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甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根登山ルート概要
登山コース案内
黒戸尾根登山口にある尾白川渓谷駐車場は夏のシーズン中の土日になると100台の駐車場は一杯となり、下流の道路には路上駐車の列が長く伸びる事もしばしばあります。
滝が連続する尾白川渓谷は山梨県の中にあっても最も綺麗な渓谷で、上流の不動滝までの周遊コースをめぐる人々や水遊びをする人々で大変混雑します。
山岳信仰によって開山された黒戸尾根は甲斐駒ケ岳の表登山道で、日本三大急登の一つに数えられ、標高差2,300mのロングコースには高度感のある梯子や鎖場が連続して現れます。
特に樹林帯の中とはいえ5合目から7合目にかけての高度感たっぷりの梯子や鎖場が連続する所が、黒戸尾根の核心部といって良いでしょう。
近年では北沢峠から甲斐駒ケ岳へ登る登山者がほとんどですが、歴史を感じる登山道を登り、山頂を極めた時の喜びは大きいと言えます。また、土日になるとトレイルランナーが黒戸尾根を山頂までわずか2時間30分ほどで駆け上がって行く姿をよく目にします。
黒戸尾根の登山道は、尾白川渓谷駐車場を出発して竹宇駒ケ岳神社の参道を奥へ進むみ、尾白川渓谷に架けられたつり橋を渡ってスタートします。
樹林帯をジグザグに登ると横手登山口からの登山道が合流する笹ノ平に着きます。
笹ノ平は休憩の最適地で「甲斐駒ケ岳まで7時間」の道標が立っていて、これからの長い山行を予感させられます。
樹相が針葉樹林に変化する辺りから地面は苔に覆われ、より緑を深めていきます。
行く手の先から光がもれだすと展望が一気に開け、「刃渡り」と呼ばれる難所が現れます。
「刃渡り」の左側は、樹木が生えているとはいえほぼ垂直な断崖です。右側は斜度40度ほどの一枚岩となっていて、その縁の部分の岩に鎖が取り付けられています。
過去に滑落事故が発生している場所ですので、通過には注意が必要です。
その後、黒戸山の山頂を右から巻く様に登り、一旦100mほど下ります。
下りきった所が五合目の平坦地で、ここから七丈小屋の建つ七合目まで、梯子や鎖の連続となります。
五合目からまず長い梯子を登り、ついで右側が切れ落ちた梯子を登ります。
さらに梯子が何度か続き、橋を渡ると黒戸尾根の核心部に突入します。
ほぼ垂直な高度感がある梯子を登るとすぐに右に梯子があります。
この梯子の後の鎖場は約3m、傾斜70度で黒戸尾根ルートの中でも高度感たっぷりの所です 。
鎖場を登りきりトラバースすると核心部終了です。
七丈小屋からダケカンバの林を抜けた所が森林限界で、ハイマツ帯に入ると展望が開け、八日合目御来迎場に到着します。
八日合目御来迎場からは雄大な甲斐駒ケ岳の山頂部が眺めます。
ここから山頂までは鎖が設置された岩場が数か所現れますが、特に高度感は無く難しくはありません。
甲斐駒ケ岳山頂に立つと南アルプスの代表的な山々である北岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、鋸岳などの眺望を堪能できます。また、北側に目をやると八ヶ岳がすそ野を広げています。
縄文人が登っていた甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ケ岳は、江戸時代後期文化13年(西暦1816年)6月に、小尾権三郎が黒戸尾根からの初登頂に成功する。それ以後、山岳信仰の霊場として隆盛をきわめることになる。しかし、驚くことに1988年信藤祐仁氏らは、甲斐駒ケ岳山頂に1等三角点を設置する工事の際に、縄文時代後期の無紋土器を偶然見つける。
これは日本で一番高い所で発見された縄文土器である。いったい縄文人達は山頂までどうやって登ったのであろうか。数千年の時を経て、縄文人達の山岳信仰が息づいているのを覚える。
画像一覧
竹宇駒ケ岳神社から登山開始です。水場、公衆トイレがあります。今から約270年前に駒ヶ岳講信者が建立し、須佐之男命の子、大己貴命が祭られています。4月10日から16日の間の日曜日に祭りが行われ、太々神楽が奉奏されます。
七丈小屋。通年営業の山小屋で、冬季も管理人が常駐しています。食事が付かないことがありますので、事前確認が必要です。竹宇駒ケ岳神社市営無料駐車場から登山口に入る所に食事の提供が可能か記載された看板があります。
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黒戸尾根登山ルート地図
黒戸尾根登山ルート詳細情報
ルート | 竹宇駒ケ岳神社または横手駒ケ岳神社(標高約770m)⇒刀利天狗(標高2,049m)⇒屏風岩⇒七丈小屋(標高2,380m)⇒八合目御来迎場⇒甲斐駒ケ岳(標高2,967m) |
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コースタイム | 登山:竹宇駒ケ岳神社⇒甲斐駒ケ岳 9時間30分 下山:甲斐駒ケ岳⇒竹宇駒ケ岳神社 5時間40分 |
駐車場 | ・竹宇駒ケ岳神社 市営駐車場(無料) トイレあり、約100台駐車可。 ・横手駒ケ岳神社(無料約20台) |
核心部 | 7合目直下にあるほぼ垂直な梯子を登った後の、高度感のある70度ほどの鎖場。 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 5 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:3.80リットル、体重60kgの人:4.94リットル、体重75kgの人:6.08リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:7.077Kcal、体重60kgの人:9,200Kcal、体重75kgの人:11.323Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:1.011kg、体重60kgの人:1.314kg、体重75kgの人:1.617kg |
標高差 | 距離 8.5km 最大標高差 2196m 平均斜度 全体:25.7% 上り:30.3% 下り:6.4% 獲得標高 上り:2213m 下り:58m |
山小屋 | 七丈小屋 |
登山口へのアクセス ( 尾白川渓谷駐車場) |
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黒戸尾根ルートの「高山植物」
![]() ヤマハハコ |
![]() ダイモンジソウ |
![]() ミヤマホツツジ |
![]() ミヤマアキノキリンソウ |
日帰り温泉情報
![]() |
尾白の湯 べるが 超高濃度のミネラルが含有した天然温泉です。併設するキャンプ、宿泊施設が充実しています。 【住 所】 〒408-0315 山梨県北杜市白州町白須8077-1 【T E L】 0551-35-2800 【営業時間】10:00〜21:00。 【定 休 日】 水曜日(8月は無し) |
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次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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