日本アルプス登山ルートガイド > 八ヶ岳 > 横岳 > 横岳縦走ルート
横岳j縦走登山ルート概要
横岳の縦走路は
八ヶ岳の中でも最もおすすめの登山コースの一つです。
行者小屋から地蔵尾根を登り、赤岳から連なる主稜線上にある「地蔵の頭」から横岳に向かいます。
まず目に入るのが二十三夜峰と呼ばれる小さな岩峰で、その基部に架かる梯子を登り、右側を巻いて通過します。
さらにその先にある小さなピークは、右側を巻いて短い梯子を登り、さらに右側から巻きハイマツ帯を抜けると稜線に出ます。
稜線に出て正面の日ノ岳を望むと、山頂の右にあるルンゼ状の岩壁に鎖がかかっているのが見えています。
日ノ岳の基部で右方向に直角にトラバースしてからルンゼ状の一枚岩に取り付きます。
トラバースする所の足場はしっかりしている上、鎖が設置されています。
崖下側の傾斜は30度ほどで高度感はありませんが、積雪期には鎖が雪に埋まる為、滑落には注意が必要な場所です。
また、濃霧時には右方向へのトラバースを見落とし、ルートを見失いやすいので注意してください。
一枚岩の傾斜は40度くらいで両側に鎖が設置されてますので問題なく登れます。
ここが横岳の第一回目の核心部と言ってよい所です。
横岳は「高山植物の宝庫」と呼ばれる山で、特にこの核心部を登り切った所は横岳最大のお花畑が広がり、
開花の時期になると百花繚乱です。
核心部を通過し、日ノ岳を登り切ると再び稜線に出て、今度は茅野側をトラバースする様に進みます。
トラバースする登山道の幅は広く足場もしっかりしていて危険はありません。
茅野側がすべて見渡せ、行者小屋、赤岳鉱泉の建物が緑の中に象徴的に見えています。
トラバースを終え、「峰岳」に向かって登る所には鎖場がありますが、ホールドがしっかりあり問題なく稜線に立つことが出来ます。
稜線に沿って登って行くと、「石尊峰」と書かれた石標が立つ平坦な小ピークです。ここは360度の展望がある休憩の最適地です。
小ピークから少し下ります。「三叉峰」の手前の岩陵は左に巻くのが正式ルートですが、右に巻き踏み跡をたどっても通過できますし、
岩陵を直登りしてもOKです。
「三叉峰」の基部を右から巻くと杣添尾根分岐で、 「三叉峰」頂上は杣添尾根分岐の上方10mほどの所にあります。
「三叉峰」より「奥の院」を望むと「無名峰」の先に山頂だけが見えています。
なだらかなピークの「無名峰」をやり過ごし、「奥の院」の基部にある短い梯子を登り、やせ尾根を通過すると標高2,829Mの横岳の主峰「奥の院」山頂に到着します。
「奥の院」の先には「カニの横這い」と呼ばれる茅野側が切れ落ちた斜面を15mほどトラバースする所があり、ここが2回目の核心部です。
トラバースを終えると茅野側から野辺山側にリッジ状の岩を乗り越え10mほどのトラバースがあります。
両トラバースとも足場はしっかりしていて、鎖も設置されているので決して難しくはありません。
ここで岩場は終了し、なだらかな稜線歩きが続いた後、コマクサの群生が広がる中を進みます。硫黄岳山荘の前に立つ駒草神社の前を通り過ぎ、登り返せば
硫黄岳山頂です。
画像一覧
二十三夜峰を巻くと、日ノ岳の核心部が目に入ってきます。二十三夜とは、陰暦で23日の夜、精進・勤行した講の人々が集い供物をし祈念した月に対する信仰のことで、二十三夜塔・石碑(月待塔)を建立し、供養のしるしとしました。
さらに上がった所から撮影。スタンス豊富な岩場に付けられた鎖がありますが、特に鎖を使う必要はなく通過できます。核心部に向け下る登山者達の周辺はお花畑です。 手前には、イブキジャコウソウの紫色の花が咲いています。
鎖場から少し上がったところは、高山植物のお花畑が広がります。横岳の中でもこの辺りは高山植物の宝庫です。ミヤマダイコンソウ、イワオウギ、チョウノスケソウ、イブキジャコウソウ、ミヤマシオガマ、オヤマノエンドウなどが咲いています。
日ノ岳を登り切り、少し進んだ先で稜線に出ると、正面に「鉾岳」が岩峰を突き出しています。「鉾岳」には直登せずに、その基部を左側から巻きます。しばらくはアップダウンの少ない稜線上を茅野側、野辺山側と縫うように進みます。 前方の小さな岩を右から巻いた後、左側(茅野側)に下って行きます。
小さな岩峰を右から巻き終えて、鉾岳の茅野側の岩場をトラバースする様に下ります。ここにも鎖がありますが道幅はしっかりあり難所ではありません。茅野側の展望は抜群で、行者小屋、赤岳鉱泉を見下ろすことができます。
鉾岳の西側面を約100メートルに渡ってトラバースします。左上に見える「石尊峰」に向かって登る所も鎖場となっています。この周辺の花畑にはハクサンイチゲ、ミヤマキンバイなどが咲き、岩場にはイワヒゲ、イワウメ、ツガザクラなど背の低い高山植物が咲きます。
