八ヶ岳は山梨県北杜市と長野県北佐久郡・南佐久郡・茅野市・諏訪郡にまたがり南北に約30キロ、東西に約15キロに広がった山脈で、夏沢峠を境にその北側を北八ヶ岳、南側を南八ヶ岳と呼んでいます。
八ヶ岳と呼ばれている山は無く、南八ヶ岳が狭義で八ヶ岳と呼ばれることもあります。
- 1. 南八ヶ岳
- 2. 北八ヶ岳
- 3. 八ヶ岳周辺
- 4. 新着情報
- 5. 八ヶ岳の魅力
- 5.1. 南八ヶ岳の魅力
- 5.2. 北八ヶ岳の魅力
- 6. 八ヶ岳の登山難易度
- 6.1. 1位 赤岳の真教寺尾根ルート
- 6.2. 2位 権現岳~赤岳キレット縦走ルート
- 6.3. 3位 赤岳の県界尾根ルート
- 6.4. 4 位 赤岳の地蔵尾根ルート
- 6.5. 5位 横岳縦走ルート
- 6.6. 6位 権現岳ルート
- 6.7. 7位 阿弥陀岳の御小屋尾根ルート
- 7. 一度は行きたい八ヶ岳の絶景ポイント
- 8. 八ヶ岳の山岳温泉
- 9. 八ヶ岳周辺のおすすめ観光スポット
- 10. 八ヶ岳登山ルート概要
- 10.1. 南八ヶ岳の登山ルートの特徴
- 10.2. 北八ヶ岳の登山ルートの特徴
- 10.2.1. 登山届提出
- 10.2.2. 観光協会・観光案内所
- 10.2.3. 登山地図のスマホアプリ
- 11. 八ヶ岳の登山シーズン
- 11.1. 夏山登山最適期
- 11.2. 残雪期
- 11.3. 雪山シーズン
- 11.4. 本格的な冬山シーズン
- 11.5. 南岸低気圧に注意
- 12. 八ヶ岳の名前の由来
- 13. 八ヶ岳の地質
- 14. 八ヶ岳の開山祭
- 14.1.1. 赤岳山頂に祀られた祠
- 15. 八ヶ岳と富士山の昔話
南八ヶ岳
北八ヶ岳
八ヶ岳周辺
新着情報
八ヶ岳の魅力
南八ヶ岳の魅力
南八ヶ岳は主峰の赤岳(標高2,988m)を中心として横岳、阿弥陀岳、硫黄岳、権現岳などが連なり尖峰状の峻険な山域を形成しています。
核心部の稜線は森林限界を超えているので大パノラマを満喫できます。
その他、西岳、編笠山、峰の松目岳(時に峰の松目岳に代わって天狗岳を含める場合がある)を加え八峰と呼ばれます。
特に赤岳や横岳を中心として高山植物が豊富なのも魅力の一つと言えます。
北八ヶ岳の魅力
一方、北八ケ岳は苔むした針葉樹林の原生林が広がり、点在する山上湖や明るい草原などが多く、山容はなだらかで、その対称性が八ケ岳の魅力といっても良いでしょう。
また、南八ヶ岳に比べ標高が低いこと、北八ヶ岳ロープウエイなどがありアクセスが良いため冬山初心者入門コースとして最適です。
八ヶ岳の登山難易度
1位 赤岳の真教寺尾根ルート
真教寺尾根ルートの核心部の斜度は八ヶ岳の中でも最も強く鎖場が連続します。 特に傾斜約70度、高さ8mの岩壁はうなります。
赤岳頂上までの1時間ほどの区間はすべ岩場となって緊張を強いられます。一方で、展望が抜群なのがいいですね。
難易度 6/10
2位 権現岳~赤岳キレット縦走ルート
権現岳から赤岳に抜けるキレット縦走の核心部は天狗尾根ノ頭直前の梯子と岩棚のトラバースです。
経験の浅い登山初心者にとってかなり高度感を感じると思います。
難易度 5/10
権現岳直下の61段のゲンジー梯子。かなり長い梯子なので途中で一休みしないと足の筋肉に堪えます。
難易度 3/10
3位 赤岳の県界尾根ルート
核心部の約5mの垂直に近い梯子と梯子に辿りつくまでの急斜面は高度感があります。 また、傾斜の強い約30mのスラブ状の岩壁はアスレチック気分で楽しめますが、落石の危険があり要注意です。
難易度 5/10
4 位 赤岳の地蔵尾根ルート
行者小屋から見上げる地蔵尾根は屏風のように垂直の壁に見えますが、実際に登ると見た目ほどではありません。
地蔵尾根の上部では鎖場や梯子が連続します。見下ろすと高度感があり、赤黒い谷の中に吸い込まれそうな気分にさせられます。
難易度 4/10
5位 横岳縦走ルート
横岳の「カニの横這い」と呼ばれているトラバースや「カニの縦這い」がやや高度感があります。鎖があり、足場もしっかりしています。
難易度 3/10
日ノ岳の基部を右にトラバースした後の一枚岩が傾斜40度くらいあありますが、左右に鎖が設置され、難なく登ることができます 。
難易度 2/10
6位 権現岳ルート
