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南アルプス登山ルート概要
南アルプスとは
南アルプスは名称の通り、日本アルプスの南端に位置し、天竜川と富士川に挟まれ南北120km、東西40kmにおよぶ山脈で、別名赤石山脈とも呼ばれています。日本国内の3000m峰21座の内9座がここ南アルプスにあり、10座が日本百名山に選定されている国内最大級の山脈です。
南アルプスは浸食が進んでいないため甲斐駒ケ岳、鋸岳などの一部を除き全体として穏やかな山容を成し、また南に位置していることから森林限界が北アルプスに比べて300mほど高いことなどが特徴です。
北端には鋸岳があり、甲斐駒ヶ岳、早川尾根、鳳凰三山へと連なる甲斐駒山脈を形成しています。
さらに甲斐駒山脈から野呂川渓谷と北沢峠で隔てた南側では、南北に連なる白峰山脈、赤石山脈とが並走しています。
東側の白峰山脈は白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)と白峰南嶺(広河内岳・黒河内岳・笊ヶ岳など)などの山々が連なり、西側の赤石山脈は北端の仙丈ヶ岳から長大な仙塩尾根が塩見岳へと伸び、さらに荒川三山、赤石岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳、光岳へと連なる連峰です。
南アルプスは日本一標高の高い三伏峠を境に北部と南部に分かれています。
北部へのアクセスは良く、北沢峠などの登山口へは南アルプス林道バスの便が多く、鳳凰三山や甲斐駒ケ岳へは山梨県側からのアクセスも良好です。
一方、南部はアクセスが大変な分、登山者の数も少なく手つかずの自然が残されています。
高山植物は浸食が進んでいない分、土壌が肥よくで北アルプスに比べると豊富です。
梅雨明けの7月下旬から8月上旬が高山植物の最盛期となり、北岳・仙丈ヶ岳・悪沢岳・赤石岳などには広範囲にお花畑が発達していることで知られています。
北岳固有種であるキタダケソウは6月半ばに咲き始め、北岳山荘→吊尾根分岐に向かう稜線上に多く見られます。
10月になるとナナカマドやダケカンバ、ウラシマツツジなどの紅葉が始まり、初雪もこのころで、11月上旬にはほとんどの山小屋がその年の営業を終え、山は次第に白銀の世界へと変わり冬山シーズンとなって行きます。
登山届提出
長野県:長野県のホームページ
長野県警察本部地域部山岳安全対策課 電話:026-233-0110
山梨県:山梨県警察?
山梨県警察本部地域課
電話番号:055-221-0110
登山地図のスマホアプリ
山と高原地図のスマホアプリが昭文社から販売されています。月額版:料金月400円、通常版:地域1エリア500円。
観光協会・観光案内所
南アルプス市観光協会 電話:055-284-4204
夜叉人観光案内所 電話:055-288-2117
白州町観光協会 電話:0551-42-1471
北杜市観光協会 電話:0551-42-1351
韮崎市観光協会 電話:0551-22-1111
伊那市観光協会 電話:0265-78-4111
早川町観光協会 電話:0556-45-2302
大鹿村観光協会 電話:0265-39-2381
飯田観光協会 電話:0265-22-4851
川根本町まちづくり観光協会 電話:0547-59-2746
静岡観光コンベンション協会 電話:054-251-5880
各所から見る南アルプス
南アルプスは、北部の山ほど急峻な地形になっています。
八ケ岳牧場から望む南アルプス 右手から甲斐駒ヶ岳、北岳、鳳凰三山
標高1300mの八ケ岳牧場から南アルプスを望むと北岳が早川尾根の奥に姿を現します。これが、標高800m以下だと早川尾根に隠れて北岳は見えなくなります。
南アルプス最北の鋸岳
南アルプス林道から望む鋸岳。南アルプスにおいて鋸岳は、最も急峻な地形で知られています。岩が脆く、絶えず岩が崩れるためルートが不鮮明になり、ルートファインディングが要求されるバリエーションルートです。第1高点と第2高点間が核心部です。写真の中央の最も高く見える所が第2高点。赤枠の拡大図が下。
小ギャップと鹿窓
ルートは第1高点から稜線に沿って小ギャップに向けて降ります。小ギャップは10m程の垂壁で、鎖が付いているとは言え逆相で足場は悪い。小ギャップから登り返して反対側(山梨県側)に出ると高さ3m程の楕円形の岩窓があります。これを鹿窓と呼んでいます。鹿窓をくぐり長野県側(手前)に出てルンゼを下降します。このルンゼを鹿窓ルンゼと言い、60m程の長い鎖が付けられています。鹿窓ルンゼを降り、第2高点までのルートファインディングが難しい。
鳳凰三山の薬師岳から望む北岳と間ノ岳
右手の北岳の山頂から下部に広がる岩壁が北岳バットレスです。登山道は北岳バットレスを避けるように左手側(左俣コース)と右手側(右俣コース)の2ルートで山頂に向かいます。
左手奥の間ノ岳には細沢カールが確認出来ます。
千枚岳から南アルプス北部の山々を望む。左手から塩見岳、北岳、間ノ岳など
荒川岳と隣合う千枚岳から北側の山々を写す。南アルプスの南部になるほどなだらかな地形であることが見て取れます。
登山コース案内
南アルプスの登山ルートの中で一番難しいのが鋸岳です。
第一高点から第二高点までが核心部です。
近年、鹿窓ルンゼと小ギャップには鎖が掛けられ、ルートにはペンキマークがしっかりとつけられ難易度が下がったとは言え、一般道扱いではなくエキスパートオンリーのルートであることには変わりありません。
次に難しいのが甲斐駒ケ岳の黒戸尾根ルートです。
五合目から七合目まで梯子・鎖が連続し、七丈小屋すぐ下の高度感のある鎖場が核心部です。
黒戸尾根ルートに匹敵するのが、氷河地形のカールが残る悪沢岳(荒川岳)と赤石岳の赤石山系主峰群を踏破するルートです。その中でも千枚岳の通過が核心部です。核心部の区間は短いのですが、高さ5メートルほどの岩壁は登山初心者にはてこずるかもしれません。せめて鎖が付いていれば安全に登攀出来るのですが、「鎖無し」というのが絶妙なバランスともいえます。
次は北岳の八本歯のコルと塩見岳でしょう。
共に鎖が設置されるほどの難易度はありませんが、八本歯のコルに上がる稜線上の丸太梯子で稀に滑落事故があります。
この二つのコースは全体として穏やかで特に難しい所はありませんので登山初心者でも問題なく登れるでしょう。
南アルプスおすすめ観光スポット
南アルプスユネスコパーク
2014年6月、ユネスコエコパーク登録が決定しました。地域の人々が南アルプスの豊かな自然を守り続け、歴史・文化を発展させてきたことが登録の理由です。南アルプスユネスコパークは、人と自然の関係を「高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性」と言い表すことが出来ます。
ユネスコエコパークのゾーニング
核心地域
甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、北岳、鳳凰三山、間ノ岳、農鳥岳、荒川岳、赤石岳、茶臼岳、光岳などの山頂周辺。これらの地域は法律や制度によって保護された自然をしっかりと守って行く場所。
緩衝地域
核心地域の周辺で、教育や調査研究、エコツーリズムなどに活かされる場所。
移行地域
緩衝地域の更にその周辺の市町村で、豊かな心を育みながら、人も社会も発展していく場所。
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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