前写真の位置から稜線を少し上がり振り返って撮影。鉾岳の西側山腹を巻く様に登山道が付いているのがよく見えます。反対方向に進む場合、誤って鉾岳に向かって稜線を登ってしまうと、切り立った岩場が行く手をふさいでしまいます。
稜線を進み正面「三叉峰」の岩塔の基部を右に巻いた所が杣添尾根分岐です。三叉峰山頂へは、右手側を巻いて少し進んだところから戻る形になります。この周辺で6月上旬から中旬なら残雪が溶けるとともに咲きだすツクモグサを見ることができます。
「奥の院」より小同心を見る。小同心は、北側にある大同心を小ぶりにしたような形で、ロッククライミングの対象になり、小同心クラックのチムニーを登るルートです。大同心、小同心は奥の院の守り役と見立てた呼び名です。
小同心のすぐ北側に大同心。横岳西壁の岩峰でその高低差は150メートルを超えています。赤岳鉱泉あたりから望むと袈裟をまとった僧侶が読経しているように見えるところからこの名前が付いたのでしょう。ここもクライミングによく使われ、大同心雲稜ルートが主に登られています。
「奥の院」から「蟹の横バイ」「蟹の立てバイ」を望遠で撮影。「蟹の立てバイ」を下りる登山者が見えます。ここから見ると垂直の壁に見えますが高度感は大したことはありません。その後、岩棚のトラバースがあり、ナイフリッジを野辺山側に乗越ます。
「奥の院」から「蟹の立てバイ」下降点まで降りて見下ろす。傾斜は50度、高さは3mほどでホールドがしっかりあり、下にはテラスがあるので全く高度感を感じることはありません。その後、右手方向に岩棚をトラバースします。
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八ヶ岳横岳縦走ルート地図
八ヶ岳横岳縦走ルート詳細情報
ルート | 地蔵の頭(標高2,722m)⇒横岳(標高2,899m)⇒硫黄岳(標高2,760m) ・行者小屋までのルートは柳川南沢を参照してください。 ・行者小屋から地蔵の頭までのルートは地蔵尾根を参照してください。 ・杣添尾根から三叉峰へのルートは杣添尾根を参照してください。 |
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駐車場 | |
核心部 | 日ノ岳の一枚岩部分と奥の院から硫黄岳に至る途中にある「蟹の横這い」と呼ばれている所が核心部でしょう。 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 3 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:0.38リットル、体重60kgの人:0.49リットル、体重75kgの人:0.60リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:0.698Kcal、体重60kgの人:0.907Kcal、体重75kgの人:1.116Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.100g、体重60kgの人:0.130g、体重75kgの人:0.159kg |
標高差 | 243m(累積標高差はもっとあります) |
山小屋 | 硫黄岳山荘 赤岳頂上小屋 行者小屋 赤岳展望荘 赤岳鉱泉 |
登山口へのアクセス |
【美濃戸口】 >>関東(東京・新宿)から美濃戸口へのアクセスの詳細情報 >>関西地方・名古屋から美濃戸口へのアクセスの詳細の詳細情報 【杣添尾根 (そまぞえおね) 登山口】 >>関東(東京・新宿)から杣添尾根登山口へのアクセスの詳細情報 >>関西地方・名古屋から杣添尾根登山口へのアクセスの詳細情報 |
八ヶ岳横岳縦走ルートの「高山植物」
![]() チシマギキョウ |
![]() イブキジャコウソウ |
![]() ヨツバシオガマ |
![]() イワオウギ |
![]() ミヤマダイコンソウ |
![]() タカネツメクサ |
![]() コマクサ |
![]() ミヤマシオガマ |
![]() ミヤママンネングサ |
![]() ダイモンジソウ |
![]() イワヒゲ |
![]() チョウノスケソウ |
![]() クモマナズナ |
![]() ウルップソウ |
![]() イワウメ |
![]() ミヤマオダマキ |
![]() オヤマノエンドウ |
![]() ツガザクラ |
![]() ハクサンチドリ |
![]() イワベンケイ |
![]() ハクサンイチゲ |
![]() コイワカガミ |
![]() ヤツガタケキスミレ |
![]() ミヤマキンバイ |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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