権現岳の核心部は東ギボシのトラバースとその終了地点からの岩登りです。それほどの高度感もありませんので難なく通過可能です。 積雪期や雨の日でなければ特に危険は感じません。
難易度 3/10
7位 阿弥陀岳の御小屋尾根ルート
稜線に出るまで5分ほどの所に2mほどの岩壁があります。 ハイマツにくくられたロープを頼りに登ります。ここには足がかり、手がかりがなくロープにつかまってよじ登る感じです。
難易度 2/10
一度は行きたい八ヶ岳の絶景ポイント
八ヶ岳の中でも特に記憶に残る絶景をピックアップしました。
八ヶ岳の山岳温泉
八ヶ岳の中で歩かなければたどり着けない温泉を中心にピックアップしました。
八ヶ岳周辺のおすすめ観光スポット
八ヶ岳登山ルート概要
南八ヶ岳の登山ルートの特徴
南八ヶ岳には中級者向け以上のコースが多く、赤岳には5本の登山道が整備され、その中でも東側の清里に登山口のある真教寺尾根や県界尾根のクラシカルルートは鎖場が連続するだけでなく、山小屋や水場が無くコースタイムも山頂まで5時間と長い為、上級者向きのコースと言えます。
クラシカルルートを使う場合、健脚者ならば日帰りも可能ですが、山頂の赤岳頂上小屋へ一泊すればゆとりある山行となります。
また、権現岳と赤岳との間にあるキレットを縦走するルートも高度感のある鎖場や梯子があり上級者向きコースと言えるでしょう。
赤岳、横岳、阿弥陀岳などは美濃戸口を登山口とするのが一般的で、行者小屋から地蔵尾根を登って赤岳と横岳を縦走するルート、文三郎道を登って赤岳と阿弥陀岳へ登るルートなどがあり、共に中級者向けコースと言えるでしょう。美濃戸まで車で入れば十分日帰りは可能です。
時間にゆとりがあればこの三山を周回するコースがお薦めです。その場合、稜線上にある山小屋に一泊するのが賢明でしょう。
編笠山、西岳、硫黄岳などには鎖場は無く初心者向けコースと言えるでしょう。
北八ヶ岳の登山ルートの特徴
北八ヶ岳は南八ヶ岳とは山容を異にして全体として丸い感じで、山上湖や草原が点在する穏やかな山並みが広がっています。その中で、唯一天狗岳がその両方の要素を備えた山といってよいでしょう。
天狗岳を除くと山頂の標高は2,500mほどで森林限界の下にあり鎖場や梯子などはほとんどなく初心者にも安心して登れる山となっています。
そんな中にあって三ッ岳には簡単な鎖場がありますが、南八ヶ岳のそれと比べると高度感も無く、決して難しくはありません。
北八ヶ岳には通年営業の山小屋が点在しており、冬山の入門コースとして北横岳、縞枯山、茶臼山など登山道は樹林帯の中でトレースもしっかり付いて初心者でも安心して行けるルートとなっています。
蓼科山の女乃神茶屋からのルートは南面にある為、季節風をかわせるので雪山登山初心者にはお勧めです。
登山届提出
長野県 | 長野県警察本部地域部山岳安全対策課 電話:026-233-0110 長野県のホームページ |
山梨県 | 山梨県側は山梨県警察。電子申請やFAXなどで対応。電話:055-223-1576 |
観光協会・観光案内所
- 北杜市観光協会 電話:0551-42-1351
- 清里駅前観光案内所「あおぞら」 電話0551-48-2200
- 八ヶ岳観光協会 電話:0266-73-8550
- 茅野市観光協会 電話:0266-73-8550
- 富士見町観光案内所 電話:0266-62-5757
- 原村観光連盟 電話:0266-74-2501
- 南牧村観光協会 電話:0267-98-2091
- 小海町観光協会 電話:0267-93-2005
- プラザ佐久 電話:0267-68-7433
登山地図のスマホアプリ
- 山と高原地図のスマホアプリ
昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。
八ヶ岳の登山シーズン
夏山登山最適期
一般的な登山最適期となるのは6月上旬から10月の下旬。八ヶ岳と相対するように聳える南アルプスと比べると遥かに雪解けは早く、6月上旬で樹林帯を抜けた所にはほぼ雪はなくなり、アイゼン・ピッケルなどの冬山装備の必要はなくなります。
ただし、この時期樹林帯の中には多くの残雪があり、腐った雪を踏み抜く為、スパッツの使用は必須です。 特に清里側から登るルート(県界尾根・杣添尾根)には6月下旬まで残雪があります。
残雪期
4月から5月が残雪期。5月になっても雪の降る日はありますが、稜線には残雪が全くない所や氷結箇所が入り混じる程度で、次第に気温は上昇し、爽快な雪山登山を楽しめます。
