り:33.6% 下り:23.8% 獲得標高 上り:840m 下り:761m |
山小屋 | 無し |
登山口へのアクセス | 大山ケーブルカーへのアクセスの詳細はこちら |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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