ゴールデンウィークになるとほとんどの山小屋が営業を開始し、本格的な夏山シーズンの幕開けとなります。
雪山シーズン
雪山シーズンは11月から5月。初冠雪があるのは10月の中旬頃ですが、11月下旬頃まで根雪となることは無く、気温が上昇するとすぐ溶けてしまいます。
年末年始はそれほどの積雪量にはならず、1月に入ると次第に増えていきます。西高東低の冬型の気圧配置になった時、北アルプスでは荒れた天気になっても、八ケ岳では晴天になることもあります。しかし、等圧線の幅が狭まり、より冬型が強まれば寒気が流れ込みが強くなり、荒れ模様になります。
本格的な冬山シーズン
本格的な冬山シーズンは12月~2月。八ヶ岳の厳冬季の積雪量は多い年で3メートルくらいまで積もります。強い季節風が吹き抜ける稜線では、雪がつかず岩が露出し、アイスバーンになります。気温は氷点下20度を下回ることも多く、厳しい寒さが続きます。
八ヶ岳では2月上旬から3月上旬にかけて積雪量がピークに達し、雪崩の危険も増してきます。また、気温の上昇が雪崩を引き起こす原因となり、適切な天候判断が求められます。
南岸低気圧に注意
近年、南岸低気圧が太平洋上を通過することが多く、その時には大量の降雪量があります。2014年2月の南岸低気圧による大雪は、関東甲信越地方、特に山梨県の甲府盆地や河口湖で観測史上最大の積雪量になり、非雪国に降ったことで死者26人・負傷者1,000人以上と人的被害ばかりか農業被害も甚大なものになったことは記憶に新しいところです。
八ヶ岳の名前の由来
八ヶ岳と呼ばれている山は無く、南八ヶ岳が狭義で八ヶ岳と呼ばれることもあります。甲斐国志の記述に山名の由来が八つの峰から成る山だからと解釈できる一文があります。胎蔵界曼荼羅の八葉の蓮華を連想させることが山名の元になっているというのです。
八ヶ岳の地質
八ケ岳はフォッサ・マグナ(大地溝帯)の中央に位置し、富士火山帯に属しています。大きな噴火は有史以来起こっておらず、浸食と風化が進み、火山らしい山容を残すのは硫黄岳山腹の爆裂口跡くらいです。 火山質の為、岩質は輝石安山岩と集塊岩を主体として、もろく崩れやすい山体が特徴です。
直近では西暦887年8月22日(仁和3年7月30日)に南海から東海を震源地とする大地震が起き、八ケ岳北部の天狗岳から稲子岳にかけて大規模な山体崩壊が発生し、同時に水蒸気爆発などの火山噴火が起こり、それにより生じた崩壊物質が大月川を岩屑なだれとなって下ったとの記載が日本三大実録・類聚三代格・扶桑略記・日本紀略などに見られます。
八ヶ岳の開山祭
八ケ岳の開山祭は、毎年6月第1週の日曜日の正午から開催されます。会場は赤岳山頂と北横岳山頂です。悪天候や残雪が多い場合にはそれぞれ行者小屋の前と北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅前に変更されます。
参加者には赤嶽岳神社の御札と記念バッチが配られます。開催の決定は、茅野市役所観光課 (電話:0266-72-2101)へお問い合わせください。
赤岳山頂に祀られた祠
赤岳山頂には二つの祠が祀られています。向かって右側が赤嶽神社、左側が太成宮の小祠です。赤嶽神社は長野県茅野市に里宮があり、江戸時代の行者によって赤岳が開山された流れを汲むものです。開山祭では赤嶽神社の氏子達が玉串やお神酒などを山頂まで運び上げ、神主も自らの足で登って来られます。
一方、太成宮は近年になってから建てられたもので、山岳信仰とは全く関係の無い、山梨県富士河口湖町にある「宗教法人太成殿 本宮」によるものです。小祠の前には賽銭箱も置かれ、事情を知らない多くの登山者が手を合わせている姿を目にします。
八ヶ岳と富士山の昔話
昔話に八ヶ岳の神の磐長姫 【いわながひめ】と富士山の神の木花開耶姫【このはなのさくやひめ】が高さを競う話があります。判定を阿弥陀如来に頼んだ所、両山に樋を渡し、真ん中から水を流した所、富士山の方に流れことで八ヶ岳の勝ちになりました。
木花開耶姫は大変悔しがり八ヶ岳の頭を蹴ってしまう。すると、八ヶ岳は八つの峰に別れたとする昔話です。
地質学的に言って、以前は八ヶ岳の方が富士山より高かったようです。甲府盆地をはさんで両山は相対するように鎮座していますので、八ヶ岳の各所から富士山の眺望を満喫できます。